2013年04月10日

今度の牛丼戦争を仕掛けるのは吉野家。4月18日から24日までは牛丼だけの販売に専念。

10日、都内で「吉野家 2013年 商品戦略発表会」が開催された。そこで、代表取締役社長の安部修司氏が宣言した。

「最高の状態の牛丼を、4月18日から並盛280円で提供します」

まぁ、これまで最高では無かったということなのだが…。

それにしても280円は政府のデフレ脱却に逆らうかのような価格だ。いや、食品は物価指数に含めないので関係無かったか。

ただ、牛丼ファンや、貧乏な私には嬉しい宣言となる。この価格は、2004年に一時米国産牛肉が輸入停止された当時の価格に戻る。

この度の低価格は、2013年2月に米国産牛肉の輸入緩和が行われた事を反映した。牛肉の品質も輸入停止前に近づくと言うことで、「最高の状態」になるのだという。

マニアックな話だが、吉野家本来のマイルドな味というのは、2006年9月に部分解除された「20ヶ月齢以下」の牛肉しか輸入されていなかった状態では再現出来なかったのだという。それが、今回の緩和で「30ヶ月齢以下」にまで拡大されたので、この広がった選択肢の中から、牛丼に相応しい牛肉の輸入が再開されるのだという。

つまり、安部修司社長に言わせるとこういうことだ。

「20カ月齢以下の牛肉は、穀物肥育(フィードロット)の期間が約4カ月と短い。30カ月齢以下に条件が緩和されることで、フィードロット期間が6−12カ月と十分に穀物で栄養をつけたおいしい牛肉になる」

古くからの吉野家ファンには朗報だろう。上手くなるし、安くなるし。もちろん、しつこいが貧乏な私にも朗報だ。

また、緩和は同時に、供給量を増やすため、価格低下を可能とした。そして、吉野家のあのキャッチフレーズが輝く。

「うまい、やすい、はやい」

しかも安部修司社長は忘れずに付け加えた。

「280円という価格を設定することによって、来店客が増加し、その客数増によって、煮肉量が増えて、一層牛丼がおいしくなるという好循環が生まれる」

そして吉野家は、この安くて上手い牛丼に徹するために、4月18日の10時から、4月24日の午後3時まで、牛丼専門店としての運営を実施することに決めた。

安部修司社長は言う。

「牛丼以外のメニューを楽しみにしていただいているお客さまには、しのびないのですが、この期間限定で最高の状態で、牛丼を召し上がっていただきたい」

ちなみに、並盛りは280円だが、大盛りは440円、特盛りは540円となる。

このキャンペーンに賭ける吉野家の意気込みは、広告料を奮発したことでも分かる。4月18日から新しいテレビCMを開始するが、なんと北大路欣也さん、宮川大輔さん、相武紗季さんといったギャラの高い(と思う)有名人を起用する。

それだけではない。CMの楽曲も、斉藤和義さんに吉野家のために新曲を書き下ろしてもらった。

さらに、渋谷109や道頓堀などでは屋外広告も予定しているという。

これに対してライバルのすき家は、「春の感謝祭」として12日までは牛丼各サイズを一律30円引きしており、また、松屋は「1000店達成記念」として15日まで牛丼を30円値下げしている。

牛丼戦争が始まった。こういう戦争は歓迎したい。北朝鮮の兵士にも食べさせてあげたいなぁ。自分たちの任務が、さぞやばかばかしくなるだろうに。美味しい牛丼を腹一杯食べさせれば、皆、親日派になるかもしれない。たらふく食って肥え太っているのは金正恩第一書記だけだからなぁ。



posted by しげまる | Comment(2) | TrackBack(0) | ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
しげぞうさん、こんばんは。

吉野家は、店舗によって微妙に味がちがいますね。
悲しいかな、家から歩いて行ける店舗は、
あんまり行きたくないんです><; 汁が底までザブザブしていて…

値段からすると、近くのほっともっとが
15時まで、のり弁が270円なので、お財布にやさしくて助かります(笑)




Posted by spacelight at 2013年04月19日 21:47
spacelightさん、コメントありがとうございます。
「汁が底までザブザブしていて…」
通の間で言うところの「つゆだく」ですね。これが好きという人も多いようですが、あまりザブザブはよろしくありませんね。
ほっともっとも吉野家の競合になりますね。
あのマクドナルドの原田社長も言っていました。
「マクドナルドの競合は、吉野家などの牛丼チェーン店でもある」
私は味では吉野家に堕ちますが、メニューや量が選べるすき家も良く利用します。
いずれにせよ、安いのは助かります。かといって、安物ばかりを食べていると、なんだか心まで貧しくなることがあるので、時々は奮発してみないといけませんね。
国家の経済戦略はシンプルですが、国民の生活感覚は複雑です。
金融緩和でデフレ脱却は教科書通りですが、その結果円安になれば、給料が上がらない限り、輸入品(食料もエネルギーも)が値上げし、生活を圧迫します。
かといってTPPに参加すれば、海外から安価な商品や製造物が安価に大量に入ってきますので、生活は一時的に楽になりますが、日本国内の失業率が高まり、不況になります。そして税収も減少します。
トレードオフということですね。
と、いっぱいの牛丼から、そんなことを考えてしまうこの頃です。
Posted by 管理人 at 2013年04月20日 10:44
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