2013年08月28日

米国によるシリア攻撃が始まるのか

27日、オバマ大統領はキャメロン英首相やカナダのハーバー首相と電話会談を行った。シリアでの化学兵器使用疑惑に関する内容と言われている。また、オバマ大統領は米上院軍事委員会にも状況説明を行った。

以上は、いよいよシリアに軍事介入するための根回しではないかと言われている。

同じ日、バイデン米副大統領はテキサス州ヒューストンでの講演で言及している。

「(化学兵器を)誰が使ったか疑う余地はない。シリアの政権だ」

もはやアサド政権が化学兵器を使用したと結論づけた。

前日の26日には、ケリー米国務長官が化学兵器を使ったのはアサド政権である可能性が高い、という言い方だったのに対し、バイデン米副大統領の言葉はより踏み込んだものになっている。

そしてケリー米国務長官は翌日の27日には、アサド政権を擁護しているロシアのラブロフ外相と電話会談を2回行っている。ここで何が話し合われたかは分からない。

では米国がシリアを攻撃する目的は何か。内戦において、反体制派を有利に導くことが目的では無いと憶測されている。

カーニー報道官が述べている。

「明確にしておきたいことは、われわれが検討している選択肢は政権交代ではないということだ。化学兵器の使用を禁じた国際基準への明らかな違反に対応するものだ」

どうやら、そこにはイランがあるのではないか。

つまり、西側諸国に敵対したらどうなるのか、ということを、アサド大統領とイランに示すことが目的だと言われている。つまり見せしめだ。

そして具体的な攻撃方法もほぼ予想されており、恐らく駆逐艦からのミサイル攻撃になるだろうと予想されている。

駆逐艦によるミサイル攻撃であれば、米軍はシリア空域に入る必要はない。実際、米国は既に、地中海に駆逐艦を4隻配備したと発表した。

これに倣うように英国も地中海に攻撃型潜水艦を待機させた。また、フランスも空母シャルル・ド・ゴールを3日でシリア沖に到達できると発表した。

少なくとも米・英・仏の砲がシリアに向けられた格好になり、軍事介入が現実味を帯びてきた。

ただ、米高官の話では、米軍によるシリア攻撃の規模は小さくなる見込みだという。あくまで見せしめだからだ。決して反体制派として闘うわけでは無い。特に地上軍による攻撃は無いだろうとされている。

この軍事介入は既に、大統領さえ支持を出せば行動開始出来る状態にある、とヘーゲル国防長官は述べている。

オバマ大統領は、案外早く軍事介入を実行する可能性がある。基を逃せば、化学兵器の使用を「越えてはならない一線」であると言えなくなるからだ。その場合、さらにほかの「一線」も越え始める可能性もある。

