2013年11月05日

モルシ前大統領の初公判。騒然となり休廷

4日、エジプトの首都カイロ市内の警察学校で、ムルシ前大統領の初公判が行われた。殺人扇動罪で起訴されたことによる。

ムルシ前大統領が問われている殺人扇動罪とは、昨年2012年12月に、デモ隊への暴力行為を指示したというものだ。

裁判にはモルシ前大統領の他、同罪で4人、殺人や拷問の実行犯が11人起訴されている。

この日の初公判に臨んだのは、上記の内の6人の被告とモルシ前大統領だ。傍聴席には100人以上が詰めかけた。

すると大統領がまだ入廷する前から、弁護士や先に入廷した白い囚人服姿の被告人達は唱えた。

「大統領はモルシだ。国民は大統領の復活を支持している」

そして遅れてモルシ大統領が入廷したが、囚人服ではなく、背広姿だった。すると先に入廷していた被告人達が「我らの大統領」と声を上げて拍手して迎えた。

そしてモルシ氏は早速主張した。

「裁判はクーデターをごまかす道具に使われている」

そして判事が弁護団に言葉をかけようとすると、それも遮った。

「私はエジプト大統領のムハンマド・ムルシ博士だ。クーデターは犯罪であり、国家への反逆行為だ」

この発言が引き金と鳴り、弁護士やジャーナリスト、判事までもが同時に声を張り上げてしまい、法定は騒然となってしまった。

それに対抗する様に傍聴席からは、

「モルシは売国奴だ」
「処刑を受けろ」

などのヤジが飛ばされた。

これでは収集が付かないと、一旦休憩に入り、1時間ほどたってから再開した。

しかし、やはりモルシ大統領や他の被告人達が裁判に正当性が無いことを繰り返し続けたため、再び法廷内は騒然となってしまった。

モルシ前大統領は裁判官らに向かって言う。

「君たちは国民の敵に仕立て上げられている。大統領は、憲法上の手続き(国会の承認)を経ずに裁判にはかけられない」

正論ではないだろうか。しかし再び騒然とした法定は、2度目の休憩に入ったが、そのまま判事は戻らず、休廷が発表された。次回は来年の1月8日だと決められた。

会場の外では、100人以上のモルシ前大統領支持派グループが押し寄せ、治安部隊と鉄条網越しににらみ合っていた。

「モルシ氏が正統な大統領だ。軍には絶対に降参しない」

しかし暫定政権側は、厳重な報道規制を行い、法定での撮影、録音、携帯電話の持ち込みを禁止した。また、国営放送で放映された映像では、音声は消された状態だった。


以下、エジプト関連記事です(新しい順)。

『エジプトでキリスト教の教会が銃撃されたが、犯人はムスリム同胞団か』(2013/10/22)
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『エジプトは内戦化するか。米国の支援打ち切りのもたらすもの』(2013/10/10)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/377124323.html

『エジプトのデモで51人死亡。未だ根強いムスリム同胞団支持』(2013/10/07)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/376858296.html

『エジプトでムスリム同胞団の活動禁止命令。治安はさらに悪化する可能性』(2013/9/24)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/375652624.html

『ムスリム同胞団を潰しにかかるエジプト暫定政権』(2013/08/20)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/372509993.html

『エジプトでクーデター。モルシ大統領は拘束され、憲法は一時停止された。』(2013/07/04)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/368267408.html

『エジプトのデモに、軍が介入を宣言。48時間後に何が起きるのか』(2013/07/02)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/368115223.html

『エジプトのデモ、再び。経済政策への失望と、イスラム化への警戒』(2013/07/01)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/368008662.html

『分裂が顕在化するエジプト』(2012/11/27)
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『クリントン国務長官とエジプトのモルシ大統領と会談。まずはお互いの思惑は一致
』(2012/07/15)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/281136899.html

『エジプト新大統領モルシー氏は、ぬかるみへの第一歩を踏み出したかもしれない。』(2012/06/25)
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『エジプト大統領選の結果は、どっちに転んでも新たな火種だ』(2012/06/24)
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『エジプトのムバラク大統領に死刑求刑。軍部への不満を反らす見せしめか』(2012/01/06)
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『エジプト騒乱の続章の幕開けか。暫定統治の軍と、イスラム原理主義の衝突』(2011/11/20)
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『エジプトの、新たな混乱が始まるのか。』(2011/02/12)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/185542674.html

『ムバラク大統領は、権力亡者となり暴走しているのか。後ろ盾の米国にも読めず。』(2011/02/11)
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『デモの長期化はムバラクに有利か、反ムバラクに有利か』(2011/02/05)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/184439695.html

『ムバラク大統領の退陣は、新たな対立を産む可能性がある』(2011/02/02)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/183849084.html

『エジプト全土にムバラク大統領退陣要求デモの背景:第五部。』(2011/01/30)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/183236111.html

『エジプト全土にムバラク大統領退陣要求デモの背景:第四部。』(2011/01/30)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/183159468.html

『エジプト全土にムバラク大統領退陣要求デモの背景:第三部。』(2011/01/30)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/183150487.html

『エジプト全土にムバラク大統領退陣要求デモの背景:第二部。』(2011/01/29)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/183086820.html

『エジプト全土にムバラク大統領退陣要求デモの背景:第一部。』(2011/01/29)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/183082938.html



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