2011年05月29日

内閣不信任決議案が出されても、菅政権が延命する可能性

29日、NHKの討論番組で、与野党の国会対策責任者から内閣不信任決議案について各党の見解が示されている。

まず自民党の逢沢一郎国対委員長は、

「そう遠くない時に、国民の声を受けて提出する。」

と、内閣不信任決議案の提出を表明している。

対する民主党の安住淳国対委員長は、当然のことながら、

「粛々と、憲政の常道に従って、否決する自信がある」

と否決できる自信を示した。

それに対し逢沢一郎国対委員長は、

「菅直人首相に日本を託せない。与党内からも、菅さんでは国の未来を開けないとの声が上がっている」

と、つまりは民主党からも内閣不信任決議案に賛同する議員がいることをほのめかした。そしてこれまでの菅内閣の不手際を指摘した。

「菅内閣が出来上がって1年になるが、消費税の発言がぶれて参議院選挙で敗北し、中国漁船の衝突事件でも那覇地検に責任を押しつけた。東日本大震災が起こり、原発事故や被災地対応で、菅総理大臣に『この日本を託せない』という国民の声は多い。不信任決議案の提出を党として決めており、谷垣総裁が最終的に決める。そう遠くない時期に提出する」

しかし安住淳国対委員長は、

「わが党には(同調者は)いないと信じている」

とこれを否定している。

自民党は現在、6月2日に内閣不信任決議案を提出することを公明党と調整している。

その公明党の漆原良夫国対委員長は自民党の提出を急がせる。

「この1年間の菅政権を見て、あるいは震災復興や原発事故への対応を見て、野党として『菅政権には日本の将来は任せられない』という意志を明示する責任がある。自民党は早い時期に内閣不信任決議案を提出したほうがよいし、われわれは賛同する」

また、みんなの党の水野幹事長代理も賛同の意思を表明した。

「会期末のセレモニーではなく、覚悟をもって臨むべきだ。菅総理大臣に任せられないということで、われわれは退陣を求めており、単独では出せる議席数がないので、自民党が出すなら賛成する」

共産党の穀田国会対策委員長も賛同する。

「菅政権の震災対応は、被災者の現実に対して心を寄せている実情がない。原発事故の収束の見通しが立たず、原発の撤退も明確に決断しない。不信任決議案が出されれば、賛成するのが当然だ」

社民党はやや慎重論として、照屋国会対策委員長が語った。

「震災や原発事故への政府の対応は不信任や問責に値する。一方で、不信任決議案の提出はセレモニーであってはならず、菅内閣を代えることが国民のためになると確信が持てるまで、慎重に見極めて最終的な対応を決める」

たちあがれ日本は賛成だ。園田幹事長は言う。

「不信任決議案には賛成する。菅政権は、このままであれば震災対応で大きな過ちを犯す可能性があるので、菅総理大臣も、民主党全体も、一度今までのことに線を引いて出直したらどうか」

四面楚歌である。

これに対して安住淳国対委員長は強気で言質を取りにはいった。

「否決されれば信任ということだ。重要法案成立にご協力いただく」

まぁ、そんな約束に賛同するような野党ではない。

しかし本当に内閣不信任決議案が提出されれば菅直人首相を引きずり下ろせるのか。

28日に京都市で講演した自民党の谷垣禎一総裁は、民主党からも出ている菅批判を認めながらも、内閣不信任決議案を野党が提出せねばならないと語っている。

「民主党の中にも菅さんじゃダメだという声があるが、菅首相が頑張ると言ってしまうと、なかなかそれは動かない。そうした状況を打開するため、先鞭を切るのはまず野党でなければならない」

内閣不信任決議案が衆院で可決した場合、菅直人首相の選択肢は2つになる。衆院解散・総選挙、あるいは内閣総辞職だ。

しかし衆院では民主党が圧倒的な数を占めている。否決されれば逆に菅政権が信認されたことを意味してしまう。

問題は民主党から77人を超える同調者がでるかどうかだ。

そうなると、当然造反グループとしては小沢一郎元代表を指示するグループと鳩山由紀夫前首相を指示するグループからどの程度の数を内閣不信任決議案に賛同させることができるかということにかかってくる。

つまり、菅直人首相ら現執行部に乗っ取られる前の民主党に戻れるかどうかと言うことだ。

しかし、政治家は密談する。つまり谷垣禎一自民党総裁が強きの発言をしている裏には、既に民主党内の造反グループの数あわせが成った、と見ることもできるのか。

25日には、小沢一郎元代表が民主党の川内博史衆院議員に語ったという。

「(内閣不信任決議案に関して)今決断し、行動しなければならない」

もう一方の鳩山由紀夫前首相も、小沢系参院議員の集会で語っている。

「大事なのは覚悟だ。これから皆さんの気持ちを整理することが必要な時が来る」

しかしその人数は70人とも90人とも言われているが、噂の域を出ていない。

そのため、民主党内の造反グループの数は足りないだろう、という見方もある。

つまり、各議院は、地元に帰ると有権者たちから次の様に言われるというのだ。

「菅さんは確かに駄目だけど、(民主党内で)内輪揉めしている暇があったら、他にやることがあるでしょう?」

有権者には大局は見えない。しかし、議員は地元の声をないがしろにできない。

政治家は寸前までどのように動くか分からない。今起きているのは3つの思惑だといわれている。

一つは絶対に首相の座を降りないと権力亡者の執着を見せる菅直人首相。もう一つは民主党を元に戻そうと菅降ろしを目論む小沢・鳩山グループ。そしてもう一つは震災の復興で動く巨大な利権にあやかりたい自民党。

果たして悪運の強い菅直人首相を、引きずり下ろせるのか。



posted by しげまる | Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。