2012年12月31日

日本の復興を妨げる復興増税が始まる。民主党政権の置き土産が腐臭を発す

さて、あと数時間で新年が始まるが、そんなときに無粋で天の邪鬼な私は、新年と共に始まる、めでたくもない、それどころか全く不愉快な話題を取り上げることにした。

1月1日から、いよいよ東日本大震災からの復興財源として復興増税が所得税に加算される。税額の2.1%だ。ちょうど国民が忘れた頃を見計らったかのようなタイミングで始まる。新年だからといって浮かれている場合ではない。かといって、いたずらに悲観する必要も無いが、要するに、気を引き締めておかねばなるまい。

復興増税は、これから5年間で復興の為に(かどうかもチェックの必要があるが)使われる19兆円の予算のうち、10.5兆円を増税で賄おうというものだ。

それで、2013年の1月から、25年間に渡って、所得税額の2.1%が上乗せされる。住民税には10年間にわたって、一律年間1000円が上乗せされる。さらに法人税には、すでに2012年の4月から上乗せが始まっており、こちらは3年間にわたって税額のなんと10%が高くなる。

わずか2.1%と言うなかれ。また、財務省の試算として発表された、子供二人の夫婦で年収500万円であれば、年間で約1600円、つまり25年間でたったの4万円ていどか、と考えてはいけない。元々の税額に加えれば、年間で8万100円ほども可処分所得が失われるのだ。それだけではない、もし消費税増税が予定通りに行われてしまえば(安倍政権はインフレ率を目安にはしているが)、厚生年金保険料などの社会保険料上昇と合わせて、2016年には2011年比で約33万円の負担増加になるとの試算もある。

それに一人一人では考えずに、国民全体の可処分所得として見れば、25年間で10.5兆円が、つまり年間で4000億円が失われるのだ。これは大きい。もちろん、これらの失われた可処分所得が、消費に回らないという単純な話では無い。正しく復興に使われれば、その分GDPに加算されるはずだが、国民の消費活動は間違いなく減少するだろう。

と、ここまで読まれるとサラリーマンばかりが対象のような印象があるかもしれないので補足しておくが、当然自営業者も確定申告の際に徴税される。

しかも民主党はこれだけの額を、当初10年間で徴税しようとしていた。しかし自民、公明との協議で25年間に伸ばされた。が、これを持って、事実上の恒久増税となったと言われており、財務省の笑い声が聞こえそうだ。

しかも国民の負担が増える割には、復興費用がたったの19兆円としょぼい。30兆円は必要と言われているからだ。いかに民主党政権が東北復興に関心が無く、単に増税したかっただけか、というのがうかがわれる。

時の政府は昨年の6月に言った。

「次世代に負担を先送りすべきでない」

ああ、奇妙なことを言うなぁ、と思った人も多いだろう。復興されたインフラなどは、次世代も使うではないか。また、破壊されたインフラは、前の世代から使われていたものではないか。

なぜ、それを、今の世代だけで負担させるのか、さっぱりわからない。しかも100年に一度と言われている自然災害であれば、建設国債を発行し、100年で償還すれば良いではないか。

本当に増税したいだけだったのだ。しかも23、24年度の復興予算が、復興には関係なさそうなこと(反捕鯨団体の妨害対策など)に使われていて、非難された。そのため、25年度からは被災地の事業に限定することを原則としている。

本来であれば、復興予算は前述したように建設国債を使うべきだ。まさにこのような時のために用意された国債だからだ。建設国債の償還期間は60年とされているが、これはインフラの平均寿命が60年であるためだ。

しかも増税などという水物(景気で変動してしまう)の予算ではなく、建設国債であれば、きっちりと目標額を手に入れられる。しかも建設国債はいわゆる赤字国債(特例国債)のような特例法の国会審議は不要なので、この度の様なすぐさま金を投入せねば成らない時にはもってこいだった。

それなのに増税法案を通すことを優先し、いたずらに民主党政権は復興を遅らせたのだ。

しかもデフレの時期にやってはならない増税を行い、やるべき有効需要の拡大をやらないという、まったくもってデフレ期には真逆の政策を行っていた。

建設国債により公共投資すれば、(既に土地などはあるので)ほぼ100%が有効需要となり、それに乗数効果が発生した分がGDPに上乗せされる。

日本の公共投資による乗数効果は名目値3倍以上と言われているので、最初の歯車が回り始めれば、GDPが上昇を始めるので当然税収も増える。

財務省はこの効果を嫌ったという。なぜなら、GDPの増加により税収が増加してしまうと、新たな増税の名目が失われるからだ。

また、「次世代に負担を残さない」奇妙さはどうか。

例えば10.5兆円を25年間の増税で賄えば、国民には年間4200億円の負担が発生してしまう。

しかし建設国債(60年償還)を財源にすれば、年間の負担額は1750億円に留まる。

同時に有効需要によるGDP成長が始まれば、僅か数パーセントの成長でも税収弾性率により、税収はその数倍の増加を示す。例えばGDPが2%成長すれば、税収は弾性率(日本は3〜4と言われているので)により、6〜8%増加すると考えられるのだ。

ところで日本の税収弾性率の3〜4は比較的高いと言われている。これは何が起きるのかというと、デフレ期にGDPが成長を開始すると、単純に税収が同率で増える訳では無く、例えばこれまで失業して納税できていなかった人々が雇用されることでいきなり納税する側になり、赤字で法人税を納められなかった法人が、黒字になって納税できるようになるためだ。

それほどGDPの成長は増税の理由を無くしてしまう。

おっと、寄り道して何が言いたかったのか見失いかけてしまった。

つまり、増税に依らずに建設国債によって復興財源を賄えば、次世代の負担を増やすどころか、逆に減らせる可能性がある、ということだ。

ちなみに、良くマスコミ(特に朝日)が「公共投資(道路建設やら)のばらまきのせいで、国債発行残高が増え続けている」というデマを流す。

しかし日本の建設国債は2000年代はほぼ横ばいを続けている。実は増えているのは特例国債だ。つまり社会保障などの増加による。

願わくば、安倍政権が、増税法案に組み入れた景気条項を守り、デフレ脱却するまでは消費税を上げないことを。

以下、増税に関する過去の記事です。

『安倍晋三総裁率いる自民党圧勝への雑記』(2012/12/17)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/308341253.html

『日本のマスコミが歪めて報道している、安倍晋三総裁の経済政策論』(2012/11/25)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/303835016.html

『マスコミの安倍晋三自民党総裁叩きが始まる。国民は、マスコミの洗脳から頭を守れるか?』(2012/09/28)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/294626921.html

『このままでは消費税が上がり、大変なことになる──が、まだ分からない』(2012/06/26)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/277426623.html

『消費税関連法案の事前審査でも見られた民主党執行部のでたらめ振り』(2012/03/28)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/260700967.html

『増税原理主義者の岡田克也副総理は、野田佳彦首相と同じ頭の病。このコンビは最強(最凶)の亡国コンビだ。』(2012/01/22)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/247879361.html

『野田佳彦首相は財務相のホームページなど見たこと無いだろうなぁ。消費税増税が税収を下げるなんてしらないだろうなぁ。』(2012/01/16)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/246537107.html

『自殺者統計と消費税の相関関係、野田政権が邁進する増税の向こう側にあること』(2012/01/11)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/245608160.html



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