2011年03月17日

一気に待避させる米国と、小出しに住民を避難させる日本政府

多くのネットユーザーがNHKの報道にかなり情報の検閲が掛かっていることと、政府(枝野幸男官房長官)の発表に、嘘ではないが大事な情報を後出しにしている状況を感じるようになっているのではないだろうか。

そんな中、やはり衝撃は黒船としてやってきた。

16日、NRC(米原子力規制委員会)は、福島第1原発の半径80キロ以内に住む米国民に対して避難勧告を出したのだ。圏外への移動が困難な場合は屋内避難を指示している。

一方日本では20キロ圏内に避難を指示しており20〜30キロ圏内には屋内待避を指示している。

つまり、米政府は、日本政府が出している要避難圏よりも半径にして60キロも広く危険区域と認識しているのだ。

しかも米政府は原子力発電所の事故への対応としてはより適切な、一度でより安全な場所への避難を指示している。

それに比べて、日本政府は非難範囲を小出しにしているという、原子力発電所の事故からの避難指導としては、非常に効率の悪い、また避難民に対してストレスと混乱と危険が多い方法を採用している。

日本政府の対応の方が危険かつ避難者への負担が大きいことは明らかだ。この場合は米国政府の対応が正しいのではないか。

この対応について、カーニー大統領報道官は、あくまで米国政府として独自の分析を行った結果の判断であるとしている。15日の段階では日本政府の指示が妥当だと認識をしていたが、米政府は「情勢は悪化している」との判断を行い、「もはや(日本政府の見解とは)一致しない」と記者会見で述べている。

どちらが正しいのか私には分からないが、これまでの対応から受ける感じでは、米政府の対応の方が、適切なのではないかと感じている。

この米政府の対応について、在日米大使館も声明を出した。すなわち、放射能汚染の範囲は、天候や風向きなどの様々な条件が影響を与える。そのために、80キロ以上離れた地域にも放射性物質が飛散する可能性もあるという指摘だ。

非常に説得力があるのではないか。枝野幸男官房長官が危険な状態や対策を小出しに発表し、常に「まだ大丈夫」という言い方をしてきたことと対照的ではないか。

ちなみにNRCはこのたびの避難範囲をコンピュータで計算して出している。条件としては住民の被曝線量が計10ミリシーベルトを上回らないことだ。

先のカーニー大統領報道官の会見では、当然のごとく記者団から次の様な質問も投げかけられた。

「米政府は、日本政府の情報に不信感を持っているのではないか。」

つまり、日本政府の情報は怪しいと米政府が判断したのではないか、ということだ。

これに対し、カーニー大統領報道官は日本政府が嘘つきにならないような回答をしている。

「日米では基準が違う」

それだけを強調した。

また、今回の米政府の勧告内容については、発表前に日本政府と協議しており、日本政府が承知していることも付け加えた。

日本政府はこの日米間でのあまりにかけ離れた危険認識が発表されることについて、なんら矛盾を感じなかったのだろうか。

この米政府の勧告を知れば、日本人は一気に日本政府の発表を疑いだし、不安を募らせるではないか。

米政府側は日本政府が嘘つき呼ばわりされないように慌ててフォローしている。

米国務省のマーク・トナー報道官も、米政府の勧告があくまで米国の専門家の見解に基づいた独自の判断であり、「日本の当局が国民に説明していることについて、一切の判断をさしはさむものではない」と説明した。

しかし次の言葉は非常に意味深だ。

「もしわが国で同様の事態が起きた場合、国民に出すであろう勧告を根拠とした。その推定と判断に基づき、やむを得ず日本にいる米国民に対して勧告を出した」

やはり米政府に言わせれば、日本の避難勧告内容は、とても従える内容ではなく、少なくとも自国民だけでも救わねばならない、という判断を下したことを感じさせる。

我々は、我々の政府を信じても大丈夫なのだろうか。不安は募る。





posted by しげぞう | Comment(2) | TrackBack(0) | ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
カン政権の言う事よりアメリカの言う事の方が信じられそうですね。

特に、カン政権の人間は技術や科学を理解しているとは思えませんからねぇ。

確かに、基準が違うのは事実でしょう。しかし、アメリカの本音は『カン政権の言う事は信じられない』というのに尽きるでしょう。

これを馬鹿正直に(単に科学的な)基準が違うから、とみるのは政治的なセンスが無いってモンでしょう。

アメリカもカン政権、いや、民主党政権の馬鹿さ加減にキレかかっているのではないですか。
Posted by みやとん at 2011年03月17日 19:34
みやとんさん、コメントありがとうございます。

上記の記事では結論を書きませんでしたが、個人的には米国の判断が正しいと思います。

根拠は、日本政府の見解と異なるにもかかわらず、勧告せねばならない切羽詰まった状況だということがわかるからです。

日本政府の避難勧告が正しければ、あえて異なった見解を表明する必要はないはずだからです。

先ほど恐ろしい記事を見つけたのですが、『原子炉時限爆弾』という本を昨年出して、このたびの福島第1原発の事故を予言していたということで現在その本が再注目されているジャーナリストの広瀬隆氏が、ダイヤモンドオンライン(URLを最後にコピーしておきます)の記事で、福島第1原発のメルトダウンを予告しています。その場合、福島第1原発には、チェルノブイリの10倍の放射能があると分析しています。

なんだか絶望的になってきました。

ダイヤモンドオンライン
http://diamond.jp/articles/-/11514
Posted by 管理人 at 2011年03月17日 22:46
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。