2012年09月13日

イスラム教開祖のムハンマドを冒涜する映画「Innocence of Muslims」は映像テロか

13日、エジプトの首都カイロの米国大使館周辺で数百人規模のデモ隊と機動隊が衝突した。デモ隊は投石や火炎瓶を投げ、対する機動隊は警告のために発砲し、催涙弾を使用した。

この衝突により、警官6名が負傷(軽いらしいが)、デモ隊側も人数は分からないが負傷者が出たようだ。エジプト保険省の発表では、デモ隊側の負傷者は10人以上はいるという。

結局デモ隊は米大使館には近づけずに終わった。

この手の騒ぎはこれで3日つづいている。11日(つまり9.11の11年目から始まった)にも米大使館の壁を複数の男達がのぼり、米国旗を破き、4人が逮捕された。

そして翌日の12日には一気に人数が増えて500人のデモ隊が米大使館付近に投石したり、鉄条網の突破を試みている。

このときも警察はデモ隊を押し戻した。しかし、警察車両1台が放火されている。

以上のデモは、いずれも「Innocence of Muslims」(無邪気なイスラム教徒達)という映画に対する抗議が発端となっていた。

同じ11日(この日に何か意図を感じる)には、リビアでも米領事館が襲撃されていた。これも同映画が発端と言われているが、こちらの被害は深刻で、米大使ら4人の米国人が死亡している。

実はこの映画、YouTubeで予告編が公開されている。
(当ブログでは、リンクを張らないが、どうしても見たいという人は、YouTubeで「Innocence of Muslims」と検索してください。恐らく最も長いバージョンは13分51秒の「Muhammad Movie FUL Movie Part 1 L HD Innocence of Muslims」だと思われます。)

予告編ではムハンマドを暴力的かつ詐欺的で女にだらしないと表現していた。これがイスラム教徒の反発を招いた。当たり前である。そもそもイスラム教では偶像崇拝を禁じているため、ムハンマドを映像化すること自体が冒涜的とされているのだ。

実際の映像を見ると分かるが、台詞は当てレコになっている。実際、出演者と撮影スタッフは証言している。

「映画の意図や目的について大きく異なる説明を受けていた。大幅に脚本を書き換えられたことや、関係者全員が嘘をつかれていたことに衝撃を受けるとともに、悲劇が起きたことを深く悲しんでいる」

つまり、演じている方も撮影している方も、まさかこんな映画に編集されるとは知らなかった、ということらしい。確かに知っていたら、関わらなかったかもしれない。

実際、この映画の出演者は雑誌などで募集されたのだが、そのときの題名は「Desert Worrior(砂漠の戦士)」となっていた。そして応募者達には「アラブの砂漠を舞台にした歴史冒険映画」などと説明されていた。

しかも出演した女優の一人によると、脚本にもムハンマドが登場するシーンはなかったという。この女優はプロデューサーのサム・バシル氏(本名かどうか怪しい)に次の様に言われていた。

「イスラム教徒に殺人をやめさせたくてこの脚本を書いた」

そして撮影中も、完成品ではムハンマドになっている人物は「ジョージ」という役名になっていたという。完全に嵌められている。

女優だけではない。撮影スタッフの一人も証言している。

「台本にイスラム教やムハンマドへの言及はなかった」

このプロデューサーのサム・バシル氏とは何者か。ウォールストリート・ジャーナル紙によると、サム・バシル氏は米カリフォルニア州在住のイスラエル系アメリカ人だという。しかしイスラエル外務省は、この人物を確認できていないとしている。

しかし前述の通り、この映画を知ったイスラム教徒達は反発している。

12日にはエジプトのモルシ大統領が、同映画を強く非難している。国家間の関係まで破壊しようと企んだ映画の制作者に対して、法的に可能なあらゆる措置を講じるべきだとしている。

「この過激な映画の制作者を強く非難し、アメリカ政府に対し明確な立場を示すよう要求した。イスラム教徒とコプト派を含むすべてのエジプト国民は、このような宗教預言者を侮辱する行為を受け入れることはできないと強調した」

同時に、エジプト国民に対しては、暴力を行わないように訴えた。

「エジプトはすべてのエジプト駐在外国大使館と領事館の外交官の安全を保護する義務があり、法的範囲内の発言権と平和的なデモを行う権利を尊重する。しかしいかなる違法行為には断固として反対する」

そしてさすがに事態を重視した米グーグルは12日、エジプトとリビアでのYouTubeで、同映画へのアクセスを遮断した。

しかし前述したとおり、その他の地域での遮断は行われていないため、YouTubeで映画のタイトルを検索すれば、閲覧できる。YouTube側の見解では、同映画は同社の方針に違反していないためだという。

しかし抗議行動はリビアとエジプトだけにとどまらなかった。12日にはチュニジア、モロッコ、スーダンの米大使館などにも数百人規模のデモ隊が押し寄せた。いずれも米国を非難している。

チュニジアでは警官に負傷者が出、モロッコのカサブランカでは、「オバマに死を!」の声が叫ばれた。

スーダンの米大使館前に集まった数百人の若者達は比較的に冷静で、大使館側に対して動画サイトから問題の動画を削除することを求める文書を渡している。

気になるのは、この映画「Innocence of Muslims」について、牧師のテリー・ジョーンズ氏が宣伝活動を行ったらしいということだ。テリー・ジョーンズ氏は以前にも、2010年にコーランを焼却すると発表して問題になった人物である。

YouTubeのロングバージョンをご覧いただくと分かるが、舞台はエジプト。イスラム教徒が診療所を襲撃するシーンから始まる。その診療所の医師は、キリスト教徒だ。そして物語はムハンマドの時代にジャンプする。

まぁ、映像も芝居も、C級にも届かないチープな作品だ。出演者や撮影スタッフまで騙してこの映画を作成した制作者は、このできの悪い映画で何をしたかったのか。そして何故9.11に関連づけようとしたのか。国際関係を悪化させるためのある種の映像テロだったのか。

まだ真相はつかめていない。



posted by しげぞう | Comment(0) | TrackBack(1) | ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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