2011年08月19日

泊原発の営業運転再開。活断層と検査記録改竄と黒い知事

以前、玄海原発が、地元を潤す金故に、再稼働するであろうことを投稿した。

『それでも玄海原発は再稼働する──岸本英雄町長と岸本組』(2011/7/9)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/213986082.html

今でも玄海原子力発電所が再稼働するに違いない、との予想は変わっていない。

しかし、順序としては泊原発3号機に先を越された結果となった。

17日午後、経済産業省原子力安全・保安院は、定期検査の調整運転を行っていた泊原発3号機について、北海道電力株式会社に対して検査修了証を交付した。

これは、高橋はるみ知事が泊原発3号機の営業運転再開を容認したことを受けたものだ。

これで、福島第1原発事故後に初となる営業運転の再開となった。

ただ、この泊原発3号機は事実上発電を継続していたため、一旦停止した原発の再稼働の先鞭となったわけではない。

「黒い知事」である高橋はるみ知事は、会見で営業運転再開について「異議はない」と容認を表明している。そしてとってつけたように、「国には、安全対策に万全を期し、丁寧に対応するよう強く求める」と付け加えている。

「安全対策に万全を」期するのであれば、原発を停止するのが筋だ。経済産業省の管理下にあった福島第1原発の事故の責任問題や技術的な問題点については、まだ正式には結論が出されていない。要するに、原発事故を防止する対策が講じられていない状態であるにもかかわらず、泊原発3号機の営業運転再開を容認したことになった。

泊原発3号機は1月5日に定期検査を開始し、3月7日に調整運転を開始していた。そして最終検査を今月の10日で終えていたため、海江田万里経済産業相は「地元の同意」を得た上で修了証を交付する準備をしていた。

しかし「地元の同意」とは何か。高橋はるみ知事はそもそも経済産業省出身の原子力発電推進論者だ。そのため、このたびの営業運転再開容認のために行われた道議会特別委員会も、あらかじめ結論を決めていた猿芝居だと見られている。

そのため、道議会からは高橋はるみ知事の結論を急いだ姿勢を「拙速過ぎる」と批判が出ている。

自民会派の遠藤連会長は露骨な批判は避けながらも不満を示した。

「我々は(運転再開に)反対や賛成を示したつもりはない。知事の判断と受け止めるしかない──中略──短い時間で会派の明確な方向性を出せなかった。泊原発1、2号機の再稼働を議論する際は、慎重に十分な時間を取るべきだ」

また、民主会派の田村龍治幹事長も高橋はるみ知事の態度を批判している。

「(知事は)道議会の意向を踏まえると言っていたが、(意向を)聞く前から結論は決まっていたのではないか──中略──4町村にとどまることなく、後志管内すべての市町村や札幌市を含む広範囲の道民合意が必要だ」

公明党道議団の森成之団長は高橋はるみ知事の拙速さを非難している。

「国が停止要請した浜岡原発と泊原発の違いなど、道が国に説明を求めた事項の回答がまだない。地元の声を丁寧に聞き、丁寧に判断するべきだった」

さらに泊原発の半径10〜30キロ圏内の後志地方の自治体などは、泊原発3号機の営業運転再開に関する意見表明の場も与えられておらず、福島第1原発の事故が影響を与えた範囲を考慮すると、高橋はるみ知事の判断は説明不十分であるとして不満の声を上げている。当然だろう。三浦敏幸・仁木町長は憤る。

「道の危機管理監は後志管内関係町村に一度も来ておらず、何の協議もされていない──中略──後志全体の意見を聞かずに容認したことは遺憾」

同様に宮谷内留雄・蘭越町長も高橋はるみ知事の不備を非難した。

「事故が起きて避難をするようなことがあれば、周辺自治体が協力するのだから、普段からコミュニティー全体で仲良くして連携しなくてはいけない」

高橋はるみ知事は国の安全評価を鵜呑みにする態度をとって見せたが、そもそも政府の安全対策は全くの不十分であることが福島第1原発で証明されており、多くの地域住民は納得できないであろう。

