2013年04月18日

8割近い賛成世論とは逆に、廃案になった銃の規制。米国の暗部が垣間見える

17日、米議会上院では、銃の売買に際して購入者全員の犯罪歴並びに精神疾患歴のチェックを義務づける銃規制強化法案の修正案について、採決入りを見送った。共和党議員らによる反対による。

これを受けてオバマ大統領は緊急記者会見を行い、反対者らを非難した。

「ワシントンにとって大いに恥ずべき日だ」

何を「恥じるべき」と言ったのか。明確には述べなかったが、全米ライフル協会を初めとする規制反対派のロビー活動に屈したことを「恥ずべき」と言ったのではないだろうか。これでオバマ政権が目指す銃規制強化は、困難な状況となった。

採決入りには60票が必要だった。しかし共和党の9割が反対し、民主党からも反対者が出たため、賛成が54票までしか伸びなかったのだ。

購入者のチェックだけではなく、殺傷能力が高い突撃銃や多くの銃弾が入る弾倉の販売禁止などの案も反対された。

この度目指された法案成立は、2012年12月に起きた、コネティカット州の小学校での銃乱射事件(児童等26人が殺害された)が契機となっている

しかし結果は賛成54票、反対46票。60票には届いていない。その結果、上院は17日の本会議で銃規制強化修正法案の審議を打ち切る。つまり廃案に追い込まれてしまった。

議長を務めたバイデン副大統領もこの否決の瞬間、「恥を知れ」とつぶやいたと言う。

しかしオバマ大統領は言う。

「米国民が諦めない限り、銃犯罪を防ぐ『変革』の実現はまだ可能だ」

はたしてそうだろうか。なにしろロビー活動の手は民主党にまで伸びていた。しかも既に世論調査ではその7〜8割は規制強化に賛成だった。それでも否決されたのだ。いかにロビー活動に議員達が飼い慣らされたかが分かる。

金も動いただろう。また、全米ライフル協会(NRA)などは、議員らに対して、

「法案を支持した場合には、選挙で落選運動を行う」

と脅しまで賭けていた。彼らの影響力の強さが分かる。

これで犯罪歴や精神疾患歴がある者でも銃を購入することが容易なままとなった。現行法でも購入者のチェックは義務づけられているが、それは銃の販売業者からの購入時だけなのだ。

つまり、個人間取引では規制はない。しかも銃取引の4割は、この個人間取引なのだ。これでは規制の抜け穴は大きすぎる。

つまり、これからも米国では、犯罪者やきち○いが、銃を持って歩いている、ということだ。身を守るためには、やはり銃を持つしかあるまい。



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