2012年12月25日

ペニーオークションはやっぱり賭博だなぁ、と思うこの頃

芸常人のが嘘の落札報告をブログに公開したことでペニーオークションというシステムが有名になった。

ネットオークションは多くあり、楽天などで楽しんでいる人も多いことだろう。しかし、ペニーオークションは少々仕組みが異なる。

オークションには変わりがないのだが、penny auctionの名の通り、入札の度に手数料が必要になるインターネットオークションだ。「入札手数料オークション」とも呼ばれる。

なんでも2005年にドイツで始まったSwoopというのが発祥らしいが、要するに胴元がいるギャンブルだといえる。

入札者は、入札金額が低いのでつい落札を狙って入札してしまうのだが、入札する度に手数料が発生しているため、結局落札できなかった場合も支払いが発生してしまう。

また、めでたく落札できても、落札価格以上に手数料が発生しているという本末転倒な結果になることもある。

つまり、「胴元がいるギャンブル」は、必ず胴元が得をする(参加者は損をする)仕組みなのだ。

また、出品者も運営している側が用意するのが特長なので、この辺りにもうさんくささがある。しかも入札者にいくらでもサクラを用意できるため、詐欺行為も容易だ。

このようにどう見ても賭博なのだが、ペニーオークションはグレーゾーンのビジネスとして存在している。

そのようなわけで、2011年4月には、消費者庁がDMM.com・凄オク・ゼロオクの3社に対し、不当に安く落札価格を見せかけた、として措置命令等を発表している。

そしてペニーオークションを有名にしたのが、2012年12月7日、詐欺容疑で逮捕者を出した「ワールドオークション」だった。ここではボットによる自動入札を使い、参加者が落札出来ない仕組みを作り、手数料をだまし取っていたわけだ。絶対に他でもやっているだろう。

また、この事件が注目されたのは、芸能人が複数関係していた事による。ほしのあき、綾部祐二、熊田曜子、永井大、東原亜希、菜々緒、小森純らがブログに落札した事実が無いにもかかわらず、落札したとの虚偽記述を行った。他にもまだまだいるようだ。

そしてワールドオークションは閉鎖された。

ただ、芸能人に虚偽記載をさせた背後関係はまだ分かっていない。それにしても、当の芸能人達は、謝って済むことだと認識しているように思える。困った人達だ。

しかも彼らは嘘を書くことで謝礼までもらっていた。完全に犯罪(詐欺幇助)では無いのか?もしかすると、景品表示法に定められる不実証広告も該当するかもしれない。

WOMマーケティング協議会という口コミのマーケティングを扱う業界団体では、芸能人に報酬を支払うことで嘘を書かせるというビジネスが存在しているのだ、と見ている。ただ、規模も組織も分かっていない。

「商品の提供元と、情報の発信者の関係を明らかにしていないブログはなくしていくべきだ」

と同協議会は訴えている。もっとも、同協議会には、タレントが虚偽広告を記載したサイバーエージェントも会員だったりするので、あまり頼りにならないところもある。

また、消費者庁の阿南久長官も注意した。

「影響力の大きさを自覚し、気を付けてほしい」

そのようなこともあり、ほしのあきらが利用していたブログの運営会社は、著名人が商品をブログで紹介する際の、ガイドラインを見直した。「ブログ記事内の偽装行為は禁止」という項目を追加している。常識と言えば常識だが、芸能人は金さえもらえば、何とでも書く人達だ、という印象はぬぐえないだろう。

ちなみに、このように一見広告には見えないが、実際には広告効果を狙った記事を公開することを「ステルスマーケティング」と呼ぶ。上手いネーミングだ。

例えば今回のペニーオークション落札記事だけでなく、有名人が「○○を使ったら、肌がぴかぴかになっちゃった!」とか、「○○を飲むようになってから、どんどんくびれちゃって!」などという書き込みがあった場合も、誰かから報酬を得て書いた虚偽記事である場合がある。これもステルスマーケティングの例だ。

それにしても、人は競い始めると、冷静さを失い、合理的な判断能力を失うようだ。

この度問題になったペニーオークションも、そのような人の競争心を煽る仕組みになっていた。

まず、スタート価格を異常に低く設定し、入札も数円単位にすることで気楽に競争が開始できるようにしてある。当然、煽りの仕組みとして入札可能時間が設定されてはいたが、誰かが入札すると、そこから数十秒ずつ延長されることで、延々と競争心を煽れるようになっていた。

しかも実は競り合っていた相手がボットだったりサクラだったのではたまらない。要するにいつまでも落札はできずに、競り合うことになるからだ。

こんな単純な騙しに、人は嵌められてしまう動物なのだということを戒めねばなるまい。特に有名人が絡むとさらに騙されやすくなる。

実際、逮捕者が出たワールドオークションでは、人気タレントの落札成功例を掲載することで客寄せしていた。しかしそれらに実績はなく、実際は参加者から1入札ごとに75円の手数料をとりながら、いつまでも落札出来ない仕組みのオークションに入札させ続けていたのだ。

有名人や権威ある人達に弱いのが人の常なので、これからもあの手この手で我々は誘惑されるのだろうなぁ。



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