2014年01月10日

中国、南シナ海での一方的な規制強化。国際社会の非難は必須

9日、米国務省のサキ報道官が記者会見で、中国が1日より南シナ海で他国の漁船の操業への規制強化を行っていることを明らかにした。

この規制では、中国側が勝手に同海域から他国船を退去させたり、漁船を没収したりできるとしており、サキ報道官は「挑発的行動だ」と批判した。

さらに、米政府として中国政府に対し、懸念を伝えたという。

サキ報道官は言う。

「中国から国際法上の根拠や説明は何もない」

従って、この中国による勝手な規制強化は無効であると断じている。その上でさらに非難した。

「挑発的であり、危険な結果につながりかねない行動だ。緊張を高めることは控えるべきだ」

中国は以前から南シナ海での領有権拡大の動きを見せていた。何しろ資源が豊富であり、しかも交通上の要衝だからだ。

そうなると、いつもの通り、中国は一方的に自国の領海として勝手に規制を作っていく。

サキ報道官の話では、今回中国が規制の対象としているのは、「九段線」という中国独自の境界線内だろうという。この境界線は中国が勝手に引いたものであり、「中国は海洋に関する一連の権利主張に関し何ら説明せず、国際法上の根拠も示していない」と非難した。

中国は昨年11月にも、勝手に東シナ海上空に尖閣諸島を含む防空識別圏を設定し、この区域に侵入する航空機への事前通達を要請するという挑発を行っている。

そしてこの度の南シナ海での規制でも、指定区域に侵入する外国漁船に対して、中国側の許可を得るように主張しているのだ。この海域が中国の支配下にあるという既成事実を作るためだろう。

そのために昨年11月末には、海南省の人民代表大会常務委員会が「中華人民共和国漁業法」を改定し、「海南省の管轄水域に進入し、漁業生産や漁業資源調査を行う外国人、外国漁船は、国務院(政府)の関係部門の許可を得なければならない」という条項を盛り込んでいた。

それが今年に入ると施行されたということだ。

さらにずうずうしいことに、この規制では、指定海域に侵入した外国船舶に対し、罰則まで決めてしまった。追放、漁獲物や漁具の没収、50万元(約870万円)以下の罰金などだ。

この中国側の一方的な規制に対し、南シナ海のスプラトリー(中国名・南沙)諸島などを領有していると主張している台湾が反発した。

また、同じく同海域で対立しているフィリピンも反発した。

これらの反発に対し、中国外務省の華春瑩報道官は反論している。

「完全に正常かつ通例通りのやり方だ」

何が完全なのかさっぱり分からないが、この規制の目的については、

「漁業資源や生態環境の保護」

を主張した。

そして威嚇するように、中国外務省は1日に、この区域での取り締まりを実行することを示す海外漁船を取り締まる訓練を行っている。訓練には国境警備部門・法執行機関の職員190人が動員された。

また、中国海軍は昨年中に、南シナ海にフリゲート艦など7隻を投入したという。




posted by しげまる | Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。