2011年05月01日

減俸されてもまだ羨ましい高給取りの東京電力社員や役員

東京電力が福島第1原発の事故に対して、民間企業としてとるべき責任を逃れ、国民の負担で温存されようとしていることを以前のブログで取り上げた。

(それらの記事のURLは最後に掲載しておきましたので、是非お立ち寄りください。)

それでも東京電力としては、少しでも特権階級に属することの風当たりを弱くするために、厳しいリストラを断行しているというパフォーマンスを示さねばならない。

そこで、報酬カットを行うことを広く宣言している。しかし、その実態を見ると、三流サラリーマンの私から見れば、まだまだ垂涎ものの高級なのだ。

はっきりいってお育ちの悪い私などは、妬みの感情すら持ってしまう。

よそ様の会社の給料など、気にするのは無粋で下品な心情であることは承知だが、あえて投稿することにした。

東京電力は全役員の年間報酬を50%削減することを発表している。

「50%!半分か!」

と驚いてはいけない。確かに私など50%どころか10%削減されただけで、明日からの生活の糧を得ることが難しくなってしまう。つまり既に余力のない生活状況にある。

しかし、東京電力の役員にとっての50%削減とは、実は大したことがないのだ。というのも、2009年度の東京電力有価証券報告書では、東京電力の役員報酬は総額で7億円になるが、それを19人で分けている。つまり平均すれば一人あたり約3700万円の年俸だ。これが50%カットされたところで年収は1850万円前後になる。一国一城の主である中小企業の社長さんでも及ばないのではないか。

約2000万近い金額が支払われ続けるのだ。十分贅沢な暮らしができるではないか。私など、人生の大幅見直しが可能な金額だ。現在抱えている諸問題のほとんどを解決できる大金だ。いや、我ながらいじましいことを吐露してしまった。

また、東京電力では役員以外でも部長などの管理職も3割、一般社員で2割程度の年収ダウンを行う予定でいるという。

これも一般のサラリーマン感覚に当てはめて受け取ってはいけない。

2009年度の東京電力有価証券報告書には、従業員の平均年間給与は40.6歳で約760万円だ。しかもこの統計には高級取りの監督もしくは管理職は含まれていない。要するに平社員だけの平均なのだ。これが例えば宣言通りに2割削減になっても608万円と十分な年俸である。

この平均値に監督もしくは管理職を含めていないことについては、「給与水準の高さを印象づけないため、あえて管理職を除いたのでは」というのが以前から市場関係者の間では言われていることらしい。よほど平均額が上がってしまうらしいのだ。

ここで比較することはふさわしくないのかもしれないが、原発事故で避難しなければ成らなくなった人々に支払われた額が、1世帯最大で100万円ぽっちであることを思い出すと、避難した人々に変わって憤りを感じてしまう。

役員報酬が50%など、割合で見ると大きいようだが、得ている絶対額を見ると、そして避難させられている人々のことを思うと、その報酬カットは甘すぎると言えないか。これまで毎年のように驚くほどの高額収入を得てきた人たちなのだ。その生活力には余力がたっぷりあると見て構わないだろう。

だから、今年度は無償にするくらいでも足りないのではないか?本当にパフォーマンスだと言って構わないだろう。

このことについて、経済評論家の山崎元氏などは、

「人災である原発事故を引き起こした東電役員が、この期に及んで報酬を得られることが不思議」

と語っているが、同感だ。

しかも避難した人々の中には、おそらく既に金では償えない被曝者もいるのではないか?政府も東京電力も、賠償金額を低く抑えるために認めないようにしているようだが、将来、癌の発生率が高くなっている可能性もあるのだ。

それほどの事故を起こしておきながら、東京電力の役員や社員はまだ高額収入を約束されていることは、非常にやるせない。

しかも、これまで見てきただけでも十分批判できるだけの待遇を維持している東京電力の役員や社員だが、実はここには変動費の賞与などは含まれていないらしい。

つまり、賞与のさじ加減でいくらでも削減分を取り戻せるというのだ。

また、高額な退職金や年金は、相変わらず温存される可能性が高い。

要するに、実は誠心誠意事故への反省や避難者たちへの謝意など無いと言われても仕方がないであろう。

しかも以前のブログで投稿したとおり、事故の処理費は電気利用者から値上げという形で吸い上げる方針なのだ。

この電気代の値上げについても前述の経済評論家である山崎元氏は言う。

「原発と無関係の社員の年収カットは、気の毒な話ではあるが、総務省統計局の2009年のデータによれば、東電を含む電気・ガス業界の平均給与は月46万5000円。東電の言うとおり、きっちり毎月2割カットされたとしても37万2000円で、全業種平均の35万5000円を余裕で上回る。こうした高給を支えているのは、言うまでもなくわれわれの電気代だ。」

そしてその電気代の高さについて、経済ジャーナリストの荻原博子氏は言う。

「われわれが国際価格の4〜5倍高い料金を黙って支払ってきたのは、何があっても途絶えることがない電力の安定供給に対する対価と信じてきたから」

さて、ここまでやっかみ半分で東京電力の役員や社員の年俸の高さと、カットするといいながら、カットされた後でさえなお高い収入について書いてきた。

そしてこのことは、さすがに政治家の間でも感じていたらしい。

28日、海江田万里経済産業相は閣議後の記者会見で、前述の東京電力の報酬カットの方針について述べた。ずばり、

「まだまだ、カットの仕方が足りない。高額報酬を手にしている人たちのさらなるカットは、やってしかるべきだと思う」

そう、彼らから見ても、報酬カットの仕方が甘いのだ。そして海江田万里経済産業相はさらなる報酬カットを求めた。

しかし、高額報酬に麻痺してしまったのか、このたびの事故や非難者たちへの申し訳なさなど本当は全く感じていないのか、海江田万里経済産業相のコメントに対して東京電力の清水正孝社長は図々しいコメントを発している。

