2011年07月23日

陸山会事件での検察は「推論」で戦っている?

どうもマスコミの見出しは印象操作をしているように思えて成らない。

「陸山会事件論告求刑公判 小沢一郎元代表元秘書3人に禁錮3年6月など求刑」

といった見出しが躍っている。

嘘ではない。検察は元公設第1秘書の大久保隆規被告に禁錮3年6月を、衆院議員の石川知裕被告には禁錮2年を、元私設秘書の池田光智被告には禁錮1年を求刑した。

しかし、一般の読者は、記事の内容を精査せずに見出しだけ見ることも多いだろう。「禁錮3年?ああ、やっぱり黒だったんだなぁ。」との印象を受ける可能性が高いのではないか。

しかしこのたびの論告求刑公判で明るみに出たのは、求刑の内容ではなく、検察側の主張が全て「と、思われる」といった推論だったことだ。それがマスコミの見出しでは(おそらく意図的に)採用されていない。

しかし、そのような見出し操作を行っているマスコミでも、さすがに記事本文の脚色はしにくかったらしく、記事本文をよく読めば、そこに書かれているのは検察側の曖昧さだった。

それにしてもこの論告求刑はなんだか妙な具合になってしまっている。

検察はこの陸山会事件について主張している。

「小沢事務所の収入実態を世間から覆い隠した事件」

だと。

検察側の主張を簡単に書くと、、2005年1月に登記した不動産の代金を2004年10月に支払っているにもかかわらず、収支報告書には2005年の取得として届けられていた。そして不動産取得のための銀行融資が行われるまでに、小沢一郎元代表が資金を立て替えていたにもかかわらず、収支報告書に記載されていなかったことを示し、虚偽記載だとして刑事責任を問うているものだ。

しかし、代金の支払い時期と、実際の不動産取得(所有権移転の登記)が行われた時期がずれることなど普通のことであり、実際に取得した2005年1月を取得として記載したことを犯罪とするのは結構無理があるなぁ、という感想を持ってしまう。

また、その間に小沢一郎元代表が資金を立て替えたことが記載されていなかったことも、政治資金収支報告書では通常の処理方法と言われているため、特にこれも違法性は無いと思われる。

しかし検察は、この記載されなかった4億円の中に、水谷建設からの裏金1億円が隠蔽されているのだという唐突かつ強引な主張を行った。

で、さすがに強引すぎ、検察自身、立証できずにいるという間抜けな状況が続いている。

そのため、これまた強引な証拠作りが行われた。

例えば石川知裕被告が昨年5月に再聴取された際、実は密かにその様子石川知裕被告が録音していたものが弁護側から提出された。要するに自白が誘導された証拠だ。

また、検察が用意した証人として水谷建設の関係者が6人も出廷しているが、一応彼らは検察側の証言をしたにもかかわらず、その内容に食い違いが生じてしまった。

そして小沢一郎元代表の元秘書である石川知裕被告らを取り調べた検事が4人出廷し、「調べに問題はなかった」と主張したが、東京地裁は6月30日に、彼らの取り調べには威迫や利益誘導があったとし、「任意性は認められない」との判断を下して検察側の調書の相当数を却下した。

検察に衝撃が走ったという。所謂直接証拠がほとんど失われてしまったためだ。

ある検察幹部はこぼした。

「特捜部の手法が否定されたこの裁判の影響は大きい」(毎日新聞:2011年7月20日 東京夕刊)

結局検察側の論告求刑は推論に終始してしまうという様相を呈した。2時間がかりで2人の検察官が朗読した論告書面の言葉尻は、

「〜と推認させる」
「〜としか考えられない」
「〜と考えるのが自然」
「百も承知していたはず」

といった曖昧な表現ばかりだったという(日刊ゲンダイ:2011年7月21日)

例えば、

「(大久保元秘書が石川議員の)虚偽記入を認識しつつ、了解を与えたと推認できる」(日本経済新聞:7月21日)

「(大久保元秘書は)関連政治団体の資金移動を把握していたと推認できる」(日本経済新聞:7月21日)

何とも弱々しい主張だ。

しかし検察側は石川知裕被告、池田光智被告の有罪は堅いと主張している。

「自白がない事件では普通のこと。直接証拠が無くてもそうとしか考えられないことがある」(日本経済新聞:7月21日)

思い込みの域を出ていないことを検察自ら告白してしまっている。

8月22日には最終弁論が行われ、9月26日に判決が言い渡される。

一方、10月から始まる小沢一郎元代表自身の公判について、小沢一郎元代表の弁護士は余裕を見せ始めて語る。

「論告でも小沢元代表の名前はほとんど出なかった」(日本経済新聞:7月21日)

このような状況では、確かに小沢一郎元代表側は無罪を期待しているかもしれない。

しかし油断して良いのか。日本の裁判所には、いろいろな裁判官がいるのだ。何がなんでも小沢一郎元代表を社会的に抹殺したい勢力がいれば、裁判官をたらし込むことも可能だろう。必ずしも公正な判決が下されるとは限らない。

経済評論家の植草一秀氏はブログで書いている。

「日本の裁判官の独立性が保障されていないことだ。裁判官は法律と良心に基づいて判決を下せば、最高裁事務総局により左遷、降格の憂き目が待っていることを踏まえて判決文を書いている。日本の裁判所は実質的に内閣総理大臣の指揮下に置かれており、政治権力からの圧力による不当裁判が横行しているのである。」(http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2011/03/post-5b6f.html

さて、小沢一郎元代表は社会的に抹殺されるか。





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