2011年07月12日

焼肉酒屋えびすの債務超過と補償金

11日、集団食中毒で4人の死亡者を出し、160人に上る患者を出した焼き肉チェーン店の「焼肉酒屋えびす」を運営する「フーズ・フォーラス」が、金沢市内で債権者説明会を開いた。

フーズ・フォーラスは既に今月(7月)8日には営業継続を断念しており、任意整理による精算手続きに入っている。

この債権者説明会では、フーズ・フォーラスの元社長である勘坂康弘氏や弁護士等が取引先に債権放棄を求めた。食中毒患者や遺族への補償金の支払いを優先させるためという説明だった。

元社長の勘坂康弘氏はまず謝罪した。

「このような状況になったことを深くおわびします」

そして、債権放棄の協力を求めた。

「被害者への支払いを優先させることにご賛同をお願いします」

既に資産売却の一部として、北陸3県と神奈川県にある20店舗については、レストランなどを全国展開している企業に内定したことを弁護士が説明した。来月頭から順次新しい焼き肉店などとして開店されるという。

しかし、このことで得られる売却額は2億円強の見込みだ。それに会社の預金を加えても、資産が4〜5億円なのだという。

しかも銀行借り入れが約7億7千万円あり、取引先への未払い金額も約9千万円ある。その他の債務を加えると総額で約11億円もあり、資産を引いても債務超過がかなりの額になっている。

以上の債務状況も説明された。

一方、食中毒患者や遺族から請求される見込みの補償金は5億円を超えるという。

つまり、補償金の支払いをするためには、銀行をはじめとする債権者に債権放棄をお願いするしかない、という結論が説明された。

債権放棄に協力が得られなければ、裁判所の監督下で特別精算が行われるであろうという。

以上の説明後、取引先の一部には、

「個人的には賠償を優先するのは理解できる」

あるいは、

「被害者のことを考えるとしょうがない」

と債権放棄に理解を示す声がある一方、

「相当な債務超過に陥っており、本当に賠償できるのか。債権放棄をしたとしても、しっかりと効果がでるのか疑問だ」

という疑問や、

「そう簡単に債権放棄ができるわけではない。会社に戻って相談したい」

と債権を放棄できないという声もあった。中にはより切羽詰まった声として、ある食品の卸業者は、

「未払い金を回収できなければ倒産する会社も出てくる。債権放棄には応じられない」

と述べた。

債権放棄の同意が得られなければとても補償金が賄えない。それだけではない。前述では4〜5億円の資産が残る計算をしたが、実は現在、3行の銀行が資産凍結を行っている。これが解除されねば、計算上の資産も補償金に回せなくなってしまう。

この内のある銀行担当者は、凍結の解除に否定的な見解を述べた。

「凍結した口座預金と債権を相殺し、残りの債権を放棄する形で妥協したい」

要は人質だ。

以上の状況を踏まえ、代理人弁護士等は言う。

「被害者らに100%満足してもらうのは難しい」

被害者は悲惨だ。社会的責任を優先した債権放棄が行われなければ、十分な補償金が得られないかもしれない。

しかもまだ元従業員たちへの給与の支払いも済ませていない。これについては、労働基準監督署から是正勧告をうけている。

まずは給与の支払いが行われる予定だ。





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