「(50%カットは)大変厳しい(水準)と考えている」

恥知らずなのか世間知らずなのか、強欲なのか、欲ぼけなのか、厚顔無恥なのか鉄面皮なのか、この期に及んでまだ高額報酬を受け取る権利があると主張している。

呆れてものが言えない。いや、それでも言うが。

ということでまだまだ書いておく。もはや自分が他人の給与の高さを糾弾している卑しい人間であることは承知の上だ。

先ほど東京電力の平社員でも40.6歳で約760万円だと書いた。これは大卒や高卒といった学歴が混在している場合だという。東京電力の社員の話では、

「大卒ならば30代で800万円〜1000万円は堅い」(週刊実話の取材から)

なのだという。私はのけぞった。さすがに高い電気料金をふっかけて「世界屈指の電力会社」と呼ばれ、年間売上高5兆円を誇る企業だ。

別の東京電力関係者は語る。

「大卒なら40代で1200万円。50代管理職で1500万円に達し、退職時にはこのクラスで、5000万円+αの退職金が貰える。企業年金も潤沢で、退職後には30〜40万円の金が入るため、退職金に手を付けずに悠々自適に暮らすことができるのです」(週刊実話の取材から)

憤りを通り過ぎて、ため息が出る。しかも高級取りなのは、彼らだけではないという。東京電力関係者は続ける。

「実は東電には、電気の検診を行う関連部門があり、各家庭に検診に訪れる主婦の年収も400万円前後なのです。要は、東電はお役所体質の給与体系をしているというわけです」(週刊実話の取材から)

お仕事大変ですねぇ、などと労(ねぎら)っていたのがばからしくなってきた。

まだまだある。社宅や保養所、独身寮の厚遇ぶりは舌を巻いて息苦しくなるほどだ。しかしさすがに嫌になってきたので、これらについては書くことを省きたい。

さすがに惨めになってくる。

さて、ここで惨めさをもう一度憤りに戻しておきたい。

30日に朝日新聞が報じた。

なんと東京電力が福島第1原発の事故の影響と言うことで、協力会社への支払いの保留を通知していたのだ。信じられない。

下請け業者の一人は語る。

「入金が無いと従業員へ支払う給料が出せず、(事故現場の)危険な作業も続けられない」

そう、支払いが保留された協力企業の社員達の一部が、現在も危険な現場で作業をしているのだ。東京電力は彼らへの報酬が支払えなくなる事態を招いているのだ。

それでも東京電力自体は役員報酬も支払い続けているし、社員へのボーナスもしっかり出すのだという。

優先順位が狂っていないか?

今、原発の事故拡大を押さえ込むために、明らかに健康を害しながら、下手をすれば命にかかわる現場で作業をしている協力企業への支払いは保留にするのだという。

吉外(あぁ、ATOKでは変換できない)だ。

いじましいとは分かりながら、書かずには居られなかった今回の投稿になった。

以下、東京電力に関する過去の投稿です。もしよろしかったらお立ち寄りください。

『東京電力は疲弊した国民の負担でで保護されるのか──1/4』(4/29)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/198331965.html

『東京電力は疲弊した国民の負担でで保護されるのか──2/4』(4/30)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/198517682.html

『東京電力は疲弊した国民の負担でで保護されるのか──3/4』(4/30)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/198572911.html

『東京電力は疲弊した国民の負担でで保護されるのか──4/4』(4/30)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/198586254.html



posted by しげまる | Comment(3) | TrackBack(2) | ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
福島原発地域では 東電関係者にも 名前をかえた ボーナス(仮払い)が 行われているみたいです。夜間の福利厚生も 盛んです これで 良いのですか 経費使い放題の実態に 誰かが ストップを
Posted by at 2011年07月07日 21:16
Posted by いわき市民 at 2011年07月07日 21:17
いわき市民さん、コメントありがとうございます。

いや、乱文乱筆にもかかわらずお読みいただき恐縮です。

そうですか、やはり一旦、国有化すべきだと思いますよ。世間を、消費者を被災者を舐めてます。

『東電の資産売却が始まった。パフォーマンスで終わらせるな』
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/210024151.html

でも書きましたが、彼らの資産も膨大です。これらを売却すれば、国民負担をかなり軽減できるのです。

しかし、東京電力はこれまで伊達に政治家に金をばらまいてきた訳ではありませんし、官僚の天下り先を用意してきたわけでもないのだ、ということが良く分かりますね。

いわき市の方々におかれましては、憤懣やるかたないと思われます。
Posted by 管理人 at 2011年07月07日 22:30
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海江田氏、役員報酬半減では不足 東電社長、厳しい
Excerpt: 東京電力が発表した常務以上の役員報酬半減について、海江田万里
Weblog: ネット社会、その光と影を追うー
Tracked: 2011-05-01 23:21

管直人の人物鑑定を行ないました
Excerpt: 私は、管首相は、政治家としては無能の部類に入ると思ってきた。 今回の震災対応などから、今回、公開されている情報から、私なりのやり方で管直人の人物鑑定を行ったのでその結果を以下に紹介する。
Weblog: 美しい国への旅立ち
Tracked: 2011-05-08 07:39