自分だけの空間を発売
家具専門店の有限会社フレスコから、大人が自分だけの空間を持てる、まるで秘密基地のようなクローズドスペース「KAKUREYA」を発売した。
「KAKUREYA」はボックスタイプのデスクユニットにキャスター付きのシートが備えられた製品で、シートに座った状態でシートをデスク側にスライドさせると、デスクユニットがシートで閉ざされて、コックピットの様なプライベートスペースが生まれるというものだ。
この落ち着いた空間で、仕事に集中したり、映画鑑賞を行ったり、様々な趣味を楽しむなど、せわしない日常から切り離された時間が過ごせそうではないか。
この製品が企画された当初は男性を前提にしていたため、「男のかくれ屋」という商品名だったが、予想外にも女性からの指示があったため、「KAKUREYA」に変更したと言う。
コンパクトな設計
「KAKUREYA」は非常にコンパクトなサイズで、シートを引いた状態のサイズは120×125×150(幅×奥行き×高さ)cm。
ところが中に入ってみると、外観からは予想外なほど広く感じる空間が確保できており、パソコンを設置してもまだ広々としたデスクが利用できる。
また、上下左右の空間を効率良く利用したラックや引き出しにより、様々なものを収納できる機能的な収納機能が備わっている。
完全受注生産により3ヶ月待ち
この設置が容易な「KAKUREYA」は、現在完全な受注生産のため798,000円だが、今後は量産することで398,800円と約半額程度にまで価格を抑えられるのではないかとフレスコ側は考えている。
現在はひとつひとつ手作りしているため、注文してから納品まで約3ヶ月かかってしまうが、デザインの改良や材質の見直しで量産化できれば、納期はかなり縮められる予定だ。
6月3日から8日まで開催された静岡家具メッセに「KAKUREYA」を出展したところ、多くの人達が興味を持ち、「意外と広い」「欲しい」「落ち着く」といった反響があった。
国産家具の新しいニーズ
ストレスが多い現代、人々は様々なストレス発散の手段を持っているが、敢えて小さな空間に閉じこもって何かに没頭することで、社会から自分を切り離して逆に開放感に浸れるのではないだろうか。
開発元のフレスコは、一般的なデスクやオフィスチェアを設置できる空間に、圧迫感を感じさせない空間を確保するサイズを見極めることに苦労したという。
また、低迷する国産家具の製造業を活性化するためにも、何かわくわくするような新しいコンセプトの製品が必要だと考えたともいう。特に国産で製造することに拘った。
今後は、「KAKUREYA」の量産化による製造コスト縮小と短納期化が課題だが、既に得ている人々の反響から見えてきたニーズを反映させた製品として、子供用の集中力が高まる勉強スペースや、国産ヒノキ天然木を活用した瞑想用の癒やしスペースにも挑戦していくことを検討している。
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