2011年09月25日

ロシアではプーチン独裁政権の準備が整った。北方領土を取り返すチャンスだが、日本は見逃すかも

ウラジーミル・ウラジーミロヴィチ・プーチン(以下、プーチンとだけ表記)は、ことあるごとに、強い男であることを演出し、その強い男が率いるロシアこそ、強いロシアであることをアピールしてきた。例えば、ノーヘルでハーレーダビッドソンに跨がり、ロシアの国製暴走族を率いたり、柔道で鍛錬している姿などを映像で流している(おもしろいので記事の最後に動画を割り付けました)。

そして24日、ロシア与党である統一ロシアの党大会で、プーチン首相は2012年3月のロシア大統領選へ出馬することを表明した。

表明は、その前に演説したメドベージェフ大統領の推薦を受け入れた形というやや芝居がかったものだった。

同時に、メドベージェフ大統領は首相に就任する意向を示している。

つまり、二人の役職を入れ替えて、「双頭体制」と呼ばれる状態を維持するということだ。

これらの意向が発表されると、党大会会場の出席者は、総立ちとなり拍手を送った。まぁ、全て脚本通りなのだろう。

その拍手にプーチン首相は答えた。

「(大統領選への出馬に対し)肯定的なな反応を示してくれて感謝する」

何のことはない、本来であれば、プーチン首相は独裁制を敷いていたかったのだが、ロシアの憲法が大統領の連続3選を禁じているため、一時的に首相の座に控えていただけに過ぎない。プーチン首相は2000年から2期8年の間大統領の座にあった。

そして、その間にもプーチン首相の独裁制を実現するための法整備はしっかりと進められており、昨年の12月には憲法改正が行われ、大統領は最長で2期12年の政権維持が可能になっている。そして、プーチン首相は大統領に返り咲くことになった。

プーチン首相は早速自らの方針を語った。経済成長率は6〜7%まで引き上げ、ロシアを世界5位居ないの経済大国にすることを目指すという。また、再軍備も行い、5〜10年以内に完了させることを示した。

そして演説の中で、プーチン首相はこの大統領への復帰を実はずいぶんと前に決めていたのだということも語った。つまり、その中での憲法改正による独裁制準備が行われていたと語ってしまったも同然ではないか。

「(ロシアの)将来について、誰が何をすべきかをかなり前、数年前に2人の間で決めた」

そして改正された憲法であれば、最長で2024年まで、プーチン首相は大統領として君臨することができるのだ。これだけの長期政権が約束されれば、まさにグランドビジョンを描くことが容易になる。

ただ、一部の専門家の間では、プーチン首相が大統領に返り咲くことを、「ロシアの政治エリート層の停滞が進みつつある兆し」と指摘している。また、年金改革や天然資源への依存度軽減などの改革が遅れる可能性もあると心配されている。

以上の様に、円満にプーチン首相が大統領に返り咲く話が進行していたかの様に思えるが、実はメドベージェフ大統領との間では、権力闘争が行われていたという話もある。

特にメドベージェフ大統領とプーチン首相とでは、対日、対中国戦略に対する考え方が異なっており、メドベージェフ大統領としては続投し、自分の政策を進めたかったのだが、プーチン首相に政争で敗北したのだとも言われている。

特に特徴的なのは、プーチン首相は中国をアジア最大の脅威であると捉えていることだ。そのために日本との関係を重視していたのだが、メドベージェフ大統領になると、北方領土の問題を強行に進めるなどして日本との関係を悪化させてしまった。

これがプーチン首相には気に入らなかったというのだ。

確かにプーチン首相が大統領だった当時の北方領土問題の扱いはずいぶんと違っていた。

プーチン大統領だった時は、北方領土問題の解決により日露平和条約の締結に意欲を持っていた。

そのため、日ソ共同宣言を根拠に二島返還の立場をとっていた。そして2001年には当時の森喜朗首相と共に、「イルクーツク声明」を出している。これは、北方領土の返還交渉の開始を宣言したものだった。

ただし、プーチン大統領(当時)の主張は、あくまで二島返還だったため、この交渉が難航し、そのことについては日ソ共同宣言を履行しない日本に非があると日本側を非難している。

それでもプーチン首相は、日本市場を重視している。投資誘致や天然資源の輸出先としてだ。

そしてメドベージェフ大統領が、北方領土の地に自ら上陸することで、ロシアのナショナリズムを刺激し、自分の人気を高めようとしたのに対し、プーチン首相は、「56年宣言」をロシアにとって義務的なものであるとしている。

「56年宣言」とは、平和条約の締結後には、歯舞、色丹の両島を日本に引き渡すと定めているものだ。

このプーチン首相の基本方針が変わっていなければ、北方領土問題を進展させる機会にはなる。但し、プーチン首相はあくまで二島返還にこだわっており、これを崩せるかどうか、あるいはとりあえず二島返還を実現しておき、残りはその後考えようとするかは、日本の国家戦略にかかっている(現政権では期待もなんもできないが)。

そしてメドベージェフ大統領との意見の相違は、北朝鮮外交にも現れている。

メドベージェフ大統領は北朝鮮の国際社会での地位向上を目指した外交戦略を持っていた。

一方、プーチン首相は北朝鮮に日本人の拉致問題があることを強く意識していたという。

そしてメドベージェフ大統領が天然ガスを北朝鮮や韓国と言った朝鮮半島へ輸出することを考えていたことに対しても、プーチン首相はその分対日輸出が減少してしまうことに注目していたという。

ただ、プーチン首相がどれほど長期的なグランドビジョンを持っているにせよ、肝心の日本側がグランドビジョンを持てない体たらくだ。

民主党政権では地に足が付かず、右往左往、行き当たりばったりといった亡国の徒の集まりになっている。

怖いのは、この日本の国家としての中枢が、どうしようもない体たらくであることを知ったプーチン首相が、「今なら日本はどうにでもできる」と隙を突く戦略に変更したときだ。もしかすると、既に変更しているかもしれない。

特に野田政権は外交に弱いとされている。

これを、やり手のプーチンが、見過ごすわけもない。

やはり日本は、ロシアのみならず、近隣諸国の餌食になるのではないか。

日本の国難は、何十にも重なってくる。

以下は、CNNで紹介された映像で、プーチン首相がロシア南部で開かれたオートバイのイベントに、ノーヘルでハーレーダビッドソンに跨がるなど、強い男をアピールしているニュース映像です。







posted by しげぞう | Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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