2014年01月07日

南スーダンの内戦の調停に乗り出した中国。出資した石油利権が心配で心配で…

南スーダンでは既に内戦が先月中旬から始まり、1000人以上が死亡、約20万人が避難生活を強いられるという状況にある。

内戦は、現政府軍とマシャール前副大統領派の反乱軍によって行われている。

そして6日、中国の王毅外相がエチオピアの首都アディスアベバで、政府軍の代表者と反乱軍の代表者に個別に面会し、仲介に乗り出した。

王毅外相は両者に主張した。

「ただちに敵対行為と暴力を停止するよう求める」

勿論、南スーダンの人々の命を守りたいわけではない。ずばり石油の利権だ。

何しろ南スーダンの内戦による戦闘が、北部ユニティ州に及んだ結果、原油生産が滞り出した。おまけに新たな油田開発もできない状況だ。

中国はこれらの油田や油田開発に、200億ドル(約2兆円)投資している。一刻も早く内戦を終わらせ無ければ投資の回収が滞ってしまう。

つまり、中国の石油権益を守らねばならない。

しかし停戦は難しい。日本からも陸上自衛隊がPKO(国連平和維持活動)として派遣されているジュバでも、銃撃戦が発生している。戦闘範囲は拡大しており、これは簡単には収束しないだろう。

もう一つ、中国としては、責任有る大国としてアフリカへの影響力があることを国際社会に印象づける行動でもあろう。

そのため、エチオピアの後も、ジブチ、ガーナ、セネガルを訪問する予定だ。

また、アフリカ進出の姿勢を示している日本への牽制もある。さらに国連での中国支持を要請している。

ずばりエチオピアでは同国のハイレマリアム首相との会談で、中国の「革新的利益」、つまり尖閣諸島の領有への支持を求めている。恐らくこの後の3カ国でも要請して回るだろう。

対する日本は、9日から安倍晋三首相が中東オマーンを訪問した後、エチオピア、モザンビーク、コートジボワールを歴訪する予定になっている。

さて、中国の調停は効を成すだろうか。石油利権が目的でも、調停が成功すれば、南スーダンの人々にとっては朗報となる。



posted by しげまる | Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。