2013年01月18日

アルジェリア政府は、テロに屈しないために、人質を犠牲にしたのか

アルジェリアでのイスラム武装勢力による人質事件に対して、国営アルジェリア通信は、鎮圧作戦(人質救出作戦では無い)が17日夜に終了したと報道した。同時にサイード情報相は語った。

「犯行グループは無力化された」

しかし、人質の安否については情報が錯綜している。プラント建設大手の日揮は現地の日本人スタッフ17人の内、わずか3人についてのみ無事を確認出来たという。残りの14人については全く分からない。人質に捕らわれていたのかどうかも分からないのだ。

ロイター通信によれば、少なくとも2人の日本人が死亡したと伝えている。

この度の事件での人質は、約40人と言われている。武装勢力はアルカイダ系のイスラム武装勢力らしい。

アルジェリア軍は、この武装勢力を鎮圧する作戦を決行したが、人質30人が殺害されたとしている。しかし、武装グループに依って殺害されたのか、アルジェリア軍の攻撃によって死亡したのかは全く分からない。

武装勢力側の死亡者は11人とされているので、案外アルジェリア軍による攻撃で死亡した人質も多いのではないか。

再びロイターの報道によれば、死亡した人質には、日本人2人、英国人2人、フランス人1人が含まれているという。ただし、それぞれの身元はまだ分かっていない。

一方、殺害された武装勢力側の身元は一部分かっている。リーダーのアルジェリア人であるターヘル・ベンシェネブ容疑者は殺害された。他に、エジプト人3人、チュニジア人2人、リビア人2人、マリ人1人、そしてなぜかフランス人1人が含まれている。

攻撃のきっかけは、武装勢力の要求をアルジェリア政府が拒否したことから始まった。

武装勢力は、人質を確保しながら、アルジェリアを出国させろと要求した。これをアルジェリア政府は拒否し、軍によるヘリコプターや地上部隊を投入した。

武装勢力が人質を移動しようとしたところに、軍は攻撃を開始したという。軍の攻撃目標は武装勢力の車列だったというから、まるで最初から人質の命など眼中になかったのではないか、と疑いたくなる状況が浮かぶが、この辺りの事情はまだ分からない。ただ、今後アルジェリア政府が人質の人命を疎かにして性急な判断を下したのではないか、という非難が出てくることだろう。

そしてこの鎮圧作戦は約8時間で終了した。

ただ、作戦の全容が分からない。軍が制圧したのは施設の一部でしかない、との情報も流れている。

一方、人質事件のきっかけとなったマリ共和国でのフランス軍は、地上部隊を増員し、軍事作戦を強化する動きを見せている。武装勢力の要求など、全く無関係にことは運ばれている。

今朝8時になると、横浜市にある日揮本社で記者会見が行われた。日揮によると、現場のイナメナスの駐在員は78人で、日本人は17人だという。そのうち無事が分かっているのは日本人3人とフィリピン人1人だけだ。彼らからは直接電話で「無事です」との連絡を受けることができた。

日揮はの担当者は、まだ安否が分かっていない日本人14人や他のスタッフについての安否確認に全力を挙げるとしている。その一環として、日揮の社長ら3人が今晩中に日本を発ち、明日にはアルジェリア入りして情報収集を開始する。

それにしてもかなり乱暴な作戦だった可能性は残る。地元メディアによると、現地時間17日午前に軍の攻撃は始まった。

すると人々は脱出を開始した。脱出したアルジェリア人の一人は言う。

「朝8時に攻撃を受けて、150人のアルジェリア人と7人の外国人が逃げました。アルジェリア軍のヘリコプターの攻撃を受けて、すごい煙が立っている。救急車もたくさん集まっている」

また、攻撃のきっかけについてアルジェリア通信相は言う。

「武装グループが人質を無理やり外に連れ出そうとしたことが、攻撃のきっかけだった」

人質事件が発生した直後、日米両国は人命第一で対応する方針を確認しあった。しかし、それを無視するかのように素早くアルジェリア軍の攻撃が始まっている。

かなり性急な印象を受ける。

武装グループは、人質を取って施設を占拠した理由を、マリのイスラム過激派を攻撃するフランス軍機が、アルジェリアの領空を通過することを許可したことだと主張していた。

マリの北部はイスラム過激派やアルカイダ系組織によって制圧され、内戦状態となっている。それに対し、国連安全保障理事会は「テロの温床」になる、という理由によって国際部隊による軍事介入を認める決議を採択している。

また、マリ暫定政府からの要請により、既にフランス軍が介入し、この度の事件が発生した。

事件発生後、すぐにアルジェリア政府は方針を出した。

「テロとのいかなる交渉も拒絶する」

要するに、初めから武装グループとの対話などあり得ない、という姿勢を打ち出していたのだ。

この時点で、私は「これは強硬突破のつもりか。人質は死ぬな」と思った。

確かにテロに屈しない、テロの要求には応じない、テロによって世の中は変わらない、ということを示す必要はある。そのことの重要性も分かる。

しかし、人質の人命も軽んじてはならないだろう。アルジェリア政府は性急すぎたのではないか、とも思える。

今後の情報によっては、アルジェリア政府が国際的な非難をあびることになるだろう。

以下、マリ共和国へのフランス軍軍事介入に関する記事です。

『マリ共和国へのフランスの軍事介入とイスラム武装勢力』(2013801/15)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/313564347.html



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