もはや笑うしかない。
以前の投稿で、内閣不信任決議案は否決されるであろうことを予測しておいた。
『内閣不信任決議案が出されても、菅政権が延命する可能性』(5/29)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/205514347.html
しかし、このときの予測は、本質的には外れた。
というのも、否決されるのは菅直人首相が解散総選挙を人質にしたために、この時期の混乱を避けるために否決に回る議員が多いだろうと読んだからだった。
しかし、実際には、菅直人が辞任するという嘘の意思表明を演じたことが否決につながった。
それにしても鳩山由紀夫前首相のお育ちの良さはもはや犯罪的だ。育ちの悪い菅直人首相にあっさりと騙され裏切られた。
このことに対して民主党内では、鳩山由紀夫前首相を信じたばかりに内閣不信任決議案が否決されたことに対する怨嗟の声が聞かれるという。
不信任案に賛同する腹を決めていた民主党議員は言う。
「正午からの代議士会が始まる時点で、不信任案への賛同者は90人を超えていた。やはり“オーナー”の鳩山さんが賛成を表明したことが大きかった。それで勢いづき、代議士会の内容によっては100人超えもあるかという局面だったのです。イケイケで講堂に乗り込んだのに、当の鳩山さんが『一致して行動』と否決を求めたものだから、目が点になりました。何が起こっているのか、しばらく理解できなかった」(日刊ゲンダイ:6/3)
要するに、代議士会が鳩山由紀夫前首相の演説を聴いて、菅直人首相が辞任の意思を示したことで、解散総選挙の混乱を避けることで政権を手放さなくても良い事態にに至ったのだと信じた。それで一気に「一致団結して不信任案を否決しよう」という流れに変わった。
鳩山由紀夫前首相は語った。
「菅との直談判で、2次補正の早期編成の目処が立ったら身を引くことで合意できた」
しかし鳩山由紀夫前首相は何処までも騙される側の男だ。この合意書を前にした菅直人首相は、へらへらと笑いながら、
「同じ党内の身内なんだから。私を信用してください」
などと言って、辞任の時期も署名も記すことを避けたという。この時点で、菅直人首相の嘘が分からなかったというのは、どれほど鳩山由紀夫前首相は育ちがよいのか。
この話を聞いた小沢の側近議員は吐くように言う。
「ガキの使いじゃあるまいし、どうしてそこで引き下がったのか。これじゃあ、言質を取ったことにならない。小沢だったら、退陣の時期まで詰める。署名もさせる。菅ほど信用ならない男はいないんだ。鳩山に少しでも期待したのが間違いだった」(日刊ゲンダイ:6/3)
それに対して鳩山グループの中堅議員は鳩山を弁護する。
「あの人は優しいから。性格の良さに付け込まれた」
それで済む話ではあるまい。鳩山由紀夫前首相は菅直人首相の裏切りを知ってから、
「ペテン師まがいのことを時の首相がしてはいけない」
などと怒ったが後の祭りと成った。
そもそも、政治家が権力闘争のために平気で嘘をつくのはこれが初めてでは無く、日常茶飯事ではないかと、呆れているのは国際政治経済情報誌「インサイドライン」編集長の歳川隆雄氏だ。
同氏は例を挙げる。
1959年1月、ところは帝国ホテル。見届け人は右翼の巨頭・児玉誉士夫、萩原吉太郎北海道炭礦汽船社長、永田雅一大映社長の3人。
そこで当時の岸信介首相は政敵の大野伴睦副総裁に対し、「次の政権は大野に」と一筆したためて署名した。そしてそれを反故にした。
また、1976年12月、ところは品川パシフィックホテル。見届け人は保利茂(佐藤栄作政権最後の幹事長)と園田直外相の2に人。
そこで当時の福田赳夫首相がライバルの大平正芳幹事長に対して「2年で交代」と密約して反故にした。
ことほど左様に権力の座にある政治家の嘘は多いが、菅直人首相の嘘と無責任さは群を抜いている。しかも相当に質が悪いのだということを後述したい。
内閣不信任決議案が否決されると、菅直人首相は記者会見で辞任の時期を判断する「一定の目処」について語った。
「(福島第1原発の)来年1月の冷温停止が原発事故の一定の目処だ」
なんと来年まで首相の座に居座ると意思を表明した。
そして菅直人首相のこの詐欺は、さらなる辞任延長の含みを持たせているという意味で非常に質が悪く、鳩山由紀夫前首相などより数枚上手だったと言える。
すなわち、福島第1原発の事故の収束が遅れれば遅れるほど、首相の座にしがみついていられるという事態を生み出してしまった。
つまり、菅直人首相は、福島第1原発の事故の収束をだらだらとやればやるほど辞任の時期を引き延ばせるという最低の事態になったのだ。
おそらく誰もが既に予感しているはずだ。福島第1原発の事故の収束は、東京電力が発表している工程表の様には進まないだろうと。御用学者たちの嘘も分かってきた。
つまり、菅直人首相は、いつまでも首相の座に居座る意思表明をしたわけだ。
「盗人猛々しい」とはこのことか。
無責任な菅直人首相のことだ。だらだらと仕事をして首相辞任の「目処」を引き延ばすに違いない。
ちなみに今国会ではもはや内閣不信任決議案は使えない。ではどうするのか。
まずできることは、両院議員総会を開き、菅直人首相に代表辞任と総理辞任を迫るという方法があるらしい。つまり民主党の自浄作用が残っているかどうかという話になる。
それが駄目なら、参院で首相問責決議を可決する方法が残る。西岡武夫参院議長は、かねてより菅直人首相に辞任を迫っている。どうなるか。
さて、鳩山由紀夫前首相は怒りの矛先が見つからない。
一方、小沢一郎元代表はどうするのか。ともかくも、両院議員総会の開催に動き出したらしい。署名だけでも既に150人が集まっているという。
もしかすると、新党結成という手段にでる可能性もあるという。小沢グループ70人に、鳩山グループ30人の合わせて約100人が離党するのではないかというのだ。
まだ噂の域を出ない。
米ウォールストリート・ジャーナルは、内閣不信任決議案が否決された後に指摘した。
「小沢一郎元代表は、日本が求める強い指導者の一人である可能性がある。」
果たしてそうなのか。
鳩山も総理大臣を辞任したら議員を辞めると言っていて辞めなかったのですが…
民主党には碌な奴が居ません。
心配なのは、鳩山だけでなく、もしかすると日本国民のかなりの人々が、騙されやすいのではないかということです。
例えば、菅が辞任したとしても、その後の候補として読売新聞(なので当てにはなりませんが)の世論調査では第一位が前原ですよ!
どうなっているんでしょうかね、菅とこの国民は。