2014年01月03日

サムスン電子の時価総額が一気に約8400億円消失。韓国経済が良好になると苦しむサムスン電子。その後は韓国経済減速へ。

2日、韓国サムスン電子の株価が1.8%安で寄りついたが、そのまま下げて4.6%安の130万9000ウォンで引けた。その結果、KOSPI(韓国総合株価指数)がそれに引きずられて2.2%安となった。

これでサムスン電子の時価総額は80億ドル(約8400万円)吹っ飛んだ。

市場の懸念は、サムスン電子が主力とするスマートフォン部門の増益率が伸びないというものだ。スマートフォンが伸びなければサムスン電子は市場から見放される。

しかしサムスンは7-9月期には過去最高益を記録している。それでも市場は同社の今後への懸念材料を重視した。

前述したスマートフォンは、売れていない訳では無い。しかし販売価格が下落していることと、逆に販売促進費が上昇していることで、収益率が下がることを市場は嫌った。

また、家電部門の主力であるテレビ部門も利益率が低く、伸びないことが懸念された。

特にスマートフォンの収益見込みが期待できない。これは競合の低価格化に巻き込まれるからだ。

例えば今週、米グーグル傘下のモトローラは、「モトX」の米国販売価格を550ドルから一気に399ドルに引き下げてしまった。サムスンの「ギャラクシーS4」にとっては大きな打撃となる。ギャラクシーS4は携帯電話契約をしない場合で600ドル前後だからだ。とても太刀打ちできない。

未来(ミレ)アセット証券のアナリストであるト・ヒョンウ氏は言う。

「製品群の中で比較的高級でない商品の割合が増え、マージンを圧迫しているようだ」

それだけでは無い。このところのウォン高が輸出命のサムスンの勢いを削いでいるのだ。

その結果、トムソン・ロイター・エスティメーツが40人のアナリストに予想させたサムスンの第4・四半期営業利益は前期比1%増の10兆3000億ウォンに留まるだろうという結果になった。

いいやそんな程度では無い、と予想したのはスターマイン・スマートエスティメーツだ。ここでは特に的中率が高いアナリストに絞って予想させたところ、もっと厳しい数字が出た。同じく第4・四半期営業利益は増加すらせず、3.6%減の9兆9000億ウォンだと打ち出している。

この数字の根拠として、IBK投資証券のアナリストであるリーソン・ウー氏は言う。

「最大の要因はウォンの対ドル為替レートで、それに次ぐ理由が有機ELディスプレー(OLED)販売で利益率が縮小していることだ」

皮肉なことに、韓国ではこのところ発表されている経済指標が好調だ。これをうけてますますウォンが上がるとみられているのだ。現に、2日のウォンは、2008年半ば以来の高水準にまで上昇している。

つまり、

韓国経済の指標が良い→ウォン高になる→輸出産業(代表はサムスン)が苦戦する→輸出依存度が高い韓国経済が失速する

といった連鎖があり得るのだ。

さて、このジレンマを、韓国はどうやって切り抜けるのか。



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