2013年10月21日

物価という用語はまやかし。日銀総裁の物価目標には要注意

以前も物価のまやかしについて投稿した。

『デフレ脱却のまやかし。消費税増税でアベノミクスは失敗する』(2013/09/27)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/375940819.html

『デフレ脱却という嘘で消費税増税の地ならしか。何故、コアコアCPIを使わないのか』(2013/07/26)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/370310285.html

何度でも投稿したい。

21日、衆院予算委員会に出席した黒田東彦日銀総裁は、2%の物価目標は2年程度で達成すると述べた。

「デフレの原因にはさまざまあるが物価安定の責務は中央銀行にある」

この発言自体は問題ない。しかし物価という曖昧な用語を使っていることは問題だ。

そこについて、黒田東彦日銀総裁は一応補足(逃げ)はしている。

「エネルギー価格が押し上げているのは事実」

しかし、やっぱり言い直した。

「エネルギーや食料以外の価格も上っており、物価は2%に向けて緩やかに上昇していく」

この発言では、物価とはどんな指数なのか分からない。恐らくCPIを示している。しかし、CPIには食料やエネルギーといった、気候や国際情勢の影響を受けて簡単に跳ね上がってしまう数値が含まれているのだ。

従って、デフレを脱却していなくても、例えば中東で紛争が発生すれば、エネルギー価格が跳ね上がり、物価が上昇したことになってしまう。

だから、物価などという用語は使わずに、よりシビアなコアコアCPIを使うべきなのだ。これには食料やエネルギー価格は含まれないから、本来のデフレ脱却を監視できる。

ただ、黒田東彦日銀総裁の以下の発言は評価出来る。

「人口が減少している国はたくさんあるが唯一日本だけ15年間のデフレに苦しんできた。生産年齢人口は中長期の潜在成長力に影響を与えるが、インフレ・デフレを決定する要因ではない」

これは正しいだろう。そうなると、『デフレの正体 経済は「人口の波」で動く』というベストセラーを出して世間を惑わした藻谷浩介氏の責任は重い。

『ベストセラー『デフレの正体』の酷評に、感情的なコメントを書き込み名誉毀損で訴えられた藻谷浩介』(2011/09/21)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/227002741.html

ただ、黒田東彦日銀総裁の限界は、デフレを貨幣現象であるとしていることだ。従って、マネタリーベースさえ拡大すれば、デフレは脱却するという信仰を維持している。

だから以下の様にも述べている。

「(今年4月に導入した量的・質的金融緩和について)効果を着実に発揮しており、日本経済は2%の『物価安定の目標』の実現に向けた道筋を順調にたどっている」

無理でしょ。

ここで気になったので、総務省統計局の消費者物価指数を公表しているサイトを見てみた。
http://www.stat.go.jp/data/cpi/

そこには以下の要に表示されている。

 全国 平成25年(2013年)8月分
 前年同月比
 総合: 0.9%
 生鮮食品を除く総合: 0.8%
 食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合: -0.1%

最期の行が実質的な物価指数だ。つまり、まだマイナスなのだ。とてもデフレ脱却など期待できない状況にある。しかし世間はすっかり物価という曖昧な用語に惑わされて、すっかりデフレ脱却が始まったと思い込まされようとしている。

全く脱却に向かっていない、とは言わない。僅かだが兆しらしきものも見え隠れしているが、まだまだ口に出せるほどではないだろう。

恐らく黒田東彦日銀総裁らリフレ派の理屈としては、日銀が国債を大量に買い上げて、日銀当座預金(銀行が日銀にもっている口座のこと)の数字が跳ね上がれば(つまり銀行の預金残高が増えれば)、銀行はほとんど利子の付かない日銀当座預金に預けておくよりも、貸し出す量を増やすはずだ、という期待に基づいているのだろう。

しかし誰に貸すのだ?

デフレのときは、需要がない。需要がなければ設備投資の必要がないから誰も借金などしたがらないだろう。この状態をデフレマインドがあるという。

逆に、どんどん投資して売り上げを拡大するぞ、という意欲をアニマル・スピリットと呼ぶ。確かケインズが使い出した用語だった(と思うが、自信なし…)。

今、民間にはアニマル・スピリットは無い。皆無とは言わないが、全く足りない。

だから日銀がマネタリーベースを拡大しても、デフレ脱却はできない(もしくは相当先の話になってしまう)。

だったら、ケインズが言った様に、不足している需要を、最期の借りてである政府が作れば良いのだ。

だから私は財政出動による公共事業拡大に賛成する。従って、国土強靱化計画にもほぼ賛成する。

公共事業はばらまきだとか、無駄だとか、そんなことはない。インフラはメンテせねば老朽化して危険だし、地震大国のこの国には、まだまだやらねばならないことがある。

じゃんじゃん金を使え。そうすれば、GDPが伸び、税収が増え、財政問題も片付いてしまうでははいか。増税など不要だ。

しかし、まだまだ物価という曖昧な用語に我々は振り回されるのだろうなぁ。



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