「三人寄れば文殊の知恵」、なることわざがあるが、これには密かな前提条件がある。実はその3人は知恵者なければならないのだ。そうでなければ文殊菩薩ほどの知恵は出せまい。
であるから、どんなときでも使えることわざというわけではない。
大きな声では言えないが、馬鹿が3人寄れば、単に「馬鹿が3倍」になるだけなのだ。これは恐ろしいではないか。思考停止の暴走である。集団ヒステリーである。
ということで、やはり「震災復興税」が出てきた。どうやらそのような輩が3人以上集まっているらしい。
このブログでも、この国難に乗じて増税しようとしている卑劣な動きがあることを悲痛な気持ちで何度か書いた。所謂(いわゆる)ショック・ドクトリン(後述)というものである。
『国難に乗じて増税を実現しようとする悪魔の囁き。もはや陰謀と言える。』(3/19)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/191428604.html
『復興国債はありえない政策なのか』(3/19)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/191440543.html
『自民党に救いを求める菅内閣』(3/20)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/191561120.html
『福島第1原発事故という人災に続き、増税という人災が襲う』(3/21)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/191712158.html
『村を救ったコンクリート。公共事業の重要性が報道されない』(4/3)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/193960457.html
今振り返ると、ほぼ連日投稿していた。それほど一国民として追い詰められた気持ちになっていたのだ。
国難とは、東日本大震災や福島第1原発の事故のみを指していない。
この国の不幸は、最大野党の谷垣禎一自民党総裁も政権与党の菅直人首相も増税すべしと財務省あたりから洗脳されている輩であることだ。彼らの増税連立はいったんは不発に終わったが、まだ余談は許さない。
と、思っていたら、今度は別の手法で「増税は日本のため、被災者のため、増税に反対する人間は非人道的で非国民だ」というプロパガンダを始めていた。
その筆頭に五百旗頭真防衛大学校長なる人物を見つけた。「いおきべ まこと」と読む。覚えておくべき名となる。
五百旗頭真は親の代からの経済学者で、兄弟や息子たちも大学教授を務めるエリート一家に所属している。
五百旗頭真氏の仕事はもっぱら対米従属、対中国土下座外交、反日言論のようだ。そしてなんと恐ろしいことに、日本の国民に塗炭の苦しみを味合わせるために経済学者という権威を悪用しようとしている。反日ということでは筋の通った人物だ。
14日に政府は、復興構想会議(実は増税布教会議)の初会合を催した。そう、○○が集まってしまったのだ。恐れていたことである。
そして政府の意図通りに、五百旗頭真は、「震災復興税」を主張した。○○を通り越して○○だ(○○には、お好きな侮蔑の単語を入れてみてください)。
政府はそもそも2011年度第2次補正予算に復興税を入れたい。そのために、この○○な五百旗頭真にものを言わせているとしか思えない。
あるいは震災国債を発行したとしても、その償還のために増税を行う意向だ。阪神淡路大震災後に橋本政権が行ったことの失敗を忘れてしまったらしい。増税はその年の税収をいったんは上げるが、翌年からの不況で減収と成る。
税収の増加というものは、景気の浮上により実現することが健全であり、より国民の豊かさを実現するものだということにはからっきし興味がないらしい。
その背後には必ず財務省がいる。彼らは国民生活など考えない。ひたすら財務省の権限強化と官僚の天下り先増加に血道を上げている。そして思想としては財政再建至上主義という質の悪い大義を抱えている。財政再建のためなら国がつぶれても構わない、あたかも平和のためなら暴力も辞さないと言っていることに似ている。つまり、狂信だ。
その財務省が、復興税として所得税の臨時増税を言い出した。ずばり一律10%も上げようというのだ。
これが実現すれば何が起きるか。
かつて消費税が導入されたことで日本の年間自殺者数が一気に8000人も増えてしまったことを思い出されたい。そのことも以下のブログ記事の後半で紹介した。
『「マツダ」の社員の自殺に企業側責任判決。消費税増税でもっと自殺は増える(歴史は繰り返す)。』(2/28)
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/188233088.html
ちなみに、上記の記事で財務省のホームページを参照していたのだが、そのページが最近になって削除されていた。増税と不況、自殺者増加の因果関係を隠蔽しようとでもいうのだろうか。別の理由かもしれないが、意図的なものを感じてしまう。
話を戻すが財務省が政府に実行させようとしているのは消費税ではなく、所得税の増税だ。これは、消費税をアップしてしまうと、被災者にもその負担が(公平に?)のしかかってしまうという批判をかわすためだと考えられる。それにそもそも消費税は滞納率が高い。
