2009年衆院選の際に移設先は「最低でも県外」と発言した際の見通しは。
民主党は沖縄ビジョンの中で、過重な基地負担を強いられている沖縄の現実を考えた時に、県民の苦しみを軽減するために党として『最低でも県外』と決めてきた。鳩山個人の考えで勝手に発言したというより党代表として党の基本的考えを大いなる期待感を持って申し上げた。見通しがあって発言したというより、しなければならないという使命感の中で申し上げた。しっかりと詰めがあったわけではない
鳩山由紀夫前首相は、党の意見として使命感をもって「最低でも県外」と述べていた。しかも、悲壮感が漂うことに、「見通し」があったのではなく、「しなければならない」と思い詰めていたという。沖縄県民は、この部分を聞き逃してはならないだろう。
閣僚の発言はバラバラだった。
岡田(克也)君は外相当時、マニフェスト(政権公約)に『県外』とまで書かなかったと話したが、民主党が圧倒的な国民の支持を得て政権を中心的につくらせてもらったのだから、党のビジョンはしっかり打ち出すべきだと思った。一致して行動していただきたいという思いはあった
鳩山由紀夫前首相が、現在の有権者無視の菅直人首相や閣僚たちとは異なり、民主党が有権者によって選ばれ、その選ばれた理由と使命をきちんと認識していたことが分かる。それに対して、当時の岡田克也外相が、早くも有権者に対する裏切り行為を働き始めていたことを見逃してはならないのではないか。
外務、防衛両省に新しい発想を受け入れない土壌があったのでは。
本当に強くあった。私のようなアイデアは一笑に付されていたところはあるのではないか。本当は私と一緒に移設問題を考えるべき防衛省、外務省が、実は米国との間のベース(県内移設)を大事にしたかった。官邸に両省の幹部2人ずつを呼んで、このメンバーで戦って行くから情報の機密性を大事にしようと言った翌日に、そのことが新聞記事になった。極めて切ない思いになった。誰を信じて議論を進めればいいんだと
鳩山由紀夫前首相が有権者との約束を実行しようとすることに対し、官僚が妨害していた様子が見て取られる。「私と一緒に移設問題を考えるべき防衛省、外務省が、実は米国との間のベース(県内移設)を大事にしたかった」という発言に、鳩山由紀夫前首相の悔しさがにじみ出ているのではないか。「官邸に両省の幹部2人ずつを呼んで、このメンバーで戦って行くから情報の機密性を大事にしようと言った翌日に、そのことが新聞記事になった。」という発言にも、官僚がマスコミを利用して鳩山由紀夫前首相のマニフェスト実行を妨害していたことが分かる。有権者の税金で食っている輩がである。「誰を信じて議論を進めればいいんだ」という発言に、この国の首相が実はある勢力の傀儡にならなければ首相の座を維持できないことが見て取られる。これはゆゆしき問題であり、現在の菅直人首相の権力亡者ぶりや節操のなさの原因が垣間見えるのではないか。
味方はいたのか。
平野博文官房長官(当時)は(望みをかけた)徳之島をいろいろと模索してくれた。少なくとも1人はいた
この下りは、有権者との約束を実行しようとする首相が、四面楚歌になってしまう状況を物語っているのではないか。
県内移設理由として在沖縄米海兵隊の抑止力は唐突感があった。
徳之島も駄目で辺野古となった時、理屈付けをしなければならなかった。海兵隊自身が(沖縄に)存在することが戦争の抑止になると、直接そういうわけではないと思う。海兵隊が欠けると、(陸海空軍の)全てが連関している中で米軍自身が十分な機能を果たせないという意味で抑止力という話になる。それを方便と言われれば方便だが。広い意味での抑止力という言葉は使えるなと思った
「方便」ということが使われた問題の答弁である。確かに鳩山由紀夫前首相のこの答え方は揚げ足を取られてしまうだろう。政治家としてはやや不注意だったと言える。まだ彼は四面楚歌であることを忘れてはならない。しかも、この答えを良く読み直すと、鳩山由紀夫前首相が「方便」を言わねばならない、と思って発言したと言っているよりも、「方便」を言わされるような圧力に屈したのだと言っていることが分かる。つまり、本当の不埒な輩は他にいるということではないのか。
日米首脳会談での発言が物議を醸した。
沖縄県民に理解されながら、米国にも合意してもらえる案が必ず作れるという気持ちは持っており、私という人間を信じてくれという意味で『トラスト・ミー』という言葉を使った。昨年7月にオバマ米大統領から手書きのレターが来て『あなたは自分の言葉に忠実だった』と書かれていた。日米関係が大変毀損(きそん)したと(メディアに)書かれたが、少なくとも7月の段階ではそうではない」
当時、鳩山由紀夫前首相が「トラスト・ミー」という言葉を使ったことについて、マスコミはやはり「意味がわかって言っているのか?」的な報道をしていたような記憶がある。しかし、オバマ大統領から『あなたは自分の言葉に忠実だった』と手書きの手紙が届いたことを考えると、日本の国民よりもオバマ大統領の方が、鳩山由紀夫前首相の置かれている立場の苦しさを認識していた節がある。また、もしかすると、オバマ大統領でさえいかんともしがたい米国側の勢力(ネオコン、軍産複合体など)があったことも考えられる。その意味で、オバマ大統領は、鳩山由紀夫前首相に同情した面も会ったのではないだろうか。
昨年3月の韓国海軍哨戒艦沈没の影響は。
現実に北朝鮮の脅威を感じた。ある意味で戦争行為。(移設先が)辺野古に舞い戻らざるを得なくなって来る時の現実の脅威が、てこみたいに働いてきた。
この下りは興味深い。私は2010年8月16日に、韓国海軍の哨戒艦沈没の犯人は北朝鮮ではない可能性について投稿した。
http://newsyomaneba.seesaa.net/article/159668470.html
反省点は。
相手は沖縄というより米国だった。最初から私自身が乗り込んでいかなきゃいけなかった。これしかあり得ないという押し込んでいく努力が必要だった。オバマ氏も今のままで落ち着かせるしか答えがないというぐらいに多分、(周囲から)インプットされている。日米双方が政治主導になっていなかった
この発言も重要だ。最後に「日米双方が政治主導になっていなかった」と応えている。日本側が政治主導になっていなかったということは、やはり有権者が選んだ政党の、それも首相よりも、外交の実権を握っているのは別の存在、あるいは勢力だと言っているのだ。おそらく首相という座について、初めて思い知らされた強い勢力を目の当たりにしてしまったのではないだろうか。そして、先のオバマ大統領からの手紙にも暗に示されていたように、米国でもまた、政治では主導できない権力があることを示している様に受け取れる。
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