民主党代表選を巡り、前原誠司前外相が活発に動いている。全くどの面下げて──もとい──ご自分の立場をわきまえずにどのような了見でいるのか。
前原誠司前外相は、本来であれば、公民権停止となってもおかしくない人物である。
私が不快なのは、そのことをマスコミが叩かないことと、それ以上に世論調査で国民が前原誠司前外相を支持しているということである。
日本国民は、あまりの国難続きに、ついに狂ったのだろうか。それとも数々の世論調査は、マスコミの情報操作なのだろうか。
以前にも前原誠司前外相を支持することの歪さを投稿した。
『前原誠司前外相がポスト菅として高い人気。日本人の良識を疑う。』(2011/8/13)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/220101358.html
とりあえずは無策無能の野田佳彦財務相が代表選で勝利する可能性は、前原誠司前外相の出馬によってほとんどなくなったので、放っておいても良くなった。
しかし、より問題のある前原誠司前外相については、たった一人だが、しつこく批判を続けたい。
まず、前原誠司前外相の動きを追ってみる。
24日、前原誠司前外相は国会内で小沢一郎元代表と会談した。勿論、支援を要請するためだ。党内で最大グループである小沢一郎元代表の協力を得られれば、代表選はちょろいからだ。
そこで、自分がかつて貶めたはずの小沢一郎元代表に協力を要請するなど、なるほど政治家という人種はとことん面の皮が厚い。しかも聞いたこちらが赤面して舞う台詞を吐いた。
「挙党一致でこの国難に立ち向かっていきたいので、ご指導よろしくお願いします」
それに対し、小沢一郎元代表は協力の意思を明確にせず、「理念は守っていかなければならない」と前原誠司前外相に通じたかどうか分からない皮肉を伝えた。
会談は15分足らずで終わった。
実は小沢一郎元代表は前日の23日夜に、前原誠司前外相を推していると思われる仙石由人内閣官房副長官から前原誠司前外相と同じことを言われていた。
「挙党一致でやりたい」
これに対し、小沢一郎元代表はずばり答えている。
「挙党態勢は言うまでもないが、あなたたちが壊してきた。一方的に排除してきたのではないか」
このことを前原誠司前外相が仙石由人内閣官房副長官から聞いていなかったとは思えないので、やはり面の皮が厚いと言うべきか。
さて、小沢一郎元代表との会談後、前原誠司前外相は同日の内に鳩山由紀夫前首相、輿石東参院議員会長、渡部恒三最高顧問、岡田克也幹事長らに片っ端から支援要請を行っている。
ここでも前原誠司前外相は鳩山由紀夫前首相に対し、こちらが鳥肌が立つほど恥ずかしい言葉で訴えている。
「外務大臣を辞めたばかりだったので、自分としても迷ったが、このままでは日本が大変なことになるという思いで決断したので、できれば支援をお願いしたい。挙党一致でやりたいと思う。」
悲壮感漂うヒーローのつもりで居るらしい。日本を大変にするのはおまえだろう。
鳩山由紀夫前首相は言う。
「原発事故は事態が深刻だ。しっかりやれるかどうかにこの国の将来はかかっている。小沢元代表の経験や知識をもっとうまく活用すべきだ」
これもこれまでの前原誠司前外相の行ってきたことに対する嫌みに聞こえなくもない。
その後、国民新党の亀井静香代表とも会談し、「仮に私が代表になれば引き続き連立をお願いしたい」と支援の要請をしているが、亀井静香代表が前原誠司前外相に何を語ったのかは、ちょっと調べられなかった。
このように活発に活動している前原誠司前外相だが、どんな政治家なのか、軽く振り返ってみたい。
2005年9月、総選挙の敗北責任で引責辞任した岡田克也代表に代わり、民主党代表に就任している。このとき読売新聞は前原誠司前外相を「永田町の郷ひろみ」と呼び、朝日新聞は「日本のブレア」とはやし立てた。全くマスゴミだ。
その後小泉政権を倒す絶好の機会(耐震構造偽造、輸入牛肉危険部位混入、堀江貴文逮捕、防衛施設庁汚職など)を得たものの、偽メール問題で辞任した。2006年3月と1年も持たない代表だった。
しかしその後、2009年9月に政権交代が成し遂げられると、もののはずみで国土交通大臣に就任したが、すぐさま八ッ場ダムの建設中止だ、いや中止の中止だ、と、右往左往してしまったことで政権与党のイメージダウンに貢献している。
このとき前原誠司前外相は沖縄及び北方対策担当相も兼任していたが、普天間基地の県外もしくは国外移設の鳩山由紀夫前首相の方針にもかかわらず、何の役にも立たなかったばかりか、辺野古移設に夢中になっていた。
その後、詐欺首相で有名な菅直人首相の下で、これまた何の弾みか戦後最年少の外務大臣に就任した。
そして中国漁船が尖閣諸島で海上保安庁の巡視船に衝突すると、「日本の国内法に基づき粛々と対応する。それに尽きる」などと言いながら、「那覇地検が独断しちゃったんだもん」と人のせいにして船長を早々に釈放し帰国させて英雄にしてしまった。
日本外交のかっこ悪さマックスに達した。しかもこの頃(2010年10月)、TPPについて、
「対GDP比で僅か1.5%に過ぎない第一次産業の保護のため他の分野が犠牲になるのはおかしい」
とお門違いの発言をして、その非国民度、売国奴度をアピールしている。米国の回し者と言われても仕方有るまい。
2011年3月、そして在日韓国人から政治献金を受け取っていたことがばれてしまった。
本来であれば、政治資金規正法により公民権停止となる。当然議員も辞職せねばならない。しかし前原誠司前外相は、外相を辞任することでお茶を濁した。
そして、何故かマスコミもそれを糾弾せず、国民もそれで潔しと勘違いして忘れることにしてしまった。
何故検挙されないのか、という謎解きまでは行わないが、そのような人物が堂々と首相を目指していることの歪さを思うべきである。
『前原誠司外務大臣は「違法」なのに続投、小沢一郎元代表は「疑惑(推定無罪)」なのに党員資格停止、の不思議』
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/189190087.html
さて、このような男が首相になったらどうなるか。最も心配されているのは既に触れたがTPPへの参加表明をしてしまう危険性だ。
前原誠司前外相はTPP推進論者である。TPPは首相が参加表明をすれば実際に参加せねばならない。
そうなったら、失業を輸出しようと企んでいる(いや、どうどうと表明している)オバマ大統領はその場で飛び上がるほどに喜ぶだろう。
経団連もTPP賛成だ。彼らは日本国民を犠牲にしてでも企業利益、大資本家利益を追求しようとしているからだ。
TPPについては、機会があれば改めて考えてみたい。
ところで代表選は、予定では8月26日に告示され、28日には投票される。首相を決めようというのに、政策論争もままならないまま、決まってしまう。
なんと慌ただしいことか。これが民主党だ。この国難の時に、山積みになっている問題への対策を誰も講じないまま首相を決めようというのだ。岡田克也幹事長のセンスが分からない。
まだ誰が有力候補なのか、最大グループを擁する小沢一郎元代表が誰を支持するのか、分からない現状では予想ができない。
しかし、野田佳彦財務相と前原誠司前外相だけはNGだ。
民主党が与党として生き残れるかどうかがかかっている。いや、日本の盛衰がかかっているからだ。
そんな前原誠司が、今度は財務相かもしれないという声も出ています。さっさと公民権停止にしたらよろし。
いったい、この国はどうなっているのでしょうかね。