2012年06月23日

シリア軍がトルコ軍戦闘機を撃墜。しかしNATOを敢えて刺激するだろうか。

22日、シリア国境付近の地中海上空で、トルコ軍のF4戦闘機が消息を絶った。

その後、シリア軍は、シリア領海上空に侵入した戦闘機を撃墜したことを発表した。

二つの情報は一致した。

トルコ政府は、詳細が分かり次第、シリアに対して断固たる措置を執るとの声明を出した。しかし、まだどちらに非があるか不明だ。

周辺諸国の緊張を高めているのは、トルコがNATO(北大西洋条約機構)加盟国であり、シリアの反体制派武力弾圧を行っているアサド政権をかねてから強く非難していたということだ。この点ではトルコは欧米と同じ立場にある。

この撃墜事件の真相によっては、シリア情勢に影響を与えるかもしれない。

ただ、シリア側は、国防上の当然の行為を行ったという自覚があるためか、すぐにこの撃墜を認めていた。

国営シリア・アラブ通信もすぐにこの事件を伝えている。同通信によると、撃墜は22日午前11時40分(日本時間23日午前5時40分)ころのことだという。シリア領海上空を、低空飛行で侵入した戦闘機を発見した。それをシリア軍は対空砲で撃墜した。

同通信によれば、その戦闘機はシリア北西部ラタキア県の約10キロ沖に着水したらしい。その場所はシリア領海内だ。

そして、撃墜してから、その戦闘機がトルコ軍のものであると判明したと伝えている。

現在、シリア海軍がトルコ側に協力して救難捜索に当たっているが、まだパイロット2名と戦闘機は見つかっていない。

22日夜、トルコのエルドアン首相はユルマズ国防相ら閣僚を、緊急安全保障会議に招集した。しかし、詳細が分かっていない以上、まだ行動指針は出せないだろう。

撃墜された戦闘機は偵察飛行中だったとの報道もある。シリア海軍がすぐに捜索の協力を行っていることからも、シリア側としては、トルコ側を刺激するために撃墜したとは考えにくい。シリア軍が発表しているように、領空侵犯した可能性も残っている。

ただトルコのメディアは大騒ぎだ。シリアに対して謝罪と賠償を求める声が大きい。まだ撃墜の真相は明らかになっていないのにだ。

とはいえ、トルコ側にはかねてからシリアに対する反感が高まっていた。それは、シリアの反体制派への武力弾圧によって、3万人以上のシリア難民がトルコに流れ込んできている為だ。

しかも、今年の春、そのトルコ側の難民キャンプに向けて、シリアが発砲したという出来事があった。越境した武力行為があったわけだ。

場合によっては、NATOがこの戦闘機撃墜事件を利用する可能性もある。それが予想できるだけに、シリア側から、敢えてNATOに利用されかねないような危険は冒さないようにも思える。やはりトルコ戦闘機の領空侵犯の可能性は残る。

と、この記事を書いている途中で、新たなニュースが飛び込んできた。

どうやら戦闘機の乗員2名の生存は確認されたという。現在トルコ海軍が救助にむかっているらしい。彼らから事情が聞ければ、真相解明は早いかもしれない。



posted by しげぞう | Comment(2) | TrackBack(0) | ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
期待西洋条約機構→北大西洋条約機構では?
Posted by tks at 2012年06月30日 21:55
tksさん、コメントありがとうございます。

ご指定ありがとうございました。打ち間違いです。

修正しました。
Posted by 管理人 at 2012年06月30日 22:20
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