また、ここで西側諸国のやる気を見せなければ、イランが核開発を進めてしまい、その結果としてイスラエルがイランを攻撃する可能性もある。それも避けたいという事だろう。

ただ、駆逐艦からのミサイル攻撃の難しさは、標的の選び方にある。下手な攻撃をすれば、危険物質が拡散してしまうからだ。

この攻撃で同盟国側の人間や民間人に犠牲者が出ることは避けねばならない。

また、駆逐艦からのミサイル攻撃だけでなく、有人機による攻撃も可能性があるという。これは既にイスラエルが実施してその可能性を示しているためだ。

一方、駆逐艦からの攻撃が必ずしも安全かというとそうでもない。シリアには、対艦ミサイルがあり、地中海周辺の駆逐艦を攻撃できるとされているからだ。

しかし米国は躊躇しないかもしれない。

バイデン米副大統領は先の講演でこうも述べた。

「無防備な男性や女性、子どもたちに対して化学兵器を使った者に、その責任を取らせなければならない」

同様に、フランスのオランド大統領も述べている。

「罪のない人たちに対する化学兵器の使用を決めた者たちを罰する準備はできている」

キャメロン英首相も、夏期休暇中の国会議員を呼び戻し、英軍は有事計画の準備に入った。

これらの西側諸国の動きに対し、ロシアのラブロフ外相は27日に発言している。

「(西側諸国は)軍事介入のために根拠のない口実をでっち上げようとしている」

シリアのムアレム外相も同様の事を述べている。

「(諸外国は)シリアを攻撃したいのだ。化学兵器の使用を攻撃の口実に利用することは、使い古された手管で間違っている」

それに対し、米政府が29日にもアサド政権が化学兵器を使った証拠を公表する計画であると、米ワシントン・ポスト紙の電子版に掲載されている。

シリアへの軍事介入は行われるか。



以下、シリア関係の記事です。

『シリアで毒ガス兵器により1300人以上死亡。しかし誰が使ったのか』(2013/08/22)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/372654267.html

『シリアでサリンを使ったのは反体制派だとロシアが報告』(2013/07/10)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/368795017.html

『米国がシリアの反体制派への武器供与拡大を決定』(2013/06/14)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/366304428.html

『シリアに対する日本政府の立ち位置』(2013/06/11)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/365988776.html

『シリア内戦を停止させる国際会議の開催は可能か』(2013/05/27)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/364050350.html

『シリアの内戦がレバンノンに飛び火する』(2013/05/27)
http://newsyomaneba.seesaa.net/

『シリア・ヒズボラ連合で攻勢をかけるアサド大統領の狙い』(2013/05/20)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/362493849.html

『国連総会がシリア国民連合を、政権移行の対話者として認める決議を行った』(2013/05/16)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/361570283.html

『イスラエルが内紛中のシリアを空爆する理由』(2013/05/05)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/359067477.html

『(続)シリアでサリンが使用されたという情報は、米国を参戦させるための捏造か』(2013/04/26)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/357324613.html

『シリアでサリンが使用されたという情報は、米国を参戦させるための捏造か』(2013/04/24)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/357023672.html

『シリアで化学兵器が使われたのか。お互いを非難する体制派と反体制派』(2013/03/20)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/348363101.html

『シリア反体制派が暫定政府に首相を選出したが…』(2013/03/19)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/347857251.html

『シリアの使ったガスは化学兵器か?態度を変えつつあるロシア。』(2012/12/25)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/309829131.html

『シリア、サリンを準備中か』(2012/12/04)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/305190492.html

『ロシアとトルコ、経済では協力、対シリア外交では距離』(2012/12/04)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/305180076.html

『シリアの砲撃に報復するトルコ。シリアは何故トルコ//砲撃したのか。』(2012/10/04)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/295414151.html

『シリアは化学兵器を使用するか』(2012/07/24)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/282860806.html

『シリアで200人規模の虐殺。アサド政権側か、反政府側か。』(2012/07/13)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/280748896.html

『シリアは「戦争状態」にあると認めたアサド大統領に焦りが見られる』(2012/06/27)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/277587322.html

『シリア軍がトルコ軍戦闘機を撃墜。しかしNATOを敢えて刺激するだろうか。』(2012/06/23)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/276862619.html

『シリアのシャッビーハ(シャビハ)という狂犬の暴走』(2012/06/07)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/273939512.html

『撤退どころか越境し始めた。シリア軍の暴走が止まらない』(2012/04/10)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/263642669.html

『シリアに対し、一枚岩になれないアラブ連盟』(2012/04/01)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/261615315.html

『シリアのアサド政権を維持させたいロシアの思惑』(2012/02/06)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/250749829.html

『国際社会による軍事介入の可能性が高まるシリア政府の強硬姿勢』(2012/01/23)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/248074698.html

『シリアの自爆テロは、反体制派か、アサド政権の自作自演か』(2012/01/08)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/244957285.html

『シリアで任務についたアラブ連盟の監視団。しかしどうにも怪しい。』(2011/12/30)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/243414862.html

『シリアの報道は事実か?あまりに狂気を帯びた惨状が報じられている。』(2011/11/29)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/237704569.html

『リビア化するシリアの弾圧とアサド大統領の強硬姿勢』(2011/11/20)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/236176084.html

『シリアで何が起きているのか。シリア騒乱への経緯。』(2011/11/07)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/233918198.html




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