2011年02月23日

リビアの革命指導者カダフィ大佐が、新たな革命に襲われる:一部

チュニジアやエジプトのデモでは、軍隊が民衆に銃を向けることを拒否した。つまり軍が権力者を武力で守らなかった。そのため、民衆のデモ活動が容易に膨れ上がり、時の権力者を退陣に追い込むことに成功した。

しかしリビアでは事情が異なっている。

リビア東部の主要都市であるベンガジから首都トリポリに拡大したデモに対し、軍はカダフィ大佐の忠実な僕として、民衆を攻撃している。

ちなみにカダフィ大佐とは言うが、実際は軍の大佐であるわけではないし、リビア軍のトップが大佐というわけでもない。

カダフィが大佐と呼ばれている理由は諸説あるようだが、Colonel Qadhafiのカーネルがいつのまにやら大佐と訳されてしまった。ただ、このカーネルには指導者の意味があるので、おそらくカダフィ指導者といった意味で使っている可能性がある。

が、この投稿でも習慣にならい、カダフィ大佐と表記する。

カダフィ大佐は既に41年も独裁者として君臨しているため、アフリカで最も長く政権を維持している記録保持者になっている。

それにしても治安部隊は容赦無いようだ。前述のトリポリでは、なんと戦闘機や軍用ヘリまでが民衆に向かって無差別攻撃を行っているという。阿鼻叫喚の地獄図となっている。

もちろん、空からだけではなく、地上部隊も実弾を民衆に浴びせ、手榴弾も使われているという。自体は既に殺戮状態と言える。

中東の報道では、既に死者が250人に達したとも言われているが、本当に無差別攻撃が行われているのであれば、犠牲者はもっと多いかもしれない。

カダフィ大佐は民衆を軍事力で黙らせるつもりだ。カダフィ大佐の次男であるセイフイスラム氏(後継者候補とも言われている)は国営テレビを通じて国民に告げた。

「軍は最後の瞬間までカダフィ大佐とともにある。騒乱に終止符を打つ」

これまでのデモ発生国とはかなり様相が異なる。

2/22に投稿した以下の記事でも書いたが、リビアは建前上直接民主制を採用していると宣言しているが、その実態はカダフィ大佐による独裁政治である。

『リビアやバーレーン、そしてサウジアラビアに飛び火する反政府デモとは何か』2/22
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/187286755.html

民衆は軍の火炎に耐えうるだろうか。

リビアはアフリカ最大と言われている埋蔵量の石油を制御しながら輸出することで行動経済成長を実現している。一人あたりのGDPはアフリカでは突出して高く12,062ドル(エジプト:2,771ドル、チュニジア:4,160ドル)と先進国並みに近づいている。

しかし失業率は凄まじく、30%(外務省のサイトより)という。

すなわち、国民にとっては、リビアの経済発展の恩恵は、カダフィ大佐一族や、その側近と言った、現政府関係者に集中しており、一般国民には行き渡らないという不満がある。実際、食べていくのが大変だろう。

これに加えて、表現や報道の自由もかなり制限されているに違いない。社会主義の特徴だ。

これがデモのエネルギーだろうが、隣国チュニジアやエジプトの民衆の勝利(一時的かもしれないが)を知ったリビアの国民は、軍の躊躇ない国民への武力攻撃に面食らいつつも憤慨しているに違いない。

それにしてもカダフィ大佐の国民を恐れること尋常ではない。それは、近隣諸国での民衆の勝利(一時的かも)を見たこともあるが、何よりも自分自身が革命を起こし、成功させた人間だからではないか。

かつて自分自身がリビア王国のイドリース1世を追放した様に、今、自分が追放される恐怖を味わっているに違いない。

そのため、武器を持たない民衆に向けて、軍隊の兵器を国民に容赦なく使わせている。狂気だ。

この惨状に対し、国連の潘基文(バンキムン)事務総長が非難したのが21日であり、それだけでなくカダフィ大佐と電話会談により武力弾圧を停止するように求めたが、平静ではいられないカダフィ大佐は、どれほど国民の血が流れようと、鎮圧することだけを考えている。

また、リビアの治安部隊の特徴に、外国人の傭兵が多いということがある。彼らにとっては、リビアの国民は異国の民だ。銃火を浴びせるに躊躇はしまい。

ただ、既に各国のリビア大使が続々と辞任している。また、軍の一部の将校たちもカダフィ大佐を非難し始めており、軍が分離の兆しを見せている。

カダフィが頼れるのは軍だけだ。しかも最後は外国人の傭兵(つまり金で動く兵士)しか頼れないかもしれない。

少々長くなったので、カダフィが思い出しているであろうことについては次の投稿で書いてみたい。





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言論抹殺大陸シナの深き闇…砂漠にジャスミンが咲く時
Excerpt: 東部で激化した反政府のうねりは1週間で首都に到達。カダフィ体制に運命の時が迫る。一方、ジャスミン革命に呼応したシナ国内の抗議は不発。中共に飛び火しない真の理由とは何か。
Weblog: 東アジア黙示録  
Tracked: 2011-02-24 16:08
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