2013年04月07日

ジーンズ老舗のビッグジョン(Big John)が、経営不振で官民ファンドで再建へ

株式会社ビッグジョン(Big John Corp)という会社がある。ジーンズ好きであれば、知らないはずはない日本初の国産ジーンズを手がけた老舗だ。

本社は岡山県倉敷市児島にある。

このビッグジョンが、経営不振に陥っていた。

ビッグジョンの前進は、1940年に岡山で創業されたマルオ被服という。ここが1958年からジーンズを輸入したり受託生産をしたりし始めたが、それが発展して自社ブランドの国産ジーンズを立ち上げた。

それがビッグジョンだ。名前の由来は創立者である尾崎小太郎の名前である小太郎に由来するという。小太郎を「小」と「太郎」に分解し、「リトル」と米国で日本の太郎に該当するであろうと考えたありふれた名前の「ジョン」を合わせて「リトルジョン」としてみた。

しかし最初から「リトル」では商売が大きくならないと縁起を担いで、「ビッグジョン」にしたのだという。

このビッグジョンだが、1993年には売り上げがピークに達し同年1月期で182億円を売り上げている。それが今年の2013年1月期では25億円となるほど経営不振に陥っていた。赤字に転落していたのは実は2007年1月期からだった。

そこで地元金融機関などが出資する官民ファンドである「おかやま企業再生ファンド」の支援を受けて再建を進めることとなった。それが5日に分かった。

ファンドは金融機関から債権を買い取り、約40億円の借入金を圧縮することから始める。同時に経営陣も刷新を図る。

ファンドに売却される債権は、中国銀行などのメインバンクが持つ約30億円の債権となる。ファンドは購入した債券の大半を放棄することでビッグジョンの金利負担を軽減させる。

さらにファンドと中国銀行が新規で約3億円の金融支援を行う。このとき、一般債権のカットは行わないため、取引先には影響を出さないことになる。

他にも国内唯一の本社工場を閉鎖する。それにより生産を児島地区を中心とした協力工場と中国にある子会社に移行する。

それに伴い、希望退職を募り人員削減を進め、同時に資産処分を進める。

それだけではない。経営陣の刷新として、創業家の尾崎博章会長と尾崎篤社長は経営責任を取る意味もあり、退任する。

新社長には東京支社東日本エリアマネージャーの市原修氏が内部昇格した。これが4日のことだ。

さらにファンドからも管理部門に人材が派遣され、経営再建をバックアップする体制を整える。

ビッグジョンは前述の通り国産ジーンズのパイオニアである。「BIG JOHN」以外にも、日本最古のワークブランドとされる「WORLD WORKERS」や低価格ブランドの「GL HEART」といったブランド展開をしていた。

昨年には香港の企業とライセンス契約を締結し、アジア諸国での展開も始めたばかりだった。

しかしカジュアル衣料品店(まぁ、どこだか想像は容易だが)の低価格ジーンズにシェアを奪われ、あれあれと経営不振に陥ってしまった。

商売というのは難しいものだ。はたしてBIG JOHNは、再びジーンズ業界のシェアを奪回できるだろうか。



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