2013年01月10日

富裕層増税で自公が大筋合意した。

私はデフレ期の消費増税は反対の立場だ。可処分所得が減少し、消費が減少し、GDPが減少するからだ。

また、消費税には逆進性がある。これは何かというと、収入の貧しい人ほど負担が大きくなるという考え方だ。

例えば月給が30万の人も、300万の人も、生きていく上では月あたりの消費はあまり変わらない。まぁ、多めに考えて月給30万円の人が月あたりに20万円消費し、月給300万円の人が月あたり50万消費するとしよう。

そのとき、支払う消費税は以下の通り。

月給30万の人→20万×0.05=1万→収入の3.3%

月給300万の人→50万×0.05=2.5万→収入の0.8%

つまり、税の負担度が、収入が大きい人ほど少なくなるというものだ。それだけではない、高額所得者は、消費税が掛からない方法での資産運用なども可能なため、さらに逆進性が大きくなる。

しかも消費税は、収入が少ない人も、失業者も負担せねば成らない。このことをスタビライザー効果が無い、と言う。

さらに大資本が得するような仕組みも組み込まれているのだ。この辺りの詳細は、以下の小論文を参照してほしい(間接的に拙著の宣伝にもなり恐縮ですが)。

『小論文サンプルダウンロード』
http://outline-kijutsuhou.seesaa.net/

そこで所得税の増税に目が向けられる。なぜなら累進課税としての所得税には以下の様なメリットがあると考えられているからだ。

・富を一部の階層に集中させることを防ぐ。
・富を広く社会に再配分して社会福祉を実現する。
・所得格差拡大を防ぎ、社会の治安維持に効果的である。
・身分階級の固定化を防ぐ。特に相続税とセットにすると効果的。
・高額所得者は収入の割に消費を行わない。これを再配分機能で是正することができる。
・景気により、スタビライザー効果がある。(失業者は納税を免れ、次の就職までの猶予を与えられるなど)

もちろん、デメリットもあるが、消費税の増税に比べると、明らかにデフレ期に向いた増税だ。

という予備知識の元に以下のニュースを見てみる。

9日に開かれた与党税制協議会で、自民党と公明党は、富裕層への課税を拡大することに大筋合意した。

そこで政府自民党は、所得税と相続税を2015年から引き上げる方向で調整に入った。

現在の所得税は、滅茶苦茶だ。例えば年間所得が1800万円超の人と、3億円の人とで、税率が同じ40%なのだ。

そこで検討されているのが、新たに3000万円超に対しては45%の税率を掛けようという案だ。同時に相続税の基礎控除枠も引き下げることで課税率を上げようとしている。相続税の最高税率も50%から55%に引き上げることが検討される。

まだ案で、詳細については今後の税調協議で詰めていく。

公明党の案では、課税所得「3000万〜5000万円」に45%、「5000万円超」の部分に50%を適用しようという案が出ている。自民党ではまだ案の調整が遅れているらしい。そのため、自民党では11日の午後までに意見の集約を行うとしている。

なぜ今この話が出たのかというと、実は民主、自民、公明の3党合意した消費増税法の付則に「12年度中に必要な法制上の措置を講ずる」と明記されていたからだ。これは格差是正のために、所得税と相続税を見直すことを意味している。

自民党は安倍政権では最初の3党協議を来週中に開くことを目指しており、24日には税制改正大綱をまとめたいとしている。

ただ、増税時期は3党合意の時に2015年1月からとしていたが、1年ずらし、2016年1月からにすることも検討され始めた。

ただ、この所得税増税と相続税増税は、消費増税による国民負担の理解を得るために行うという意図があったため、いよいよ消費増税の準備が始まったとびびるが、消費増税には景気条項があるため、時の政権がデフレ脱却を認めない限りは実施されない(はずだと認識している)。

少なくとも、消費税を上げることで自殺者は増えるが、富裕層の所得税や相続税を上げても、自殺者は増えないだろう。

『自殺者統計と消費税の相関関係、野田政権が邁進する増税の向こう側にあること』(2012/01/11)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/245608160.html

だから私は、消費増税は反対だが、富裕層の増税は賛成だ。


以下、消費税関係の投稿です。

『野田佳彦首相は財務相のホームページなど見たこと無いだろうなぁ。消費税増税が税収を下げるなんてしらないだろうなぁ。』(2012/01/16)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/246537107.html

『自殺者統計と消費税の相関関係、野田政権が邁進する増税の向こう側にあること』(2012/01/11)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/245608160.html



posted by しげぞう | Comment(3) | TrackBack(0) | ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 自公政権の税制改革は、相も変わらず、対処療法でしかない。根本的な間違いを挙げたい。

@所得税の増税について

・所得は、相対的に、現役世代が高い。
・保有資産が多い、高齢者(年金生活)の所得は、相対的に、低い。

所得が多くても、出費も多い現役世代。
出費が多いという事は、世の中に、お金を流通させているという事。(経済効果大)
能力を発揮出来る期間は、人生の中で、それほど長い期間ではない。