そのため、道議会内にはこのたびの容認を「国に追従した出来レース」と指摘する声もある。

しかもこのたびの安全評価には、先頃発見された活断層の問題を全く考慮していないという恐ろしい現実がある。

2009年10月、東洋大の渡辺満久教授は泊原発がある積丹半島西方沖約10キロの日本海に、「未知の活断層」があることを発表した。

同時に「長さ60〜70キロで、マグニチュード(M)7.5級の地震が起こりうる」と警告している。

ところが北海道電力株式会社はこの発表を否定した。しかも5月末には原子力安全・保安院に対し、「耐震設計上、考慮する必要はない」と何度も報告している。

この北海道電力株式会社の態度を、渡辺満久教授は批判した。

「北電は高低差や離水ベンチが見つかるのはなぜか、事の本質を理解できていない」

そしてこの活断層については全く無視された状態でこのたびの営業運転再開となっている。

それだけではない。原発検査員が実名で泊原発の検査記録改竄が行われた事実を告発していた。このことは2011年6月18日号の週刊現代でスクープされた。ここに暴露されたのは、40年のベテラン技術者の検査報告を天下り検査機関が改竄させたという驚くべき実態だった。

独立行政法人「原子力安全基盤機構」の検査員として全国の原発を検査してきた藤原節男氏62歳は告発する。

「私は原子力発電所の安全性を高めなければならないと思うからこそ、厳しく検査し、検査でおかしなことがあれば、それを記録に残しておくべきだと考えてきました。しかし、私が所属していた原子力安全基盤機構の上司は、不都合な検査記録は改ざんしろと命じたのです。それを拒否した結果、私は組織から追い出されることになってしまいました」(週刊現代:6月18日号)

同氏の兄である藤原守氏は、大阪大学核物理研究センターの准教授であり、福島第一原発事故後の周辺地域の汚染マップ作成を研究者らに呼びかけた人物である。

つまり、兄弟揃って原発関係の専門家だ。

しかし藤原節男氏は、上司からの記録改竄命令を拒否したことで勤務先から追放されてしまった。これが原発ムラの掟だ。

ちなみに同氏が所属していた原子力安全基盤機構とは、経済産業省の原子力安全・保安院の下請け的な立場にある独立行政法人だ。原発や原子力施設の検査・設計の安全性の解析を請け負う。

しかし原子力安全基盤機構のもう一つの重要な存在理由は、経済産業省の官僚達の天下り先であることだ。従って、経済産業省の意向に不都合なことは行わない。

そして2009年3月、藤原節男氏は上司から泊原発の検査記録の改竄を命じられた。少し長いが、驚くべき告発なので、藤原節男氏の告発内容をそのまま引用する。

「当時、北海道電力の泊原発3号機は、建設が終わり、使用前検査の段階に入っていました。私は電気工作物検査員として、同原発で3月4日と5日の2日間にわたって『減速材温度係数測定』という検査を行ったのです。これは原子炉内で何らかの原因で冷却材の温度が上がっても、原子炉出力を抑えることができるかどうかを判定する基本的な検査で、どの原発でも、この検査なしでは運転することは許されません。
ところが、4日の検査では本来なら『負』にならないといけないこの係数が『正』になってしまった。このまま運転すれば、臨界事故につながりかねない危険な状態です。そこで、翌日の検査では、部分的に制御棒を挿入し、ホウ酸の濃度を薄めるなどの対策を取って検査をし直しました。その結果、係数が『負』になったので、条件付きで合格としたのです。
私は当然、4日の『不合格の検査記録』と5日の『条件付き合格の検査記録』の両方を、上司のグループ長に見せた。ところが、グループ長は3月4日の検査記録を削除するように指示しました。これは記録改ざんに他なりません。
納得できなかった私は、グループ長に検査実施要領にもあるとおり、不合格の検査記録も必要だと訴えました。それでもグループ長は『私は出来の悪い検査記録の不備を指摘しているだけだ。このままでは承認印は押さない』と、あくまで改ざんを要求する。挙げ句の果てには、私がその要求に従わない場合、『(査定について)評価を絶対に下げてやる』と恫喝したのです。
私と一緒に泊原発の検査にあたった同僚の検査員に、グループ長は『このままの検査結果を保安院に報告すると、1日目は不合格、2日目は合格になる。検査不合格の後に合格にしたことになると今後の議論を呼ぶ』などと話したそうです。保安院に気を遣って、不都合な証拠を、もみ消したかったということでしょう」(週刊現代:6月18日号)

