2013年08月09日

イスラエルはパレスチナに譲歩するだろうか

米国務省の発表によれば、、14日にエルサレムでイスラエルとパレスチナの和平交渉が行われるという。その後はエリコ(ヨルダン川西岸のパレスチナ自治区)で行われることまでは決まっているようだ。

これに先立ち先月(7月)30日にも約3年ぶりの協議がワシントンで行われたばかりだ。和平交渉に継続性が見えてきたような気もするが、予断は許されないだろう。

ただ、14日の協議では大きな進展はない、と米国側は予想しているらしい。そのため報道官は述べている。

「ケリー長官は協議後の発表を予定していない」

急な進展など難しい話なのだ、ということだ。イスラエルもパレスチナも、今のところそれぞれの主張がかみ合っていないからだ。

なにしろこの協議が進められる最中でも、イスラエルはヨルダン川西岸のユダヤ入植地に800戸強の住宅建設を承認している。これに対して米国は反発している。報道官は言う。

「米国は入植活動を正統と認めておらず、入植のいかなる正統化も受け入れない。(ケリー)長官は、双方の交渉団が誠意をもって協議に臨み、進展に向け努力するとの確信を明確にしている」

何しろ前回2010年の交渉決裂は、このヨルダン川西岸の入植地建設問題が原因だったからだ。

ということで、14日の協議では、将来のパレスチナ国家を建設する際の国境画定が含まれるのだろう。だから、前述の様に米側は入植地の建設に反発して見せている。

いちおうこの度の協議は、9ヶ月以内には最終合意を目標にしているという。しかし国境を定めるというのは、非常に困難な交渉だ。だから戦争で決着をつけることがこれまでも様々な地域で行われてきているのだから。

それでもこの度の和平協議で米側が目指しているのは、ヨルダン川西岸とガザに、パレスチナ国家を樹立することだろう。同時にイスラエルとパレスチナが平和的な関係を結ぶことで、この中東の地雷のような両者を鎮めることだ。

ただ、前回は交渉が決裂したが、今回はどうだろう。イスラエルが国際的に置かれた立場に変化がある。

相変わらずイスラエルでは右派が強いので、和平交渉が進展すると、彼らが暴れ出す可能性はある。

しかし、イスラエルの後ろ盾となっている米側が、今回はイスラエルに譲歩を求めている。これは、国際世論が、つまりは反イスラエル陣営であるアラブやアフリカ中南米などの発言力が強くなっていることも影響しているようだ。EUもイスラエルの入植地に経済制裁を行うなどしている。エジプトではイスラエルとパレスチナの和平交渉に協力的であったムスリム同胞団勢力の象徴であったモルシ政権が倒されてしまった。

イランでは穏健派のロハニ新大統領をロシアが補助しながら、米国との関係を改善し、イランの核問題を解決する可能性もあり、ますます中東の厄介者はイスラエルとなる。既に米議会下院では、131人の議員がイランとの直接交渉を行う事を支持した。

このような国際情勢を背景に、パレスチナ側は強気の発言を行っている。

「イスラエルがパレスチナ国家を望まないなら、パレスチナ人の全員にイスラエル国籍を付与する運動を始める」

もしそれが可能になれば、イスラエル内は、パレスチナ人の人口がユダヤ人を越える。そこで選挙を行えば、当然イスラエルは実質パレスチナ人の国家となってしまう、ということを言っている。

だからイスラエルとしては、このまま右派の言いなりになっていると、四面楚歌となり、国家存亡の危機を迎えるかもしれない。

だからイスラエルにとっての難題は「67年国境」問題となる。これはパレスチナが目指している国境であり、米国も賛同している国境だ。EUも賛同している。

ここでパレスチナ国家建設に譲歩しなければ、イスラエルはますます孤立するだろう。

しかし67年国境に譲歩する気配を見せれば、すぐにイスラエルの右派が暴れ出して和平交渉を妨害するはずだ。

そうやって、いつまで経っても和平交渉は進まない。

結局、予想としてはこうだ。

和平交渉はイスラエルが国際的な立場の弱さ故に進展しかけるかもしれない。しかし67年国境が定まりそうな気配を見せれば、イスラエルの右派がテロを行い、和平交渉を決裂させるだろう。

となる。

当たるかなぁ…。




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