2012年12月19日

最後の偉大なファラオ、ラムセス3世は喉をかききられて暗殺された?

18日、イタリアの研究者らの発表によると、古代エジプトの「最後の偉大なファラオ」と呼ばれたラムセス3世の死因が、喉を掻き切られたことによる可能性があるという。

研究チームは、ラムセス3世のミイラをCTスキャンで調査した。すると、喉に深い切り傷が発見されたのだ。しかもその切り傷の中にはお守りのようなものが見つかったという。

ラムセス3世の死因については、歴史学者の間でも論争が継続しており、決定的な結論には至っていない。

そのため、研究チームを率いていたアルバート・ジンク氏は言う。

「ついに古代エジプトの大きな謎が解かれた」

これは言い過ぎだと思うが、確かに死因の解明には大きく近づいたことは確かだろう。

ラムセス3世は紀元前12世紀に、古代エジプトを統治していた王だ。ただ、もともと暗殺の噂はあった。

というのも、現在はイタリアのトリノにあるエジプト博物館に所蔵されているパピルスに記された記録によると、ラムセス3世の妻の一人であるティイが、自分の息子に王位を継がせたいがために、ラムセス3世を暗殺しようとしたと記されているからだ。

結局その陰謀は失敗し、関わった者たちは処罰された可能性があるために、本当にラムセス3世は暗殺されたのか?という疑問が残った。

しかしこの度のCTスキャンで発見された傷が、殺傷の痕跡だとすると、俄然暗殺説が説得力を増してくる。

喉の傷は、致命傷になるほどの深さで、脊髄にまで達していた。幅も7センチに渡っているからかなり大きな傷だ。喉を覆っている布には全く損傷がないため、ミイラにされた後で着いた傷では無いことが分かる。

傷の形状からも、かなり鋭利な刃物で切られたことが推測され、そうだとすれば、即死だったのではないかと考えられている。

アルバート・ジンク氏は言う。

「首にあるこの切り傷によりラムセス3世は殺されたという事実にほぼ疑いはない。傷は非常に深く極めて大きく、骨(脊椎)にまで達している。致命傷だったことは間違いない」

「王家の谷」近くの王墓から発見されたペンタウラとみられている遺体をDNA鑑定したところ、ラムセス3世との親子関係が確認できている。

ラムセス3世は、エジプトを幾度もの侵略から守ったとされている。死亡したのは65歳前後とされているが、死因は不明なままだ。

前述したパピルスは「トリノの法のパピルス」と呼ばれており、暗殺に関する記述は僅かな手がかり程度の内容らしい。ただ、裁判の記録から、暗殺未遂を行ったのが妻の一人であるティイと息子のペンタウラ(ペンタウアーとも)ではないかと考えられているのだ。

結局このときの暗殺は未遂に終わったとされており、王位はラムセス3世自身が選んだ息子のラムセス4世に引き継がれている。

では喉は死後に切られたのだろうか。研究チームによると、その可能性は低いという。根拠は、古代エジプトのミイラ作成技術に、そのような方法が記録されていないからだという。少々弱い根拠ではある。

いや、それだけではない。この度の調査で分かったのだが、ラムセス3世は、喉意外にも複数の動脈を切断されているのだという。かなり残忍な殺され方をしている。

さらにもう一つの根拠は、前述したように、切り傷の中にあったお守りだ。これは「ホルスの目」と呼ばれるお守りらしい。

このお守りは傷の軟部組織の奥深くにあった。そしてそこに至るまでに傷には均質物質が存在するため、防腐処理が行われた時点では既にこの傷が存在していたことを示す証拠になるという。

そうすると、暗殺未遂と即死の痕跡に矛盾が生じてしまう。いったい誰が殺したのか。

ちなみに暗殺を企てたとされているペンタウラ王子と言われているミイラは、山羊の皮で体を巻かれていた。

これは死後も罰を与えられていたことを示すという。というのも、当時王族を埋葬する際に山羊の皮を使用することは不浄であるとして忌まれていたからだ。その山羊の皮で巻かれていると言うことは、死してなお、罰せられたとみて良い。

結局、謎はより深まったのでは無いだろうか。



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