国税庁のホームページに発表されている数字を見るとよく分かる。
http://www.nta.go.jp/kohyo/press/press/2010/sozei_taino/index.htm
「平成21年度滞納整理中のものの額」を見ると、全税目が1兆4,955億円で、そのうち消費税が4,419億円、つまり約30%の滞納は消費税なのだ。
そこで取りそびれない所得税に注目したのかもしれない。国民を搾取することが彼らの生き甲斐なのだろう。
しかも所得税であれば、被災者を除外する手続きが簡単だ。そのことで「被災者を国民みんなで支えるのだ」という大義名分が成り立つ。
そして彼らは法人税も狙っている。この部分は同じく政府に影響力のある経団連(消費税の推進者)とは対立しそうだ。何しろ経団連が消費税を推進しているのは、法人税を引き下げる代案としてなのだから。しかも大企業(特に輸出産業)は消費税の巨大な還付金で、実質減税効果を期待できる。一石二鳥だ。
そしてこの法人税を臨時増税するということでは、湾岸戦争時の法人臨時特別税という実績を持っている。このときは法人税額から年300万円を引いた額に2.5%の税率を課税している。
しかもこのたびは、復興のための財源なのだから、ということで東西ドイツが統合した際の復興に導入された連帯付加税の例を挙げて正当化しようとしている。
本当に国民を疲弊させる方法については、悪魔のような知恵が働く。決して文殊菩薩の慈悲深い知恵ではない。
勿論、復興のための増税に疑念を抱く人々はいる。すなわち、ただでさえ震災により景気悪化の懸念があるところに、増税によって国民に負担を強いることは、さらなる景気の悪化をもたらすのではないか、という当たり前すぎる懸念だ。
しかし、その声は悲しいほど小さい。
勿論、悪魔の財務省は消費税アップも忘れたわけではない。例えば一律1%の引き上げで2.5兆円は確保できると皮算用しているようだ。ただ、前述したとおり被災者を除外する方法がないため、世論の賛同を得にくいと考えているのだろう。
その辺り、財務省が洗脳したはずの谷垣禎一自民党総裁の方が財務省の機敏を読めずに○○の一つ覚えとして消費税増税を口にしている。
また、財務省が復興増税に消費税を含めていないのは、次の増税のネタ、すなわち社会保障財源という建前での増税にとっておきたい、という思惑も働いているようだ。本当にそういうことになると、俄然頭が回転するようだ。
しかしそうはいってもさすがの政府も復興資金を本格的に盛り込まねば成らない2次補正予算では、財政支出の規模が10兆円規模(足りないだろう)になるため、国債の増発も検討している。増税ばかり前面に出せないことと、まず国債を発行して償還のための増税、という方がやりやすいからだろうか。
ちなみに財政法ではインフラ整備には建設国債以外の国債発行を禁止している。そこで別枠の根拠法を制定して震災特例国債の発行となるのだろう。
前述した復興構想会議では、五百旗頭真議長が財務省の思惑通り、というか代弁者として所得税に10%程度の上澄みを主張している。一応景気への悪影響を避けるためとしてとりあえずは震災国債を発行した2〜3年後に開始することだとしているが、そのように期限を決めてしまうこと自体が失政となる。
増税はそもそもそもインフレ対策なのだから、2〜3年後などと期限を切れるはずがない。実際の景気指数を見ながら、今こそインフレ暴走を止める時期だ、と判断できる段階が来たら行うべきである。何度も書くが、阪神淡路大震災後の橋本龍太郎政権が行った性急な愚策を忘れるべきではない。
以上の様な悪魔的なプロパガンダが行われているが、実際問題として国民はこの自らの身を滅ぼしかねないプロパガンダにあっさりと飲み込まれてしまう可能性が高い。
既に「増税やむなし」、あるいは「増税して助け合おう」「増税しないと国が破綻する」といった思いになりがちではないだろうか。
しかし、それは誤りである。今増税を行えば、確実に景気が失速し、失業者は溢れ、自殺や犯罪が激増すること間違いない。
そしてこの、災害などの直後は、特に悪政を敷きやすいということが言われている。
それが今回のブログのタイトルにつかった「ショック・ドクトリン」というキーワードだ。(と、ここまでなんと長い記事になったのだろう。下手の長文の典型ではないか。と反省)
「ショック・ドクトリン」という言葉はこれから注目されるに違いないので、覚えておくべきだと思う。
戦争や自然災害、大惨事(「9・11事件」なども含む)の直後、国民がショック状態に陥り思考停止状態になっているところにつけ込んで、国民に痛みを強いる悪政を強行することをショック・ドクトリンと呼ぶ。
良く引き合いに出される例が、97年アジア通貨危機後の韓国に対するIMF構造調整計画、何度も例に出している阪神淡路大震災後の橋本構造改革など。
かの有名なノーベル経済学賞の受賞者であるミルトン・フリードマン(ケインズ批判で有名な新自由主義の提唱者。個人的には好きになれない)は言っている。
「真の変革は、危機状況によってのみ可能となる」
この言葉の意味や価値は受取手の立場により変わってしまうが、カナダのジャーナリストで世界で最も著名な女性知識人と言われているナオミ・クライン(Naomi Klein)氏はこう受け取る。
ミルトン・フリードマンが述べた「真の変革は、危機状況によってのみ可能となる」という考え方は、「ショック・ドクトリン」と呼ぶべき現代の最も危険な思想であり、は「惨事活用型資本主義の勃興」であると。つまり、急進的な市場主義改革の強行に利用されてきたのだと。
