2012年06月27日

i-Ballという、大気圏突入の瞬間を見届ける「目玉(Eye ball)」が登場した。

直径40センチの球体がある。オレンジ色のような明るい茶色のような色でてかっている。バスケットボールにも似ている。しかし弾まない。しかも重さは24キロある。

この球体の名は「i-Ball」。IHIの子会社であるIHIエアロスペース社が開発した。これまで観察できなかった宇宙機などが大気圏に再突入した際の情報を収集する装置だ。つまり、強靱な装置である。

このi-Ballは宇宙機が大気圏に再突入する際の破壊状況や部品の落下情報などのデータを収集でき、宇宙機の安全性を向上させるために役立てることが出来る。

今回開発されたi-Ballは、まずは「こうのとり」3号(HTV3)に搭載される予定だ。「こうのとり」は宇宙ステーション補給機だ。

i-Ballには、カメラと各種センサーが搭載されている。カメラは宇宙機などが大気圏に突入したときの大気圏との摩擦状況や、宇宙機などがどのように破損していくのかを記録する。

また、センサーは、大気圏突入時の温度や加速度を測定できるだけでなく、燃え尽きなかった部品の位置情報も追跡できるのだという。これは画期的だ。

これまで、宇宙機などが大気圏に再突入するときは、燃え残る部品の落下位置が把握できなかったため、広範囲にわたって航空機や船舶の立ち入りを制限する必要があった。

しかし、この部品の落下予測がより正確にできるようになれば、その制限はかなり狭められる。

i-Ballを開発したIHIエアロスペースが帰還システムの開発を始めたのは1980年からだ。JAXA(宇宙航空研究開発機構)と多くのプロジェクトで協力してきた実績がある。

最近では、2010年6月に小惑星イトカワから帰還した「はやぶさ」(MUSES-C)の再突入カプセルの開発・設計・製造を行った。そして、小惑星からのサンプルリターンという世界初の快挙を成し遂げている。

i-Ballの初仕事は、前述の通り「こうのとり」3号機の再突入を見届けることだ。こうのとりは7月21日に打ち上げられ、ISS(国際宇宙ステーション)に物資を届けた後、8月末に大気圏に再突入する予定だ。

このとき表面温度が約2000度になっても燃え尽きないi-Ballが、こうのとりが壊れていく様子を観測する。周辺の温度や部品の落下速度や軌道も記録する。撮影もするので、始めて大気圏に再突入した宇宙機の様子が画像で記録されることになる。

そして上空5キロから10キロ地点にたっすると、パラシュートを開いて海に落下して帰還する。

現在は静止画だけだが、将来的には動画を撮影することも目標となっている。

このi-Ball、名前の由来はまさに「目玉(Eye ball)」だ。

どんなデータを収集してくれるのか、楽しみだ。



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