2013年01月10日

安倍政権の外交は「自由と繁栄の弧」構想なのか

10日、岸田文雄外相はフィリピンのマニラでデルロサリオ外相と会談した。そこで、海上安全保障面での連携強化について一致した見解を確認し、アジア太平洋地域の安定と繁栄の構築に向かって協力していくことを確認した。

また、インフラ整備への円借款やODA(政府開発援助)といった経済協力を強化することも確認している。

これは明らかに中国を牽制している。というのもフィリピンは南シナ海のシカボロー礁(中国では黄岩島)の領有権で中国と争っている最中だからだ。

つまり、日本はフィリピンと協力して中国の海洋権益拡大を牽制する包囲網を作ろうとしているとみられるのではないか。

フィリピンは明らかに中国との領有権争いについては日本からの支援を期待していた。例えば日本からの巡視船供与や沿岸警備隊の人材育成、あるいは海上通信システムの整備などである。

また、インフラ整備の円借款も、日本は約540億円拠出することを表明している。

そして岸田文雄外相は、この後シンガポール、ブルネイ、オーストラリアを訪れた後、帰国する予定だ。

一方、安倍晋三首相はというと、来週にはベトナムなど3カ国とASEAN(東南アジア諸国連合)を訪問する予定があると言われている(まだ確かな情報を得ていない)。

表向きはアジアの経済成長を取り組むため、と言われているが、明らかに中国を牽制する動きだろう。

そういえば第一次安倍政権の際、当時の麻生太郎外務大臣は、「自由と繁栄の弧」構想を提唱していた。これはアジア太平洋地域において、民主主義や市場経済といった同じ価値観の国々での連携を目指すものだった。

そしてこの度の第二次安倍政権の動きは、この「自由と繁栄の弧」構想に似ていなくも無い。

同時に、安倍晋三政権は、外交上の立場を強化する後ろ盾として、防衛力の向上も行おうとしている。

これは自然な動きだ。外交は防衛力、もっと露骨に言えば、軍事力という後ろ盾を必要とするからだ。

そのため、緊急経済対策に沿って、パトリオットミサイルシステムの更新、チヌークヘリコプター調達といった装備面での強化を図るため、防衛省は新政権の景気刺激策10兆3000億円に1850億円を防衛関連支出として盛り込むように要求している。

防衛費はGDPを押し上げるので、経済対策としても矛盾しない。

また、岸田文雄外相はオーストラリアでは、ボブ・カー外相と2国間の軍事協力に関する協定を結ぶとみられている。この協定が結ばれれば、平和維持活動として、燃料供給、輸送といった支援を行えるようになる。

この10年間で始めて防衛費を増額使用としている安倍晋三政権の、外交策が少しずつ見えてくることに、中国も注目しているに違いない。



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