2014年06月19日

トヨタの「T-Connect」車と会話する時代到来を告げる≪動画有り≫

スマートフォンの様なカーナビ

トヨタ自動車は、6月18日に車載情報サービス「T-Connect」を発表した。

T-Connectは夏以降に発売される予定のサービスで、自動車からインターネット上に集められた情報を元に、運転者のニーズを先読みする機能を備えている。

具体的な動作などについてはこの記事最後の動画を見ていただければわかりやすいが、例えば、良く使う道路の渋滞を事前回避させたり、給油が必要になると近くのガソリンスタンドを知らせてくれる。

また、スマートフォンの様にアプリケーションをダウンロードすることで、機能を追加していくことができる。

例えばパナソニックが開発したアプリを使えば、車内から自宅のエアコンを操作することなどができる。

トヨタが開発したアプリでは、運転者のブレーキ操作などから安全な運転状態にあるかどうかを診断する機能も備わっている。


車に搭載された「考える」機能

「T-Connect」は音声で利用できる。例えば「明治通り沿いのおそば屋さんを探して」などの幅がある表現で問いかけても、候補となる店を見つけ出してくれる。

その結果に対してさらに「今、営業している駐車場のある店にして」と複数の条件を口頭で追加すると、該当する店を絞り出してくれる。

また、スマートフォンとも連携しているため、近くの駐車場に車を止めた後でも、引き続きスマートフォンが店までの道順を案内することができる。

つまり、運転者はカーナビに一切触れること無く高度な機能を利用できるのだ。

もし、運転者の質問にカーナビが答えられない場合は、自動的にオペレーター(こちらは人間)に切り替わり対応してくれるが、この際の回答履歴が学習されて、機能がアップされるという。

そしてもう一つの特徴は、スマートフォンの様に外部企業が開発したアプリを追加できることだ。

前述したパナソニックのアプリを使用すれば、うっかり自宅のエアコンを付けたまま車で出かけようとすると、「エアコンの電源が入ったままです」というメッセージがカーナビの画面に表示される。

既にウェザーニュースやぐるなびなどからもアプリが提供される予定で、「ぐるなび」「天気予報」などのアプリが配信される。

スマートフォン用にもアプリが提供されるので、例えば「マイカーログ」では走行距離や運転時間が記録され、「ラストワンマイル」では車を降りた後の道案内や周辺情報案内が利用できる。


自動車メーカーのテレマティクス競争

以上の様に、カーナビゲーションがインターネットに接続し、ビッグデータを解析して各種機能を提供する仕組みを「テレマティクス」と呼ぶ。

テレコミュニケーション(通信)とインフォマティクス(情報工学)を合成した造語だ。

このテレマティクスはトヨタ以外の自動車メーカーも取り組んでいる。

ホンダではインターネットナビとして、渋滞情報・駐車場情報・交通情報・低燃費走行ルート情報・災害情報などを提供している。

日産自動車はカーウイングスとして、やはり渋滞情報・最速ルート情報の他、オペレータの遠隔操作による目的地設定なども提供している。

日本メーカーだけではない。イタリアの「フェラーリ」やドイツの「メルセデス・ベンツ」なども同様のサービスを提供する予定を持っている。

さらにテレマティクスは、ユーザーへの情報提供だけを担っているわけではない。自動車メーカー側も、車から集めた燃費・走行距離・ブレーキ状況などのビッグデータを、新車開発に役立てたいとしているのだ。

そしてゆくゆくは自動運転技術に役立てることも視野に入れている。


IT業界と自動車業界の垣根を越えた競争

自動車に「考える」機能を搭載しようとしているのは自動車メーカーだけではない。IT業界も参入し、業界を超えた競争あるいは協力が始まっている。

例えば米アップルは3月にiPhoneと連動する「カープレイ」という車載システムを発表したし、グーグルは自動走行する電気自動車のプロトタイプを5月に発表した。

勿論カーナビメーカーも静観してはいない。富士通テンはアルパインとカーナビの共同開発を行う事で機能の高度化に対応するとし、パイオニアはNTTドコモの出資を受けて「ドコモドライブネット」というスマホ用カーナビサービスを運営している。

テレマティクスは新しい市場として、業界の垣根を越えた競争に入っているのだ。




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