2013年08月20日

ムスリム同胞団を潰しにかかるエジプト暫定政権

20日、エジプトの国営メディアによれば、ムスリム同胞団の最高指導者であるバディア氏がエジプト治安当局によって身柄を拘束されたようだ。

バディア氏が率いるムスリム同胞団は軍事クーデターで解任されたモルシ氏の出身母体だ。

バディア氏は首都カイロのナセルシティーの住宅に居たところを拘束されたらしい。

拘束された根拠は、バディア氏が殺人に関与した疑いで7月に起訴されており、初公判を8月25日に設定しているためだろう。殺人といってもかなり曖昧で、反モルシ派のデモ隊を殺害するように扇動したということらしい。

これに先立ち、国連の潘基文事務総長はモルシ氏の身柄を解放するようにエジプトの暫定政権に求めていたが、政権はさらにムスリム同胞団の指導者であるハディア氏を拘束したことになる。

しかし潘基文事務総長はムスリム同胞団の政治的な立場はこれまでも非常に限られてきており、今後は拡大されるべきだと意見している。

「エジプト社会が二極化に直面するなか、当局と政治指導者の双方は現在の暴力を終結させる責務がある。暴力を抑止し、政治プロセスを再開するため、信頼できる策を迅速に打ち出すため努力すべきだ」

この見解に対し、米国もムスリム同胞団を禁止すべきでは無いと同意している。

が、エジプト当局は、まさに逆に向かって進み始めた。

既に治安当局はモルシ氏を支持するデモ隊を強制排除し、800人を越える(850人を越えるとも)と言われている死者まで出している。その上で、デモの中心的な役割を担っていたであろうムスリム同胞団の指導者が拘束されたことは、デモ隊にとっても打撃であろう。

いや、さらに過激になるかもしれない。

先手を打つべく、暫定政権は17日、ムスリム同胞団を法的措置として解散させることを検討していると表明している。が、ことはそう簡単ではなかろう。

一方、エジプト軍と暫定政権は、主要都市でイスラム勢力と衝突しているが、東部シナイ半島の警戒態勢を引き上げる方針を固めた。というのも、19日にシナイ半島の治安部隊25人が殺害されたからだ。

治安部隊が襲われたのは、パレスチナ自治区のガザ地区との境界であるラファというところで、恐らく襲撃したのはイスラム武装勢力と見られている。

殺害された25人の隊員らの遺体はカイロに運ばれ、空港から搬送されるところは多くのメディアに公開された。

軍と暫定政権は、ムスリム同胞団をいよいよ「テロリスト」と呼び始めている。ところがムスリム同胞団事態は、シナイ半島での銃撃事件への関与は否定しているのだ。

しかし治安部隊はバディア氏の逮捕に先立ち、17日にはムハマンド・ザワヒリ氏を逮捕していた。ザワヒリ氏は、国際テロ組織アルカイダ指導者であるアイマン・ザワヒリ容疑者の弟だ。

ここでなぜアルカイダが出てくるかというと、逮捕されたザワヒリ氏は、もともとムバラク政権時には投獄されていたのを、モルシ氏が大統領就任と同時に恩赦を与えて釈放していたという経緯がある。

そのため、治安当局は、ムスリム同胞団とザワヒリ氏、つまりはアルカイダとの関係にも疑いの目を向けているのだろう。

これから暫定政権は、ムスリム同胞団解体に向けて取り締まりを強化してくるだろう。同時に、モルシ氏派の抗議デモも過激になると思われる。

シリアだけでなく、エジプトもいよいよ内戦化してきた。



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