高額所得者への増税は、貧困層(私を含む多くの国民)に、聞き応えの良いフレーズだが、有能な人材のやる気を削ぐ、または海外流失につながる悪しき政策である。

課税しなければならないのは、資産に対する課税であり、所得に対する課税ではない。

A相続税増税の危険性

相続財産(プラス)のある高齢者と、相続財産のない(または、マイナス)高齢者に対する子世代の対応はシビアです。
それ程、現役世代は疲弊しています。

東日本大震災の後、【絆】という言葉を聞く機会が増えましたが、核家族化が進んだ現代においては、昔の家長・本家・分家といった概念と供に【親子間の絆】は薄れつつあります。
家制度が全て良い等と言うつもりはありませんが、助け合いの心を養う(弱者の傷みが分かる)とか犯罪抑止には良い制度(日本の文化)なのかなと思う。

何故、高齢者の孤独死が増えているのか?
子世代が、親世代の世話を出来なくなってしまった原因を、考えなければならない。

B孫相続を非課税にすることは、貧富の格差の固定化になる。

・孫相続の出来る高齢者は富裕層
・孫相続を非課税にしても、消費の即効性はない(経済効果なし)。単なる、相続税逃れの貯蓄移転にすぎない。

医師会(開業医)の要望を、自民党が世間に受け入れ易い様に、作り変えたにすぎない。

孫相続を受けた孫など、碌な人間にならない。
不労所得は、人を駄目にする。
2世議員の無能さ。
創業者家族は、2代目で潰れる。
医者の子供は、世間知らず。
等々、枚挙に遑がない。
例外はあるが、大方、当たっている。

東大入学者の親の平均所得は、2000万位との事。
教育費に金の掛けられない世帯に埋もれている、有能な子供を発掘せねば、日本の将来はない。
医者の子供しか、医学部に進学出来ない様では、日本の医療は崩壊する。

【提言】
・所得税を廃止、貯蓄税を導入する。(昔のマル優制度を参考にする)

→海外の高額所得者が、日本で起業・研究に携われる。知的財産権が日本に集約される。
→無駄な貯蓄が、消費に廻る。(経済効果大)。


 自民党のポピュリズム政策・高齢者迎合(=高齢者票確保)・富裕層取り込み政策(=献金確保)が、また始まった。

 最近、自分が【話をしている人の目を見れば、その人が真実を話しているか、大体判断出来る】様になったと感じる。
長年、世の中の色々な事象に、目をそむけずに考えてきた姿勢が、そうさせているのかな?と思う。

長文、失礼しました。


Posted by ゴメンネジロー at 2013年01月11日 02:06
増税という発想から、いい加減離れるべき。減税すべき。させてもらえないだろうけど。
どこからとろうと、増税は増税。
公務員だたきとじゃあるまいし。平等に下げればいいんだよ。
予算がないは詭弁。
相続税もしなくていい。なんで貧富の格差を搾取という方法で解決しようとするのか。関係ない奴に搾取されて、ほら平等に搾取してあげたでしょ?って頭おかしいわ。

日本人の奴隷化が捗るだけでいいことなんかない。
Posted by at 2013年01月23日 22:20
あれ、ゴメンネジローさんからコメントをいただいていたことを見逃しておりました。失礼しました。

税金については、いろいろな考えがありますし、本来庶民にとっては大きな問題なのですが、何故か日本人は税金には諦めムードが漂っております。

先日、当方の会社の同僚から、「消費税は上げないとだめでしょ。」と言われたので、「何故?」と問うたら、「だって国の借金が返せないでしょう。」という素朴な回答でした。

また、原発では大勢の人達がデモで盛り上がるのに、増税ではそのような動きをあまりしりません。不思議です。

ところで本題からは逸れますが、いただいたコメントの中で、

“能力を発揮出来る期間は、人生の中で、それほど長い期間ではない。”

という言葉にぐっときました。切なくなりました。「花乃命は短くて〜」ではありませんが、言われてみれば全くその通りで、私など、ぼーっとしている内に火葬場ですね。

もう少し、自分の生き方を考えねばと、頭を叩かれたような気がします。

ご指摘の通り、資産への課税が必要です。話は異なりますが、例の生活保護の資格についても、所得が対象で、資産が対象から除かれていたために大きな不具合が生じていました。

“医者の子供しか、医学部に進学出来ない様では、日本の医療は崩壊する。”

御意。

“所得税を廃止、貯蓄税を導入する。(昔のマル優制度を参考にする)”

賛成。

──

この後のお名前がない方のコメントもありがとうございました。

“減税すべき”

おっしゃる通りです。この時期は本来は減税が最も合理的です。が、既得権益者たちがそれをさせないのでしょう。

“なんで貧富の格差を搾取という方法で解決しようとするのか。”

いや、これはある程度必要だと思います。どこかで国家権力という有無を言わさない存在が行わねば、世代を超えた格差の固定化に繋がります。そしてそれは、治安を悪化させ、同じ国民だという意識が希薄になってしまいます。

努力した者が豊かになって何が悪い、という考えがあり、それはごもっともですが、豊かさの世襲は良くないと考えます。

まぁ、貧乏人の僻みだ、と言われればそれまでですが…。
Posted by 管理人 at 2013年01月23日 23:04
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。