2013年10月30日

中国の天安門での自動車事故は、ウィグル人によるイスラムのテロか?

28日、北京の中心である天安門広場で車両突入事件が発生した。これを中国当局は、単なる自動車事故とは見ておらず、既に非常事態としての対応が見られる。

また、既に中国のお家芸である情報統制も行われている。中国のメディアの一部は、この車両突入事件を報じたが、かなり情報を絞っている。例えば国営中国中央テレビなどは、映像は流さなかった。

さらにこれもいつものことだが、中国版Twitterと呼ばれる「微博(ウェイボー)」に流出した現場の画像もすぐにほとんどが削除された。

勿論、検索もできない。「天安門、テロ、自動車事故」などの組み合わせキーワードは完全にブロックされている。

海外のニュース番組も視聴できない状態らしい。

一つだけ例外的に多めの情報を出したのは国営英字紙の環球時報で、この事件に関して警察が新疆ウイグル自治区出身者2人の行方を追っているのだと伝えた。ただ、これだけで、中国人だどれだけ想像力を働かせたかは分からない。何故かというと、彼らが新疆ウイグル自治区で何が起きているかどの程度知らされているか不明だからだ。

ちなみに、突入した車両のナンバープレートは新疆だったらしい。

CNNが取材で北京市内の某高級ホテルの支配人から匿名を条件に聞き出したところでは、北京市内のホテルには28日の夜には警察が訪れ、捜査協力の通知を配布したという。

そこには、4人の人物と新疆ナンバーの車やバイク4台に関する情報提供が求められていた。4人ともウィグル系の名前である。

さらに警察は、10月1日以降に北京に滞在した不審な客に注意することを呼びかけたようだ。勿論、ウィグル系に特に注意と言うことだろう。

何しろ6月には新疆ウイグル自治区で暴動が発生しており、35人も死んでいる。さらに今月になると、警察は新疆ウイグル自治区で139人を拘束している。理由はインターネット上に過激な宗教思想を流したからだ。宗教思想とは、イスラム教を示しているのだろう。

これらのことに加えて、党大会が近いということも考慮すると、この度の自動車突入事件は、指導部の権威失墜を目的としたテロではないかと見ているようだ。

その党大会とは具体的には第18期共産党中央委員会第3次全体会議のことで、11月9日から12日まで行われる。ここでは習近平国家主席が言うところの改革方向が決められる予定だ。

また、当局がこの事件をテロではないかと見ている理由には他にも、事件の発生場所がある。紫禁城が近く人民大会堂が近いからだ。いずれも中国の象徴的な建造物だ。自動車が突入した橋を渡ればすぐに紫禁城の入り口だったし、目の前の城壁にはあのダサい毛沢東の写真が掲げられている。

ところで突入した車両に乗って死亡した3名の内、2名については名前も分かっている。ウィスプ・ウマイアルリヤズ(43)とウィスプ・アイハプティ(25)だ。彼らの共通点は、ウィグル人であり、農民であり、イスラム教徒であることだ。中国では虐げられている人達である。

しかも彼らは以前、北京に嘆願のために訪れた経歴があり、その際、当局により数回の精神改造教育なる洗脳を施されていた(が効果はなかったのだろう)ことも分かっている。さらにはこの事件の前に、彼らが現場を下見していたことも分かった。

ロイターも独自の情報網(中国指導部と緊密な関係を持っている情報筋だという)から聞き出している。

「これは3中全会開催を控えて事前に計画された『自殺攻撃』と思われる」

そして彼らが新疆独立勢力と関係している可能性があるため、傅政華・公安副部長兼北京公安局長が直接調査の指揮を執り始めたことも分かった。

繰り返しになるが、新疆ウイグル自治区では、独立勢力と現地警備兵の交戦が続いており、毎年数百名の死傷者が出続けている。

いよいよ6月になると、習近平国家主席は、これらの新疆ウイグル自治区での交戦を、「テロとの戦い」と明確に位置付けた。そして大量に武装警察部隊を投入し、取り締まりを強化した。その結果、毎月10人単位でウィグル人が射殺されているという惨状になっている。もはや殺戮ではないのか。

また、中国当局は新疆ウイグル自治区でのイスラム教を警戒しており、イスラム教徒がスカーフで髪や顔を覆うことも禁止している。

さて、事件翌日の29日には、公安当局が追跡しているのが8人の容疑者であることが分かった。ウィグル人だけなく、漢族も1人含まれているらしい。といっても、名前が漢族っぽい、ということだけなので、実際の素性は明らかではない。

当局はこの北京での事件が新疆ウイグル自治区に関連していることは間違い無いとみているのか、新疆ウイグル自治区での警戒も強めている。同地区の宿泊施設などにも、監視カメラの増設が指示されている。

いずれにせよ、中国が新疆ウイグル自治区で何をしているのか、改めて世界が注目する事件となったことは確かなようだ。

では、何故、中国は新疆ウイグル自治区に執着しているのか。それについては、以前投稿した以下の記事を参照されたい。

『中国の情報操作が漏れ始めている。資源の豊富な新疆ウイグル自治区。』(2009/07/07)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/122996744.html




posted by しげぞう | Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/378938523

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。