2013年07月26日

ジャスミン革命から2年。イスラム勢力による暗殺が始まったのか

25日、チュニジアの首都チェニス近郊で、野党指導者であるムハマンド・ブラヒミ制憲議会議員が射殺された。犯人は不明だ。

実は2月にも同様の事件が起きている。このときもイスラム系与党を批判していた野党の指導者であるショクリ・ベライド氏が射殺された。同氏は左派政党の連合体「人民戦線」の指導者だった。

実は今回殺されたムハマンド・ブラヒミ氏も、「人民戦線」に加入したばかりだったのだ。

そしてもう一つの二人の共通点は、与党のイスラム政党アンナハダと対立していたことだ。

従って、この暗殺事件の首謀者は、政権与党ではないかと疑われている。

ムハマンド・ブラヒミ氏は自宅から出たところを銃撃されている。しかもその体には11発の弾丸が撃ち込まれていた。確実に殺すという強い意志を感じる。

目撃者の話では、銃撃したのは二人組でオートバイで逃走したらしい。

この暗殺を受けて、同日の25日、チェニスの内務省周辺で数千人による暗殺への抗議デモが行われた。人々の反応は早かった。

さらに労働組合がゼネストの呼びかけを始めている。

アドネネ・マンサル大統領報道官は「対立の罠」に陥らないように、と国民に呼びかけ、今回の事件を「憎むべき犯罪」と述べた。

ムハマンド・ブラヒミ氏と同じ野党に所属している議員の一人が涙ながらに語った。

「ブラヒミ議員は妻と子どもたちの目前で蜂の巣にされた」

デモは既に警官隊と衝突している。国民は暗殺の首謀者を政権与党のイスラム政党アンナハダであると非難している。そして内閣は辞任すべきであると要求している。

中部シディブジドではアンナハダの事務所が放火されたりしている。

チュニジアではジャスミン革命後、勢いを付けたイスラム政党と世俗派の野党との間で対立が先鋭化してきている。

年内には憲法制定や大統領選が予定されているが、それどころでは無いといった状況になりつつある。

ジャスミン革命は、まだ終わっていない。



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