2013年05月15日

飯島勲内閣官房参与の北朝鮮入りは、水面下で北朝鮮からの招きが有ったのでは?

テレビの映像を見て驚いた。米韓に事前連絡なしに、日本が単独で飯島勲内閣官房参与が北朝鮮に出向いたではないか。

しかも隠し撮りでは無い。明らかに世界に報道されることを見込んだ撮影がされている。そして出迎えた人物にも訳がありそうだ。

さて、14日に北朝鮮の平壌空港に降り立った飯島勲内閣官房参与を北朝鮮のテレビカメラは明確に捕らえ、国営テレビで放映した。

そこには敵対国家に対する雰囲気はない。というのも、出迎えている北朝鮮外務省の金哲虎(キム・チョルホ)アジア局副局長の表情が和やかだからだ。

これは何を意味するのか、後で想像してみたい。

不意を食らったのは米韓だったろう。米国務省のベントレル副報道官代行は14日の記者会見で述べた。

「(米国の)デービース北朝鮮担当特別代表が16〜18日に訪日した際に、日本政府から訪朝に関する説明を聞くことになる」

やはり事前通達は無かったようだ。ベントレル副報道官代行は、飯島勲内閣官房参与の北朝鮮訪問を「報道を見て知っている」と答えたことからも分かる。

日本では、15日午前の参院予算委員会での集中審議で、安倍晋三首相が飯島勲内閣官房参与の訪朝については、

「政府としてはノーコメントだ」

と答えた。ただ、北朝鮮に対する基本姿勢は変わらず、

「拉致、核、ミサイル問題を解決して、日朝平壌宣言にあるように、日朝関係を改善していくということだ」

と述べ、

「対話と圧力の姿勢で完全な解決を目指していく。拉致被害者全員の生還、拉致問題の真相の解明、実行犯の日本への引き渡しが基本的な方針だ」

と語っている。

また、菅義偉官房長官は同日の記者会見で、この度の訪朝が事前に米韓に知らせていなかったのか,という質問に対しては、

「一般論だが、それぞれの国が様々な行動をするというのは、今までもあったことだ」

と答えている。別に米韓に対して特別秘密にしているわけでは無い、ということか。

石破茂幹事長も同日、記者団からの質問に対して答えている。

「拉致の問題を含めて(解決の)糸口を探る(という)ことではないかという推測はある。内閣官房参与の立場で行っているのだから、それなりの重みがある」

と、飯島勲内閣官房参与が肩書きを維持したまま訪朝したことを示した。

さて、毎度の事ながら、臨戦態勢にある韓国派訝った。韓国メディアは以下の様な反応を示している。

「韓国やアメリカ、中国も制裁を加えている中、飯島氏の訪朝は北朝鮮に誤ったメッセージを送る恐れがある」

確かに、その恐れはある。いや、北朝鮮はそれを狙っているとも思える。そうで無ければ、空港で出迎えた北朝鮮側の面々がにこやかだったことが理解出来ない。

この度の飯島勲内閣官房参与の北朝鮮訪問の意図を推測する手がかりは、今報道されている内容からはあまりないような気がする。

一つは飯島勲内閣官房参与が、小泉純一郎元首相の政務秘書官であるということ。

次に前述したように、外務省の副局長がにこやかに出迎えていること。

そして世界に報道されることを前提にした明瞭な撮影状態をメディアに流出したこと。

以上の事に加えて、現在の北朝鮮は、米韓との対話の目処が立っておらず、いよいよ中国からも金融制裁を受けるなど、八方ふさがりの状態にあることだ。

実はこの状況は2002年に小泉純一郎元首相が飯島勲政務秘書(当時)を同行して北朝鮮を訪れた時に似ていなくも無い。当時まだ首相では無かった安倍晋三首相もこのときに同行している。

つまり、北朝鮮から見れば、安倍晋三首相と飯島勲内閣官房参与のラインは、日朝関係改善の実績あるコンビとなる。

北朝鮮としては、日本との対話を突破口にしようという考えなのでは無いだろうか。そのために、水面下に日本政府と接触し、実績のある飯島勲内閣官房参与を招いた可能性がある。もちろん、日本を突破口とするためには、日本に対する餌も用意してなければなるまい。

あるいは、北朝鮮が八方ふさがりであることを狙って、安倍晋三首相が実績のある飯島勲内閣官房参与を使わした可能性もある。

飯島勲内閣官房参与はこの後、宋日昊(ソン・イルホ)日朝国交正常化交渉担当大使を初めとする要人たちと会談するであろうと見込まれている。

その会談相手が誰かによって、飯島勲内閣官房参与の重みが分かってくる。例えば軍の首脳部との会談まで行えば、もしかすると安倍晋三首相訪朝への地ならしかもしれない、との憶測さえ出ている。

既に北朝鮮としては、日本側に配置していた弾道ミサイル2基を撤去して見せているからだ。

果たして日本は利用されるのか、あるいは日本が北朝鮮の弱みにつけ込むのか、そして国際世論はどう反応するのか、飯島勲内閣官房参与の動きが気になるところではある。



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