2014年01月27日

三菱製紙がリチウムイオン電池の新素材開発

三菱製紙がリチウムイオン電池の新素材を開発した。不織布を使用し、セ氏200度まで耐熱性があるという。しかも長期間の繰り返し使用にも耐える。

さらに注目を浴びたのは、機能が上がったと同時に製造コストが下がったことだ。従来品より2〜3割安くなる見込みだという。

これまでリチウムイオン電池では、発火トラブルが発生していたため、三菱製紙が開発した新素材は、産業機械や電気自動車の分野で採用されるだろう。

今回開発された新素材は、「セパレーター」と呼ばれる不織布製の素材だ。

リチウムイオン電池では、充放電する際にリチウムイオンが正極と負極を移動する。

そのためにセ正極と負極を分離しているセパレーターと呼ばれる膜には微細な穴が空いているのだ。

このセパレーターが、正極と負極が直接触れることを防いでいる。直接触れると発火するからである。

ところがこれまで使用されてきたポリエチレンのセパレーターは、電池内部がセ氏130度に達すると収縮してしまう。その結果、両極が直接触れて発火する危険があった。

そこで三菱製紙が開発したセパレーターは、ポリエステルの不織布の両面にセラミック粒子を薄く塗布している。このことで耐熱性をセ氏200度にまで高めることができ、さらに利用寿命も従来品の1.5〜2倍にまで延ばしたという。

三菱製紙はこの新素材セパレーターを、兵庫県にある高砂工場で月産10万〜20万平方メートル生産する予定だ。

さらに需要が高まれば、工場の増設も検討している。

このニュースを受けて、27日、三菱製紙の株価が急騰している。

リチウムイオン電池の耐熱性工場と寿命延長はインパクトがあった。ボーイングの新型機787で出火事故を起こして以来、注目されていたからだ。

そのため、市場は三菱製紙の収益拡大を期待して、買いが殺到している。




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