2013年07月26日

デフレ脱却という嘘で消費税増税の地ならしか。何故、コアコアCPIを使わないのか

6月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除く。つまりコアCPI)が前年比プラス0.4%と1年2ヶ月振りに上昇したと大騒ぎだ。

甘利明経済再生担当相も言う。

「(経済閣僚からは)日銀の物価目標に向かって緩やかに上昇を始めている」

また、菅義偉官房長官も言う。

「デフレ状況は緩和しつつある」

本当か?

しかし菅義偉官房長官はうっかり(ありはわざと?)重要なことをついでに漏らしている。

「円安によるエネルギー価格の上昇と、家電関係の価格競争が一服したことが要因」

つまり、景気が良くなっているのでは無く、単に円安によってエネルギー価格や輸入品の価格が上昇しただけ、という可能性があるのだ。

しかしこの菅義偉官房長官がうっかり漏らした発言を慌てて打ち消すかのように、甘利経済再生相は言う。

「消費がけん引する回復過程の中で、物価が上昇しつつあると理解するほうが素直。政府として掲げている目標の実現に向けてスタートを切っていると理解していい」

ほう、だったらその根拠を示して欲しいものだ。根拠など有るわけがない。単なる世論誘導の可能性があるからだ。そして菅義偉官房長官も言い直した。

「物価の動向を総合してみると、デフレ状況は緩和しつつあると考えている」

だから根拠を示して欲しい。

ではこちらから、デフレ脱却も景気回復もしていないという根拠を示そう。それはコアコアCPIだ。コアコアCIPには食品もエネルギーも含まない。だから、例えば円安や、中東の紛争などで跳ね上がるエネルギー価格の影響を受けない。

さて、このコアコアCIPはというと、前年比でマイナス0.4%と下落している。これが本来の物価だろう。上昇などしていないのだ。景気だって回復していない。こちらは国民が実感しているはずだ。

つまりコアCPIとコアコアCPIを混同させることで、消費税増税への地ならしをしているように見えて仕方ない。

実際、6月のコアCPIが上昇したのは、電気やガソリンといったエネルギー価格の上昇が影響している。また、食品を除く輸入品も円安で価格上昇している。

金融業界の人達やエコノミストが使う用語でいえば、現在デフレ脱却したと騒いでいるのは「コストプッシュインフレ」というもので、単に前述の価格上昇によるもので、デフレ脱却や景気回復とは関係無い。デフレ脱却のためには、需要が拡大する「ディマインドプルインフレ」とならねば成らない、ということになる。

安倍政権は本当に消費税増税する気だろうか。もし予定通り増税すれば、アベノミクスなど崩壊するだろうからだ。

財務相の高笑いが聞こえてきた。

『捻れ解消で、いよいよ増税か。消費税増税でアベノミクスは吹っ飛ぶのだが。』(2013/07/23)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/370051099.html

『「実質GDP」を「GDP」と報道するのは、増税準備か?』(2013/05/16)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/361582836.html

『野田佳彦首相は財務相のホームページなど見たこと無いだろうなぁ。消費税増税が税収を下げるなんてしらないだろうなぁ。』(2012/01/16)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/246537107.html

『自殺者統計と消費税の相関関係、野田政権が邁進する増税の向こう側にあること』(2012/01/11)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/245608160.html





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