ナオミ・クライン氏は例を挙げる。ピノチェト将軍によるチリのクーデター、天安門事件、ソ連崩壊、米国同時多発テロ事件、イラク戦争、アジアの津波被害、ハリケーン・カトリーナ──。
今、まさに東日本大震災による国民の思考停止状態を利用して、政府が行おうとしていることに警戒すべきであろう。
そして復興増税だけではなく、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定:Trans-Pacific Partnership、またはTrans-Pacific Strategic Economic Partnership Agreementの略)を推進しようとしている輩もまた、ショック・ドクトリンと呼ぶべき政策により、日本国民を奈落の底にたたき込もうとしている。
ただ、困ったことにTPP推進派の中には、本当にそれが日本にとって良いことだと信じている質の悪い者たちがいるらしいことである(某国の某首相でカンなんとか)。
TPPについては、また機会を改めて言及したい。今回は復興財源のお話。
そしてもう一人○○な人を紹介する。野田佳彦財務大臣だ。このような人物が財務大臣にいることも国難であろう。嘆くしかない。
野田佳彦財務大臣は、
「国債発行は、建設国債でも赤字国債でも市場は国債発行と受け止めるため注意が必要と述べ、財務省として国債発行に依存せず編成を行う」
と決め打ちしてきた。政治主導で財務省を動かすのではなく、完全に財務省の傀儡になっている。
しかも予算規模をたかだか4兆円規模としているが、東日本大震災で必要な予算が阪神淡路大震災(このときは国債計9.2兆円)を凌駕することは素人でも分かるだろう。しかも今の政府は何事も逐次投入という無様さを露呈している。復興のための拠出金は一気に多額を投入すべきである。
しかもこのような時に、財政健全化などと馬鹿なことを言っている。緊縮財政を行ってどうするのか。財政破綻などという都市伝説を理由に、国民生活を破綻させてしまうつもりらしい。
財務省は操り人形と成った野田佳彦財務大臣を通して国民を洗脳しようとする。
すなわち、国債発行などにより財政出動を行えば、震災時の供給力低下によりGDPギャップがインフレギャップになるというメッセージを配信し始めているらしい。
だから増税して総需要を抑制しなければならない、というデマだ。
阪神淡路大震災のときはどうだったか。
![[世] 日本のインフレ率(消費者物価指数)の推移(1990〜2000年)](http://chart.apis.google.com/chart?cht=lc&chs=450x250&chtt=%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%95%E3%83%AC%E7%8E%87(%E6%B6%88%E8%B2%BB%E8%80%85%E7%89%A9%E4%BE%A1%E6%8C%87%E6%95%B0)%E3%81%AE%E6%8E%A8%E7%A7%BB(1990%EF%BD%9E2000%E5%B9%B4)%7C%E5%8D%98%E4%BD%8D%EF%BC%9A%20%EF%BC%85&chxt=x%2Cy&chxl=0%3A%7C90%7C91%7C92%7C93%7C94%7C95%7C96%7C97%7C98%7C99%7C00&chdlp=b&chdl=%E6%97%A5%E6%9C%AC&chco=3399CC&chxr=1%2C95.6%2C103.6&chd=e%3AAAT.cyllqYnMr.7L..3LzM)
阪神淡路大震災は1995年1月に起きたが、このとき翌年にかけてもインフレ率は100.5%から101.1%とたいしたことには成っていない。但し、1997年の4月には橋本内閣による消費税5%実施があったため、若干インフレ率が上がっている(103%)
結論としては、インフレは起きない。
増税推進派が主張する供給不足は、被災地という一地域の、しかも復興までの一時的な状況だけを強調している。
しかもこれは偏った想定によるもので、被災地が供給をダウンさせるということばかりを強調しているが、需要もダウンしてしまうのだ。
場合によってはGDPギャップはデフレギャップに振れてしまう。
ショック・ドクトリンという国難が迫っている。
財務官の人事評価をGDP成長率で測る議員立法を成立させるのが復興増税を防ぐ手段では
ないでしょうか。
なるほど財務相の評価基準がまずいのですね。それでは確かに国民の豊かさを目指す方向とベクトルが全く逆になってしまいます。
やはり官僚の評価は、国力や国民の豊かさと同じベクトルであるべきです。
そういう意味では、ロベルト・ジーコ・ロッシさん提案のGDP成長率で測る、というのはおもしろい案ですね。
でも、そうするにはやはり政治主導を実行できる政権が現れないといけませんね。
道は絶望的な程、遠いように思えます。
おそくなり申し訳ありません。
貴殿のブログ拝見し、共感共鳴しております。
貴殿のような人が増えたら、この日本もよくなるのに、といつも思っています。
ますますのご活躍を祈っております。
原野
恐れ入ります。
原野さんのブログは渋いですね。勉強させていただきますので、これからもよろしくお願いします。