2011年12月18日

ノルウェーでバター不足。あるダイエット法が原因だが、果たして効果は

テレビや書籍で、いったいこれまでどれほどのダイエット方法のブームが起きただろうか。

多くの人が良く記憶しているのは、バナナダイエットだろう。テレビ番組で紹介された翌日に、見事に店頭からバナナが消えた。

人々は、それまで三流果物として見向きもしなかったバナナの獲得に奔走した。

──と、このようなことは日本だけで起きるわけではない。どこの国も似たようなことが起きる。

今回話題になったのは、ノルウェーの店頭からバターが消えたことだ。これも原因の一つにダイエットブームがあった。

ダイエットにバターが必要、と一見矛盾している様だが、それについては後述したい。ただし、日本でも同じ事態が起きると問題なので、注意点も記すようにしたい。

ノルウェーでバター不足になった原因は、「ある」ダイエットブームだけではなく、クリスマスが近いということもあると言われている。何しろクリスマスには、バターを大量に消費する傾向がある。ただ、これは毎年のことなので、今更バター不足にまで陥るはずもなく、やはり「ある」ダイエットブームが問題なのだとは思われる。

業界の関係者によると、「ある」ダイエットブーム、とクリスマスの他にも、今年の夏の天候不順も原因だという。飼料の品質が低下し、牛乳の生産高が大きく落ち込んでしまった。

そのため、乳製品の生産量が落ち込んだということらしい。

政府も対応を始めている。乳製品の輸入関税を慌てて引き下げた。また、小売店も、バターの販売制限を始めている。

この状況を受けて、インターネットでは、オークションサイトでバター500グラムが通常の30倍の価格で出品されたりしている。

また、バターの密輸も起きている。12日には、ノルウェーに90キロのバターを密輸しようとしたロシア人が拘束された。麻薬ではない、バターの密輸だ。

食品安全当局は、見知らぬ相手からバターを買わないように、と国民に呼びかけ始めた。

お隣の酪農大国デンマークでは、空港やフェリーターミナルでノルウェーからの旅行者相手に、免税店でのバターの販売も始めた。

どこもかしこも、バター不足で儲けたい。

ただ、ノルウェーの首都オスロでは、デンマークの人々が無料でバターを通行人に配るという様子も見られた。その量は2000キロ。

では、バターはどれくらい足りないのか。

ノルウェー乳製品大手のTINEによると、おそらく500〜1000トンのバターが足りないという。しかもこの状態は来年の1月まで続くと見ているようだ。

クリスマスはどうすれば良いのか、とノルウェーの人々は困惑している。ノルウェーでは、クリスマスに7種類以上のビスケットやクッキーを焼く習慣がある。

しかし、それにはバターが必須だ。

前述のTINEの広報部門の人物は語る。

「2010年に比べて需要は30%ほど伸びている」

さて、状況は書いたので、ここでようやく「ある」ダイエットについて紹介したい。

そのダイエットは、「アトキンスダイエット」と呼ばれている。

アトキンスダイエットは、提唱者のロバート・アトキンス博士に由来する。

所謂、低炭水化物ダイエットの一種だ。別名ケトン式ダイエットとか、ローカーボンダイエットとも呼ばれている。

通常は200〜300グラムとされている炭水化物の摂取量を、10分の1程度にまで減らすことで、体が糖分の代わりに脂肪をエネルギーに変換し始めることを誘導するダイエット方法だ。

実はこのアトキンスダイエットがブームになったのは今回が初めてではない。2003年に米国でブームとなったのが最初だ。

ただ、このダイエットは健康上の問題があるとされ、翌年の年になると、炭水化物不足の副作用として頭痛や下痢などの症状が見られるようになった。

そのようなことから、安全性に疑問が持たれ、米国では翌年になると、ブームは去った。

それがどうしたことかノルウェーではやりだした。

ではアトキンスダイエットにバターがどう関係有るのか。

それには少々アトキンスダイエットの理屈を見ていかなければならない。

通常の場合、我々は食事をするとき、たいてい炭水化物を摂取する。すると、血糖値が上がり、インスリンが放出されて、血糖をグリコーゲンに返還して筋肉などに蓄えようとする。

それを、運動する際にはエネルギーとして消費するわけだ。ただ、このとき運動量が不足するか、炭水化物の摂取量が多いかすると、余ったグリコーゲンが中性脂肪に返還されて蓄積されてしまう。これが肥満につながる。

さて、この後やや複雑なメカニズムが働いて、食欲の増加につながるのだが、ここではその説明を「えいやっ」と省く。

炭水化物の摂取を極力減らしたらどうなるか。ここが肝だ。インスリンが作られずに血糖というエネルギー源がなくなってしまう。

するといよいよ蓄えられていた脂肪が分解されてケトン体となり、それがエネルギーとして消費される。

この状態が脂肪を減らす効果なのだ。

この状態を作り出すために、炭水化物の摂取量を1日20グラム以下に抑える。果物、ご飯、パン、勿論麺類も駄目だ。日本ではやったバナナも駄目。

ちなみに、カフェイン類も駄目とされる。

しかし多量のエネルギーは活動に必要なため、代わりに肉、魚、卵、チーズ、バターなどの摂取が推薦される。

ここでバターが出てくる。

ただし、栄養の偏りはサプリメントで補うことも推奨されている。

しかし、前述したとおり、このアトキンスダイエットは既に米国では危険だとされている。

副作用があるのだ。タンパク質の多すぎる食事は、腎臓疾患や糖尿病性腎不全の原因になり得るという。

また、アトキンスダイエットの怖いところは、始めるとわりとすぐに体重が激減する。

しかし喜んではいけない。これは、グリコーゲンの枯渇によるものであり、決して脂肪が減ったための減少ではないからだという。

この辺りを、中途半端な知識で始めてしまうと誤解してしまう危険がある。

他にもいろいろな副作用が報告されているようだ。

というわけで、ノルウェーでバターを摂取してダイエットしている人たちを、見習うべきではなさそうだ。





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