米国ではシェールガスの生産が急上昇しており、そのために、余剰分を輸出すべきかどうかという議論が続いている。経済的な見地よりも、政治的な配慮が強く働いているようだが、これは日本のエネルギー政策にも影響があるため、ちょっと覗いてみたい。
5日、米国のエネルギー省が委託した調査の結果が出た。結論は、
「米国の天然ガス輸出は、同国にとって『差し引きで』経済的な利益となる」
というものだった。「差し引き」とは微妙な表現が入っているが、この部分が、米国内の産業界では懸念材料となっていたのだ。
エネルギー省自体は、米国内のガス余剰在庫を緩和するために、企業による輸出申請を審査している。そのために調査が必要となった。
要するに、輸出産業が儲かる事は良いことだが、国家の利益としてはどうなのよ、ということだ。これは非常に重要である。何でもかんでも企業の利益まかせにしていては、国家の利益を損なうことがあるからだ。(例えば日本の経団連など、大資本家や大企業の利益のためなら、売国奴となることも厭わない輩ではないのか。経団連は、フリーメイソンやイルミナティなんぞの都市伝説の中に存在する組織より、よほど現実として恐ろしい団体なのだ、と私は考えている。)
そして調査結果の「差し引きで」という部分だが、これは簡単に述べると次の様な事情だ。
つまり、シェールガスの生産が急上昇して売るほどあるのだから輸出したい、という生産者の自由に任せてしまうと、せっかく生産増加で安くなったかもしれない米国内のガス価格が上昇してしまう、という懸念がある、ということなのだ。
それでは国内の価格上昇によるデメリットと、輸出で設けられるメリットを秤に掛けたらどうなるのか、というのが今回の調査だった。
そして、「差し引き」で利益がでるという結論にいたったらしいのだ。そしてこの調査結果を、これから議会が詳細に審査することになる。
繰り返しになるが、議会も今のところ見解が二つに分かれており、輸出反対派は、現在非常に安価に国内の企業に供給出来ているガス価格が上昇することを懸念している。そして賛成派は、雇用創出と貿易赤字削減になるではないか、と期待しているわけだ。
米エネルギー情報局の見込みでは、シェールガスの生産は2040年にかけて急増するという。その結果、米国内の天然ガス生産量の半分をシェールガスが占めるようになり、発電所や工場での導入も進むだろうとみている。
特に発電の原料としては、全発電量煮に占める天然ガスの比率は、2011年の25%が、2040年までには30%に上昇すると推計されている。同時に再生可能エネルギーも同じ期間で13%から16%に上昇するだろうとみられている。
一方石炭は42%から35%に減少し、原子力も19%から17%に減少すると推計している。
その結果、CO2の排出量も、エネルギー消費が増加したとしても、天然ガスの比率の増加によってブレーキがかかり、緩やかなものになるのではないかと見られている。
そして米国内では原油生産も伸びていることを合わせると、エネルギーの輸入依存度は、19%から一気に9%に下がると予想された。
さて、オバマ政権はどう考えているか。オバマ政権としては、シェールガスなどの余剰分を輸出拡大に利用したいと考えている。そのため、近い将来、日本への輸出も解禁されるのではないかと関係者は見ている。
「解禁」と聞いて驚かれるかもしれないが、実は米国には天然ガス法というものがあり、FTA(自由貿易協定)を結んでいない国には、輸出を制限しているのだ。これは前述した、国内価格の上昇を防ぐためである。
しかし急上昇が見込まれる供給を国内だけに提供していては、生産者側としては価格低下になり、うまみが無い。逆に輸出に回せれば、販路の拡大となる。
そしてこの度の調査結果では、「ガス輸出増で米の国富は安定して拡大する」と出た。
輸出増加による雇用拡大を目論むオバマ政権としても、これは飛びつきたい。何しろ輸出倍増計画や雇用拡大計画が思うように成果を出していない。どんどん輸出するぞ、というのがオバマ政権の方針となるだろう。
一方、日本としても、原子力発電所の稼働停止による火力発電への依存度が上がっており、安価なガスを入手したい。既に東京電力も米国からシェールガスを購入する検討に入っている。後はオバマ政権が「解禁」出来るかどうかにかかっている。
と、そういえば日本でも秋田県で国内発のシェールガスが採取できて話題となった。そういうタイミングにおいても、米国のシェールガスには感心が高まっている。
