韓国政府の発表に依れば、韓国南西部・珍島沖で起きた旅客船セウォル号沈没事故の合同捜査本部は、30日までに日本政府から同船の設計図を外交ルートを通じて提供を受けたという。
セウォル号は1994年に日本で建造されて運航されていた船だった。つまり、建造当時の設計図を確認することで、今回の沈没の原因に、韓国側での改造が影響したかどうかを調査することが目的だ。
30日で、既に沈没事故が発生してから2週間になる。そのため捜査本部は船の改造と転覆・沈没の関係を究明することを本格化させたとみられる。
また、同日に韓国政府関係者は、船内での安否不明者の捜索は5月中旬を目処に打ち切ることが検討されていることも明らかにした。
恐らく、捜索打ち切り後に船体引き揚げ作業に入ると思われる。
30日までに確認出来ている死者は205人、不明者は97人だ。
セウォル号は前述通り、1994年に日本で建造されて2012年9月まで「フェリーなみのうえ」として運航していた。それを2012年に清海鎮海運が中古として購入した。
注目されているのは、清海鎮海運が購入後に改造したことだ。韓国のメディアによれば、清海鎮海運はセウォル号を購入後に、5階の客室を増築するなどして800トン以上も重量を増加させたとしている。
しかもこのことで船体の重心が大きく変化した可能性がある。
また、韓国YTNテレビが捜索活動に参加していた潜水士に取材したところ、船内の構造が政府から伝えられていた構造と異なっていたと証言している。
つまり、清海鎮海運が韓国当局に届け出ていた内容には、改造について報告されていなかった可能性があるのだ。そうなればこれは、不正改造したということにもなる。
これらの情報から、捜査本部はセウォル号が転覆した原因の一つに、不正改造により重心が高くなっていたことを疑っているのだ。
もしこれが事実であれば、清海鎮海運にはさらなる沈没事故の責任が問われることになる。
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