2013年01月25日

為替操作だ、と難癖を付けるメルケル首相と、当たり前に反論する麻生財務相

だからユーロはダメなのだ。ドイツの為のユーロは、ドイツの原理主義で破綻しかけているではないか。

と、追い詰められているドイツのメルケル首相は、アベノミクスを始めた日本に難癖を付け始めた。

24日に、世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で、メルケル首相は安倍政権が円安誘導としての為替操作をしていると非難した。いや、悲鳴を上げたかったのかもしれない。

「為替レートの政治的な操作に関心が集まっているなかで、今の日本に懸念がある」

これに対し、翌日の25日の閣議後の記者会見で、麻生太郎副総理兼財務・金融相は反論した。

「金融緩和はデフレからの早期脱却が目的。為替操作との批判は全く当たらない」

全くそのまんま、現実を答えている。そして円安が進んでいることについても残念な頭のメルケル首相のために簡単に答えている。

「行き過ぎた円高が修正されつつある局面だ」

まったくその通りだ。

ただ、メルケル首相の悲鳴は、他の国も同様な感情を持っている可能性は高い。何しろ、円高の時でさえ、輸出力のある日本が、円安にむかったのだから、戦慄する者たちも多いであろう。

そのダボス会議に出席する甘利明経済政策担当相も、国際社会に説明せねば鳴らないとして述べた。

「懸念は一部のものだと理解している。私としては全く懸念がないようしっかり説明したい」

一部とは言えまい。特にドイツや韓国などの輸出依存度が高い国ほど、日本の円安に怯えているはずだ。

だからメルケル首相は日本を名指しで、通貨安競争を始めたとする懸念を示したのだ。

特にこの2ヶ月の間に、ドルに対する円安は約1割も進んだ。しかしリーマンショック後に初めて開かれたG20会合時には、1ドルは110円だったのだ。そのことも麻生太郎副総理兼財務・金融相は指摘している。メルケル首相は感情的にしか反論できないだろう。

しかしメルケル首相の言いがかりはこれだけではなかった。とにかく円安が気に入らないので、

「政府が中央銀行に圧力を掛けるべきではない」

と内政干渉まがいの発言までしている。中央銀行の独立性を理解していないのは、日本のマスコミやエコノミストだけではなかった。メルケル、おまえもか。

中央銀行の独立性は、政策手段にかんするものだというのが、国際的なコモンセンスだ。政府が子会社の日銀に目標を与えて責任を持たせることは全く問題が無い。

しかしドイツの出品は、例えば車もそうだが、日本と競合するものが多そうだ。円安で相対的にユーロ高になってはたまらない、ということだ。確かに世界は通貨安戦争状態にある。だったら、まずは国を挙げて自国通貨を下げまくり、その結果として輸出産業を世界トップクラスの売り上げにまで育て上げた韓国を非難したらどうか。あるいは中国はどうだ。

そして輸出が命のドイツでは、メルケル首相だけでなく、与党のキリスト教民主同盟(CDU)の幹部である、ミヒャエル・マイスター議員までヒステリーを起こして22日に語っていた。

「円相場を押し下げようとする日本政府の行動は他の20カ国・地域(G20)メンバーからの報復を呼び、脆弱な景気回復を損なうリスクがある」

そして実際に、ミヒャエル・マイスター議員はG20のメンバーに、日本の円安を阻止するよう協力要請をするという。それって、よってたかっての内政干渉だ。しかし彼は続けた。

「日本の競争相手は何ができるというのか。賢明な態度をとり何もしないか、日本に追随して全員が打撃を受けるような悪循環を作り出すかのどちらかしかない」

繰り返すが、安倍政権が行っている経済政策には為替介入は含まれていない。財政出動と金融緩和だ。特に金融緩和は、円の供給増加になるので、当然円安にはる。しかしそれをいちいち「為替操作だ!」と言われていては、どの国もまっとうなデフレ対策はできなくなる。

しかも安倍政権が目指しているのは、まずは復興と財政出動による内需拡大だ。韓国のような露骨な通貨安戦争で輸出競争に勝とうというのでは無い。

悔しかったらドイツもやれば良い。なにしろユーロ圏は失業者で溢れかえっている。もっともこの大量の失業者を生み出しているのは、ほかでもない、ドイツの輸出政策だ。ドイツは輸出の7割を欧州向けで稼いでいる。つまり、失業をユーロ圏に輸出しているのもドイツだと言える。

しかも、まだまだ前途多難とは言え、もしもアベノミクスが成功すれば、ユーロ圏諸国は動揺する。

「離脱して、日本の真似こいた方がよくね?」

となる可能性があるからだ。それをメルケル首相は、最も否定したいだろう。



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