2012年01月08日

米国への支援要請で、北朝鮮が飢餓状態にあることが分かる

金正恩氏(朝鮮人民軍最高司令官、朝鮮労働党中央委員会委員、朝鮮労働党中央軍事委員会副委員長)の、どう見ても食い過ぎの体型とはギャップがあるが、北朝鮮人民は飢えている。

北朝鮮には恥も外聞もない。昨年12月末に、ニューヨークの国連代表部を通じて米政府に大規模な食料支援を求めていた。特に穀物を中心にして欲しいとの要望も含まれていた。

金正恩氏の新体制になってからは初の米政府に対する折衝となる。それがいきなりの食料支援要請だ。そうとう追い詰められているのではないか。

以上は、関係筋が7日に明らかにしたものだ。

実はまだ金正日総書記が生きていた12月中旬に、北京で米朝間の交渉が行われており、その場では米国政府は乳幼児や高齢者向けの粉ミルクや栄養価の高いビスケットなどの提供を行うことを北朝鮮に提示していた。

このとき、北朝鮮側はこの米国政府の提示内容に同意していたらしい。

しかし金正日総書記が死去した後、金正恩氏の体制が始まると、米国の支援内容を穀物中心にするように要請してきた。

これに対して米国側は拒否している。

米国が拒否した理由は容易に想像できる。一つは穀物類などを中心とした支援をしてしまうと、それらが軍部に優先的に配給される可能性があるからだ。

また、金正恩氏の体制が始まったばかりで、おそらく北朝鮮は中国や米国から支援された食料を、「金正恩の深い慈愛」による「恩恵」として国民に配給し、金正恩のカリスマ性を確立するために利用することが見え見えだからだ。

「北朝鮮は、貯蔵でき、より幅広い国民が対象となる支援が欲しいのだろう」

そう、関係筋は明かしている。

FAO(国連食糧農業機関)とWFP(世界食糧計画)が昨年10月に北朝鮮の現地調査に基づいて行った報告によると、北朝鮮が不足分として輸入を必要としている穀物は約74万トンになるという。

当初米国は、この内の24万トンを人道的支援として提供する方向で交渉していた。

しかし、前述の理由、つまり軍用の備蓄食料とされる危険や、金正恩の「恩恵」に利用される可能性からこれを取りやめ、幼児や妊産婦、高齢者に限定した粉ミルクやビタミン剤などの栄養補給食品の支援に限ることにした。

ただ、いずれにせよ支援を行うことや、北朝鮮が米国と直接折衝を始めたことで、核問題を含めた米朝間の折衝が活発化する可能性があると関係筋は見ているらしい。

それにしても北朝鮮は追い詰められている。

一つは実際に北朝鮮の食糧事情が逼迫していることがある。

さらには、それを利用して、金正恩体制を強固なものにするために、金正恩は食料問題を解決することを国民にアピールしてしまっている。ここで食料を確保しなければ、面目が立たない。

金正恩新体制は、元旦の年頭共同社説に以下の様に表明してしまった。

「人民の食の問題、食糧問題を解決することは、強盛国家建設の焦眉の問題だ」

それを裏付ける第一弾として、新年早々に行ったのは平壌市民に限られてはいたが、金正恩からの魚の配給だった。

専門家は言う。

「食糧問題に熱心な後継者のイメージ作りが狙いだ」

すなわち、それほど北朝鮮の食糧事情は逼迫している。魚の配給も平壌市が精一杯だった。

脱北者団体の情報によると、地方では配給が行われておらず、住民達は闇市で生計を立てていた。それを金正恩体制が取り締まりを強化し、中朝国境の取り締まりも強化した。

その結果、住民はますます困窮し、金正恩体制への怨嗟の声が広がっているという。

勿論金正日総書記は生前、中国に対して食料援助を要請していた。そして中国もそれに応えてはいたが、もはや中国の支援だけではまかなえないのだという。

「中国の支援だけで十分とはいえず、端境期の春には食糧難に見舞われる」

脱北者団体は言う。

金正恩体制を揺るぎないものにするためにも、食料の調達は急務だ。しかし米国は拒否した。

ただし、外交上の取引はあり得る。寧辺のウラン濃縮施設が停止されるのであれば、考えなくもない、といったところか。



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