なにしろ東日本大震災後の火力発電増加に伴ったLNG(液化天然ガス)の輸入量は急増している。しかし、その価格は米国の国内価格のなんと約5倍にもなっているのだ。もちろんここには液化の費用や輸送費用も含まれているが、それらを差し引いても約2倍と割高だ。
日本の2012年度上半期の貿易収支が記録的な2.9兆円の赤字となった原因の一つはこの高額なエネルギー輸入だった。
しかも、エネルギー価格が上がれば、国内の製造業にとってもコスト上昇となり、空洞化が懸念されている。
そのため、米国の安いシェールガスの輸入は急務なのだ。ここで日米の思惑が揃う。オバマ政権は輸出したい、日本は輸入したい、だけどFTA締結国以外には輸出制限がある。
となると、米国での政治的判断が、今後の日本のエネルギーコストに影響を与えることになる。
勿論、日本は米国だけを頼みとはしていない。例えば日本の大手商社は米国以外にもカナダでシェールガスの上流権益を数カ所保有している。日本はこの手の搦め手からも米国に対して輸出許可を出すように働きかけているのだ。
他にも豪州、ロシア、東アフリカなどからのLNG調達を検討している。それらの国々で、LNG基地開発など上流開発と呼ばれる部分に参加し、より低価格のエネルギーを輸入しようとしている。
特に東アフリカのモザンビークなどでは、莫大なガスの埋蔵量が確認された。そのため、日本の企業も開発に参加し始めている。
また、ロシアでは既にサハリン2プロジェクトというものに日本の企業が出資しており、プリゴロドノエという南部の積み出し港にあるLNG基地からは、日本に出荷を始めている。
ロシアでは他にも、今年の9月に日露の資源エネルギー庁と露ガスプロム社との間で、ウラジオストクでの新規LNG基地建設プロジェクトを行う覚書に署名している。この署名には日露の首脳が立ち会った。特にこのプロジェクトは、LNG基地の周辺にも化学コンビナートなどを作る計画になっており、プーチン大統領の肝いりとなっている。
一方、売る側も原子力発電の稼働率が低下した日本に目を付けている。
例えば英国の大手石油会社BPは、2017年度から15年間の長期契約で、関西電力にLNGを供給する契約を結んだ。それも、年間約50万トンを米国の天然ガス指標銘柄であるヘンリー・ハブに基づいた価格で供給するという契約だ。
このことで、関西電力はこれまでより約3割ほども安くLNGを調達できることになるという。
以上の様な状況の中、米政府が日本にガス輸出を解禁するかどうかが大きく注目されているわけだ。
脱原発を唱える人達は、このような情報にも注目する必要があるだろう。
私は長期的には原発廃止派だ。でその代わりに原子力技術を途絶えさせたくないのであれば、堂々と核兵器を開発しよう派(現実的ではないが)だ。
そもそも脱原発の人達(あるいは政党)は楽天的過ぎるのではないか?○○年に原発廃止!などと気軽に叫んではなるまい。
代替エネルギーはどうするのか。使用済み核燃料はどうやって処理するのか、などの問題を解決する具体的な方法とタイムテーブルをきちんと示す必要がある。
だから、私は、原発は怖いけど、脱原発を叫ぶ人達とはちょっと距離を置きたい、という気分なのだ。
しかしながら、先日BSで、シェールガス開発にからむ、米国での公害問題を2周にわたって取り上げていました。地下の岩石に高圧水を送り込んで、ガスを取り出すのだそうですが、高圧水といっても水だけではないんですね。大量の薬品を注入するそうです。そのため、ガス田の近くの住宅では、水道水に火がついたり、変色したり、散々のようです。家畜にも異常が発生している模様。ガスの開発会社は開発によるものではないとの一点張り。われ関せずの姿勢。儲けさえ出れば環境の事などお構いなし、は世界共通ですね。
あちらをたてればこちらがたたず。
原発の放射能汚染とシェールガスによる水の汚染、化石燃料による大気温度上昇、人類の英知はこれらを解決できるでしょうか?
貴重な情報ありがとうございます。シェールガス採取のために公害も無いが発生していることは、迂闊にも知りませんでした。
水道水に火が付くというもも怖いですね。オカルトチックです。
「儲けさえ出れば環境の事などお構いなし、は世界共通ですね。」
そのようですね。巨大な利権や金は、人が悪魔に魂を売ることをそそのかす力があるようです。
さて、人類に「英知」はあるでしょうか。
TPPを 細分化して 話しあわないと なんか変だなぁ
今回の選挙は もう時間が無いけれど 未来に向けて 重要になる選挙ですね。
恐ろしい選挙とも いうべきでしょうか?
