2011年06月25日

高濃度放射性汚染浄水化システムはまるでフランケンシュタインだ

福島第1原発の保線水処理が難航している。

以前、この汚水処理システムで設けようとしている企業の一つである仏アレバ社について、その儲けのからくりを紹介した。

『福島第1原発事故に手をさしのべる仏アレバ社の遠謀』(6/19)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/210649382.html

それはさておき、23日、東京電力は福島第1原発に設置した高濃度汚水処理システムの処理能力の再評価を実施すると発表した。再評価には処理後の汚染水に含まれる放射性物質の濃度の調査も含まれる。ちゃんと浄水できているのかどうか。

なにしろ22日に試験運転した際は、米キュリオン社製の装置の能力が想定を大幅に下回っていた。この装置が果たして放射性セシウムを、本当に1000分の1に薄めることができているのかどうか確認せねばならない。

ここでの評価により、本格的な再稼働を行う予定だという。

最も東京電力の説明では、セシウムの濃度が下がっていないことについては、装置の一部の弁の開閉表示が間違っていたということだった。そのため、汚染水は装置を素通りした。

どういうことかというと、米キュリオン社製のこの装置は、ゼオライトを使って汚染水を濾過する。そのゼオライトは円筒形の吸着塔に入っており、これが4本で一つの箱に入っており、この箱をスキッドと呼ぶ。このスキッドが合計6個セットされているのだが、それぞれが交換時のために汚染水を迂回させる配管を用意してある。

今回の誤操作は、4本ずつ入った吸着塔の1本を迂回させるつもりが、逆に3本を迂回させてしまったというのだ。

そのため、汚染水は濾過装置を迂回して、素通りとなった。

これは弁の表示ミスなのか、表示をちゃんと読まなかった人的誤操作なのか、発表されていない。

ただ、このミスが原因であれば、本来の性能を回復させるのに手間は掛からないはずだ。

ただ、このトラブル続きの汚染水浄化システムはそもそも装置の国籍もちゃんぽんで、処理すべき汚染水の量も世界初の試みとなることから、一部の専門家筋では、うまくいかないと予想されているという。

しかし、これがうまく行かないと、循環注水システムが失敗に終わってしまう。

そもそもこの汚染水浄化システムは出だしから不具合が多い。

仏アレバ社の装置を稼働させたところ5時間後にはダウンしてしまった。また、米キュリオン社の装置は、誤操作なのか誤表示なのかわからないが、こちらも浄水機能が著しく低かった。

しかし、炉心冷却のための水は常に必要であり、水棺方式が不可能な今、循環注水システムに頼らざるを得ない。

そのためにも汚染水の垂れ流しを解決する必要が急がれている。

ただ、専門家と言われる人々の間では、このたびの10万トンを超える世界でも例のない高濃度汚染水を浄化するシステムは難題が次から次へと出現する可能性も有るという。

その根拠の一つが、前述したシステムの多国籍ちゃんぽん状態だ。それが浄化システムをえらく面倒なシステムにしてしまっている。

東芝製の装置が油分を除去し、米キュリオン社製の装置がセシウムを除去(する予定)し、仏アレバ社製の装置が放射性物質を撹拌・沈殿させ、日立製装置が炭水化し、そしてようやく仮説タンクに行き着く。つぎはぎの多いシステムである。

フランケンシュタインを思い出してしまった。

この間、タンクが440基、配管4キロメートル。メンテするだけでも相当な労力が必要だろう。

確かに新しい試みなのだから、最初からうまく行くはずもない。ある程度の試行錯誤は必要だろう。

この複雑な浄水システムは、細野首相補佐官によると、東京電力のアイディアだという。

それにしても危ういシステムだ。

無理なのではないか?

──と思っていたら、朗報らしきものもあった。

24日に東京電力が発表したところによると、この高濃度放射性汚染浄水化システムが、目標の処理能力を達成したという。

目標とは、放射性物質の濃度を10万分の1以下にすることだった。

次の目標として、汚染水から塩分を取り除かねば成らない。こちらの試運転も同日に開始したという。

結局この目標クリアでは、米キュリオン社製の装置はあまり役立たなかったようだ。仏アレバ社の装置が予定を上回る浄水能力を発揮したためにトータルとして目標を達成したらしい。

この目標達成を機に、月内の循環注水システムの稼働を目指す。

この高濃度放射性汚染浄水化システムで莫大な費用を費やしているが、今度はこれらの汚染水から除去した放射性物質をどう処理するのかという問題が残る。

ここで、再び外国企業が売り込みを行う。これについては、冒頭でも紹介させていただいた以下の記事に投稿した。

『福島第1原発事故に手をさしのべる仏アレバ社の遠謀』(6/19)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/210649382.html



posted by しげぞう | Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/211760653

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。