2013年05月16日

国連総会がシリア国民連合を、政権移行の対話者として認める決議を行った

15日、国連総会はシリアのアサド政権を市民殺害などで強く非難し、反体制派の「シリア国民連合」の設立を歓迎するという決議案を可決した。賛成が107、反対12、棄権59だった。

可決された決議では、アサド政権が行っている虐殺を、国際法違反だとして「強く非難する」としている。また、同時にシリア国民連合に対しては、「政権移行に必要とされる対話の相手である」と明記した。

もっとも、この国連総会での決議には法的な拘束力はない。ただ、国連安保が事実上の機能不全に陥っている状態では、国連総会での決議は国際社会の意思を示すものと位置付けられる。

この度の決議案は、カタールが日本を含めた20カ国以上の共同提案として提出していたものだ。

なお、この度の決議に反対したのはロシア、中国、イラン、北朝鮮などシリアの主要同盟国12カ国だった。この現実が、シリアの内戦を国際的な取り組みで終結に向かわせることを困難にしていることが分かる。

しかしカタールなどのアラブ諸国は、西側諸国の後ろ盾を得て、決議案を提出していた。決議では「急増する死者数への怒り」も表明されており、既に9万4000人が死んでいるとされている。

さらに「シリア当局による民間人を対象とした弾道ミサイルと重火器の使用拡大」も「強く非難」された。

ところで、この度の決議で「シリア国民連合」が「政権の移行に必要な対話者」と表明されたことについては、ロシアが反対した。その理由は、反体制派の武力行為が助長されてしまう可能性があるからだという。

このように決議が反体制派よりになったため、近く米ロ合意のもので開かれる国際会議への影響が懸念されている。

例えばシリアのジャファリ国連大使は、この決議を非難している。

「米国とロシアが(国際会議を開催することで)合意した流れに逆行する」

また、ロシアのパンキン次席大使も同様に非難している。

「(決議は)有害で破滅的だ」

また、決議では、化学兵器についても言及した。アサド政権が化学兵器を使用したという前提だが(実のところ現時点では確かな証拠は無い)、「深刻な懸念」を表明している。

その上で、潘基文(パン・ギムン)事務総長が化学兵器使用の調査のために設置した現地調査団をアサド政権に全面的に受け入れるように要請している。

以下、シリア関係の記事です。

『イスラエルが内紛中のシリアを空爆する理由』(2013/05/05)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/359067477.html

『(続)シリアでサリンが使用されたという情報は、米国を参戦させるための捏造か』(2013/04/26)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/357324613.html

『シリアでサリンが使用されたという情報は、米国を参戦させるための捏造か』(2013/04/24)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/357023672.html

『シリアで化学兵器が使われたのか。お互いを非難する体制派と反体制派』(2013/03/20)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/348363101.html

『シリア反体制派が暫定政府に首相を選出したが…』(2013/03/19)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/347857251.html

『シリアの使ったガスは化学兵器か?態度を変えつつあるロシア。』(2012/12/25)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/309829131.html

『シリア、サリンを準備中か』(2012/12/04)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/305190492.html

『ロシアとトルコ、経済では協力、対シリア外交では距離』(2012/12/04)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/305180076.html

『シリアの砲撃に報復するトルコ。シリアは何故トルコを砲撃したのか。』(2012/10/04)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/295414151.html

『シリアは化学兵器を使用するか』(2012/07/24)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/282860806.html

『シリアで200人規模の虐殺。アサド政権側か、反政府側か。』(2012/07/13)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/280748896.html

『シリアは「戦争状態」にあると認めたアサド大統領に焦りが見られる』(2012/06/27)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/277587322.html

『シリア軍がトルコ軍戦闘機を撃墜。しかしNATOを敢えて刺激するだろうか。』(2012/06/23)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/276862619.html

『シリアのシャッビーハ(シャビハ)という狂犬の暴走』(2012/06/07)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/273939512.html

『撤退どころか越境し始めた。シリア軍の暴走が止まらない』(2012/04/10)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/263642669.html

『シリアに対し、一枚岩になれないアラブ連盟』(2012/04/01)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/261615315.html

『シリアのアサド政権を維持させたいロシアの思惑』(2012/02/06)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/250749829.html

『国際社会による軍事介入の可能性が高まるシリア政府の強硬姿勢』(2012/01/23)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/248074698.html

『シリアの自爆テロは、反体制派か、アサド政権の自作自演か』(2012/01/08)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/244957285.html

『シリアで任務についたアラブ連盟の監視団。しかしどうにも怪しい。』(2011/12/30)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/243414862.html

『シリアの報道は事実か?あまりに狂気を帯びた惨状が報じられている。』(2011/11/29)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/237704569.html

『リビア化するシリアの弾圧とアサド大統領の強硬姿勢』(2011/11/20)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/236176084.html

『シリアで何が起きているのか。シリア騒乱への経緯。』(2011/11/07)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/233918198.html




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