2013年01月15日

マリ共和国へのフランスの軍事介入とイスラム武装勢力

フランスが軍事介入を開始した南アフリカのマリ共和国は、日本とは関係ない彼方の国だと思われている方も多いと思うが、少々関係はある。

まず、日本は2010年度までに有償資金協力として87.02億円、無償資金協力として553.41億円、技術協力として86.96億円提供している。

また、日本に対しては、ゴム製品や打楽器などを輸出しており、特に鉱物資源は豊富でウランに関しては日本が独占契約を結んでいる。2008年度の日本への輸出額は2,166万円となっている。

逆に日本からは精米、亜鉛のメッキ鉄といった輸入をしており、日本からの輸入総額は7億6,302万円となっている。

他にも、日本からは4社が進出している(2008年10月現在)。

以上のソースは、外務省情報なので、より詳細は外務省サイトで確認できる。

さて、そんなマリ共和国(以降、単にマリ)に、いよいよフランスが軍事介入を始めた。それに続いて米国やEUも軍事介入の支援を始めた。

標的は、マリで勢力を拡大しているアルカイダ系組織である。これが将来、欧米の脅威になるであろうということで、マリで潰しておくことになった。

14日、バネッタ米国防長官は仏軍に対して情報収集面などで支援すると記者団に伝えた。その理由は、

「マリを拠点とする国際テロ組織アルカイダ系の“イスラム・マグレブ諸国のアルカイダ”(通称AQIM)が、将来的に欧米諸国でテロを計画するおそれ」

が有るからだという。

このAQIMについて、米国側は、リビア東部ベンガジで米大使らが殺害されたテロに関与したのだとみている。

そのため、既に米軍は軍事衛星や通信傍受によって集めた情報を仏軍に提供し始めている。さらに、給油機も派遣することを検討中だ。但し、前線で戦闘に加わることについては今のところ控えている。

一方のEUでは、週内に外相理事会が開かれ、そこでマリへの支援内容を協議することになっている。見込みでは、マリ政府軍の訓練とアドバイスをするための部隊を早急に派遣することになりそうだ。

これらの動きに対して、マリで活動しているテロ組織の「西アフリカにおける統一とジハードのための運動」は、仏軍への報復としてフランスでのテロ活動を行うと予告した。テロ組織代表の一人であるアブ・ダルダル氏は言う。

「フランスはイスラムを攻撃している。我々はフランスの心臓を撃つ」

当然、フランスはこの予告を警戒し、国内の警戒態勢を強化している。特に公共の建物や輸送機関の監視が強化された。

マリがテロ組織を中心とした武装勢力に占領されているのは北部だ。マリ軍は仏軍の援護を得て、イスラム主義者らに選挙されていた都市のコナを開放することに成功している。また、仏軍が空爆を行う事で、やはり北部の都市ガオがイスラム主義者らから開放された。

ガオへの空爆は13日に行われた。空爆は10回行われたという。ガオを支配していた武装グループは「アンサール・ディーン」という組織らしい。この攻撃の成果をファビウス仏外相は述べた。

「武装勢力の南進阻止には成功した」

仏軍は西アフリカ各地に駐留している部隊から約550人をマリで展開しているが、今後は本土からの部隊投入も行う構えだ。そのために、マリの北に接しているアルジェリアが、仏軍機の領空通過を認めた。

同じく国境を接しているニジェールやブルキナファソ、セネガルも、部隊を派遣する考えを示している。

仏軍が介入しているのは、マリ政府からの要請による。フランスはマリの旧宗主国なのだ。マリのトラオレ暫定大統領と軍事介入について合意した11日、オランド仏大統領は宣言した。

「これはテロリストとの戦いだ。作戦は必要な期間続く」

トラオレ暫定大統領はマリ全土に非常事態宣言を発令して語った。

「イスラム過激派に大規模で容赦ない反撃を加える」

ことの経緯について簡単に触れると、昨年3月にマリでは正規軍が待遇に不満を持ってクーデターを画策した。詳細は以下の記事を参照されたい。

『西アフリカのマリ共和国でクーデターが起きている。』(2012/03/22)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/259411818.html

その結果、政府機能が麻痺してしまい、アルカイダ系のイスラム過激派がその混乱に乗じてマリの北部地域を掌握してしまった。

そこで暫定政府は旧宗主国のフランスに軍事介入を要請したのだ。

事態が悪化すると、国連安全保障理事会も昨年の12月に、軍事介入を認める決議を全会一致で採択した。

国連安全保障理事会の決議を受け、ECOWAS(西アフリカ諸国経済共同体)も、「国連決議に基づく軍隊の派遣を承認した」との声明を発表し、具体的にナイジェリアとセネガルが軍事介入に加わることをマリ国防省報道官が説明したが、まだ現時点では仏軍が単独で介入している。

マリの安定を取り戻さねば、ただでさえ不安定な北・西アフリカ諸国の政情がさらに悪化する危惧があり、これらの地域から原油や鉱物資源を調達している国々にとっても不安要素となる。

そのため11日には、ヘイグ英外相が

「フランスの決定を支持する」

と表明し、ウェスターウェレ独外相も、

「軍事面だけではなく、政治的な解決を図るべきだ」

と述べ、ヌランド米国務省報道官は、

「マリ政府の要請に基づく仏政府の軍事支援を理解している。仏政府とは緊密に連絡を取っている」

と揃って仏軍介入を支持した。

中東だけでなく、アフリカも紛争が耐えない地域だ。今後も注目しておきたい。

以下、マリ関係の記事です。

『西アフリカのマリ共和国でクーデターが起きている。』(2012/03/22)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/259411818.html



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