消費税増税も TPPも 失業者を 作りますね。原発怖いですね。
第3極といわれる党は票割れするかなぁ。弱い者同士の票が 終結した時〜
政策は 政権を 握らないと できない。
衆議院選挙まで後5日 政治研究会(名前検討中
比例で 1議席 30万票から40万票 今回は それ以上かもしれない と ウェブで 読みました。
国防軍も 恐ろしく 聞こえます。選挙結果は 誰のせい でもない〜
TPPは、推進している野田佳彦首相自身が知識が無いことで呆れてしまったことがあり、以前投稿しました。
『やっぱりTPPを理解していなかった野田佳彦首相。日本国民を犠牲にしてでも、米国に媚びる戦慄すべき醜態を晒す。』(2011/11/12)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/234891213.html
おっしゃる通り、TPPというか、自由貿易は万能薬ではありません。失業者が増えます。
また、第3極はどれも言っていることが適当(デタラメ)です。受けそうなことを口にしているだけです。困ったものですね。皆選挙互助会になりはてています。
脱原発の方々(私も長期的には脱原発のつもり)は、選挙演説受けするためだけでなく、具体的なタイムテーブルと技術的手法を示す必要があります。
当選してから、「ありゃ、やっぱり原発を廃止するのは無理でした。」「プルトニウムを分離しないと危ないらしいからやっぱり再処理工場を稼働させよう」あるいは「再処理の結果としてのウラン・プルトニウム混合化合物を処理するために、やっぱりプルサーマル原発が必要でした。」などと慌てて言い出す可能性が有るからです。それこそ原発ムラの思うつぼです。
あるいは「金がかかるから再処理せずに処分せよ」と危険な話にもなりそうですね。そういう人達は、ドライキャスクで処分できるだろう、と言います。
しかし、ドライキャスクは「安全な」「一時的な貯蔵」方法です。
それに日本は国際公約上で余剰プルトニウムを持たないとしています。それが「日本はプルトニウムを持っているらしい。何のためだ?まさか!」と海外から憶測される可能性も出てくるしょう。(そのような憶測を海外にさせるのは、威嚇にはなるかもしれませんが)
そして、使用済み核燃料の処分方法を示す(再処理工場はどうするのか、中間貯蔵庫はどうするのか、あるいは、再処理しない方法を使うとしたら、何年の期間と、どれだけの予算が必要なのか等々)必要があると思われます。
その故に使用済み核燃料について真剣に、また具体的に言及したがらない「脱原発」は、偽物だと思うのです。
今年も、宜しくお願い致します。
早速ですが、
【福島原発事故が起きてしまった以上、即刻、原発を止めなければなりません】
貴殿の「脱原発の方々(私も長期的には脱原発のつもり)は、選挙演説受けするためだけでなく、具体的なタイムテーブルと技術的手法を示す必要があります」とのご意見には、首を傾けざるを得ません。
【福島原発事故は、収束などしていない。綱渡り状態のままである事を、肝に銘じなければならない】
既に、多くの報道が『喉元過ぎれば熱さを忘れる』の状態になっている。
違憲である選挙制度の下に行われた総選挙により、責任をとらなければならない自民党が第一党となった為、政官財の癒着構造が益々強固なものとなる。
当然、事故の責任問題など有耶無耶にされてしまうであろう。
自民党の『3〜10年後に、エネルギーのベストミックスを判断する』は論外。
事故の反省など全くなく、従来どうりの原発推進政策を隠して総選挙に臨んだ自民党と、原発反対の振りをした公明党は、詐欺師に等しい。
日本人は、なぜ、他人の痛みを感じられなくなってしまったのか?
悲しい現実です。
長くなりますが、私のスタンスを示しておきます。
(事故前)地震・火山列島の日本には、原発は不向き。しかし、温暖化問題に目処がつく迄の過渡期の電力として既存の設備は利用する。
(事故後)懸念していた事故が起きた今、原発は実際にはコストが高く、かつ危険である為、即、廃炉にしなければならない。何故ならば、賠償費用も当然、原発のコストに含まれる為、コストは無限大になる。後世に、これ以上、負の遺産を残してはいけない。
国際基準にも満たない安全対策しか施していなかった原発事業者に、電力の安定供給を語る資格などない。
国内のマーク T 型原発(事故を起こした福島第一原発と同型)全ての廃炉作業に、即取り掛かること。同型原発が欠陥製品であるのは、米国では周知の事実。
日本には、廃炉ビジネスで世界をリード出来るチャンスと義務がある。
文頭の話に戻りますが、使用済み核燃料の取り扱いについては、全世界どこの国も解決策がないのが現状。
一旦事故を起こせば、諸外国に多大の迷惑をかけることは必至。
原発(核兵器ではない)保有国は勿論、安全保障上の観点も含め、全世界の国々で議論しなければならない問題である。
事故を起こした当事者として、日本は、国連に提案すべきである。
安倍新政権が、原発問題に対して、何処までグローバルに考えるて行動するか?注視したいと思う。
以上、長文、失礼しました。