2013年04月22日

楽天KoboがiOSアプリ公開。今後は専用タブレットやパソコン用アプリの開発も

19日、楽天子会社のカナダKoboは、iPhoneやiPadで「koboイーブックストア」を利用できるアプリケーションを公開した。iOS 6.1以降に対応する。

アプリケーションは、米Appleのアプリ配信サービスである「App Store」から無料でダウンロードできる。

これまではkoboイーブックストアを利用して電子書籍を読むには、専用端末のkobo glo、kobo mini、kobo Touchを使うか、Android版アプリを使用することになっていた。しかしiPhoneやiPadでも使える様になることが待たれており、この度の対応で米Amazon.comのKindleストアのサービスに並ぶことができたと言える。

しかもkoboイーブックストアの場合は、どの端末で電子書籍を読んでいても同期されることになる。そのため、例えばkobo Touchで読みかけていた電子書籍の続きを外出先のiPhoneで読むといった利用も可能だ。

また、koboイーブックストアではこれまでモノクロ作品が中心だったが、iPadなどでの利用拡大に向けて、フルカラー作品を充実させていくとしている。

さらにアプリでは、電子書籍を購入する前にレビューを見たり、自分が読んだ後にレビューを書き込み、他の読者と評価を共有できるソーシャルリーディング機能が備わっている。

他にもiOS版のアプリでは、FacebookやTwitterへの投稿も可能になっている。

読書にとっての基本的な機能も備わっている。フォントサイズを変更でき、背景色も変えられる。また、文章の一部にコメントを書き込んだり、ハイライトさせる事も可能だ。

さらに便利機能としては、読んでいて分からない用語に出くわしたら、すぐに国語辞典、英英辞典で調べることが出来るし、GoogleやWikipediaで検索することもできる。

ただ、ここでずっこけてしまうのは、肝心の電子書籍を購入することができない。この機能の欠落は痛いのではないだろうか。従って、購入するには別途ウェブブラウザーを起動させて、そこで購入する。ダウンロードはアプリ側から行う。

さて、楽天株式会社は19日、前述の「楽天kobo」iOS版アプリ公開の説明会を行っている。そこでは日本では海外よりもアプリ版が受け入れられているという現状について説明された。

楽天株式会社イーブック事業企画管理部部長の白石翼氏は言う。

「その直後(投稿者注:2012年12月にAndroid版アプリを追加した直後のこと)からiOS版も期待されていたが、クオリティをどんどん上げようと頑張り、ようやく最適化が完了した」

また、電子書籍のリーダーとしては、海外では専用端末の発売が先行していたため、スマートフォン用のアプリの提供は、補完サービスといった意味合いが強かったという。

しかし日本は逆になる。フィーチャーフォン(要するにガラケー)でケータイ小説を読むことが先行されたため、スマートフォンで読書を行うということに抵抗がないユーザーが育っているというのだ。

そのため日本でのスマートフォン用アプリ提供は、補完以上の意味合いが出てくる。つまり、「専用端末はまだいいか」というユーザーをアプリで先に確保し、そこから専用端末の導入に促すキャンペーンを行う、といった戦略も有り、と考えているようなのだ。

また、電子書籍は、やはり専用端末で読む方がより満足度が上がるといおう調査結果もあるということで、やはり楽天としては専用端末の導入への効果を期待している。

一方、既に海外では「kobo arc」というタブレット端末(Androidベースの7インチ液晶)が発売されているが、日本でも近いうちに発売できるように検討中だとした。ただ、時期は未定。既に海外で発売されている機種からにするか、次の機種からにするか未定だという。

そしてタブレット版koboでは、電子書籍以外のコンテンツ販売や、楽天市場への誘導機能を持たせたいようだ。白石翼氏は言う。

「例えばKindle Fireでは、電子書籍だけでなく動画や音楽の販売も行える。楽天であれば、いかに楽天市場へお客様をご案内できるか」

それが重要だという。

さらにこの日は、koboのパソコン版サービスの開発にも着手していることを発表している。



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