そして藤原節男氏は6月に配置転換を命じられ、勤務査定は5段階評価の下から2番目である「D」とされた。7月の賞与も8%だがカットされている。これらの評価の理由は、「部長の業務命令に背いた」ということだった。

藤原節男氏は配置転換後、仕事もなく「干され」た。明らかに検査記録改竄を拒んだことへの報復人事だった。

そして昨年3月末で定年を迎えたが、原子力安全基盤機構では定年後に再雇用されることが慣例と成っていた。実際、このときに定年と成った30人の内、28人は再雇用された。再雇用されなかった2人の内1人は本人が希望しなかったためだが、もう一人である藤原節男氏は再雇用拒否にあったのだ。

そのため現在藤原節男氏は、原子力安全基盤機構に対して再雇用拒否を取り消すよう訴訟中である。この訴訟の代理人を務めている海渡雄一弁護士は言う。

「藤原さんの訴えは、一検査員の雇用問題ではなく、原子力発電所の安全性に対する問題提起だと考えています。原子力安全・保安院につながる原子力安全基盤機構という組織で、データ改ざん命令のようなものがまかりとおっていたら大問題。それに、藤原さんは原発の現場で長年検査業務に携わってきた人物です。そんな人が『より安全に』と願って内部告発したのに、その声は届かなかった。このことが持つ根本的な意味を、裁判を通じて多くの人に知ってもらいたいと思います」(週刊現代:6月18日号)

最後に藤原氏は語った。

「日本の原発は、検査方法から徹底的に見直さないと、いつまでも事故は
なくならない」(週刊現代:6月18日号)

以上の様な問題をはらみながら、高橋はるみ知事は泊原発3号機の営業運転再開を容認した。しかも拙速と非難されるほどの強引さだった。

高橋はるみ知事には利権があるのではないか。そこで付け足しになるが、少しだけ彼女の裏の顔が垣間見える実績を紹介しておきたい。

まず、前述したが、高橋はるみ知事は大学卒業後に通商産業省(現在の経済産業省)に入省している。1985年には大西洋国際問題研究所(在パリ)研究員、中小企業庁課長、通商産業省課長となり、2001年には経済産業省北海道経済産業局長になっている。2002年には経済産業研修所長になり、翌年の2003年に体感している。そして同年の4月、北海道知事選挙に立候補し当選し、第15代北海道知事に就任した。

要するに経済産業省出身である。このことは高橋はるみ知事の原発に対する姿勢に大きく影響しているはずだ。

その後2004年の11月に、胃がんの手術のために入院するも、2007年4月に再選している。さらに2011年4月の北海道知事選で3選している。

その間、2009年には泊原発3号機でのプルサーマル発電を認可している。

また、高橋はるみ知事の選挙支援団体の名は「高橋はるみ建友後援会」であり、「札幌建設政治連盟」という札幌市内の建設業者団体により支援されている。そのため、北海道新幹線の建設にも非常に熱心であり、自ら「北海道新幹線建設促進期成会」の会長を務めている。

高橋はるみ知事は建設業界と利権を共にしている可能性が高い。それを裏付けるかのように、全国市民オンブズマン連絡会議の調査によると、2005年度の道が発注した公共事業の平均落札率は94.7%とすこぶる高い。これは、ほぼ入札予定価格で業者が落札していることを示しており、事前に何らかの情報共有が行われている可能性を感じさせる。

同調査では談合疑惑度も調査しているが、これについては全国で北海道がワースト1位と成っており、落札率95%とトップを示している。これは高橋はるみ知事の下では談合が広く行われていることを示唆しおり、談合で失われた道の予算は推定約300億円とされている。その何割かが高橋はるみ知事の懐に入ったのではないか?

このことから、高橋はるみ知事という人物は、利権に弱いと想像できる。このたびの泊原発3号機の営業運転再開についても、何らかの利権を得ているのではないだろうか。

他にも金に汚いことを示す例として、2008年度から4年間、北海道職員の給料を一律9%カットする方針を表明(但し保護にされた)しておきながら、自分だけはしっかりと1回目の任期満了後に多額の退職金(3576万9600円とされる)を得て非難されている。

鈴木宗男氏は高橋はるみ知事を以下の様に非難している。

「任期が終わると退職金を持って北海道から去る人」

そして私は、これに以下の様に付け加えたい。高橋はるみ知事は、

「原発の利権だけ持って、(危なくなった)北海道から去る人」





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