2011年02月11日

ムバラク大統領は、権力亡者となり暴走しているのか。後ろ盾の米国にも読めず。

エジプトの混乱が収まらない。

いや、それどころか10日深夜に行われた国営テレビでのムバラク大統領の演説が、国民の怒りを逆撫でした。

しかも、この演説が行われるまで、軍部もCIAでさえも、ムバラク大統領の退陣表明の可能性を臭わせていた。つまり、現在ムバラク大統領は、自分の権力の後ろ盾となってきた軍部や米国との連携がうまくとれていないという非常に不安定な状況にあるのではないか。

にもかかわらず、退陣しないという。9月の次期大統領選まで退くつもりはないと表明してしまった。

ただし、大統領権限はスレイマン副大統領に移譲するという。

そのような言葉に国民の誰が納得しようか。退陣表明が行われ、国民の勝利が記念されるべき時がきたと期待して、首都カイロのタハリール広場に集まったのは、数十万人の市民だ。過去最高のデモの規模だとされている。

しかし彼らは失望した。期待が大きかった分、失望は大きい。そしてその失望は怒りに変わるはずだ。既に国民は疲弊している。生活もおぼつかない。待ったなしだ。心に余裕はあるまい。長引くデモは、彼らを凶暴化する可能性すらある。

翌日は金曜礼拝で人も集まる。危険な状況ではないか。

但しムバラク大統領も、わずかな譲歩は見せようとしている。つまり次期選挙への出馬はしないことをしきりに訴えている。しかし即時退陣が国民の要請だ。

また、オバマ大統領の勇退勧告に対することなのか、「外国の圧力には屈しない」とも口にした。

さらに、国外への亡命が憶測されていることについては、「私はこの国で生まれ、この国で死ぬ」とその可能性を否定して見せた。

そして国民の怒りを静めるためか、このたびのデモは外国(チュニジアであろう)の影響であり、「市民の要求は正当だ」と述べた上で、デモの犠牲者並びにその遺族たちに哀悼の意を示して見せた。

ならば辞めろ──。これが国民の声であろう。

ムバラク大統領の演説の直後、スレイマン副大統領も国民に呼びかけた。野党勢力との協議を継続することを約束し、「帰宅して職場に復帰しよう」と懇願した。

しかし国民の耳には届かない。ムバラクを出せ、という状況なのだから。

一方、ムバラク大統領に対峙するかもしれないと憶測されていた軍だが、ムバラク大統領の演説後に最高評議会を開き、声明を発表した。

軍は、副大統領への権限移譲、憲法改正といったムバラク大統領の取り組みを支持するという。

これもまた、国民を失望させた。

しかし、11日になると、軍の中級将校の一部がデモに合流したとの情報も飛び交っている。軍も一枚岩ではないのではないか。

ところで「外国の圧力には屈しない」と言われてしまった米国も、ムバラク大統領の真意がつかめなくなっている。

オバマ大統領などは、「我々は歴史の展開を目撃している」などとムバラク大統領退陣を予告するような演説までしてしまっていた。立つ瀬がない。

ムバラク大統領を支援してきた米国だが、「民主化」という大義名分を掲げる人々にも支持するそぶりを見せねばならない。

まだ米国の星条旗は燃やされていない。微妙な状況にある。

そしてムバラク大統領が退陣を拒否したことに対し、オバマ大統領は「エジプト国民が政府の真剣さに確信を持てないでいる」との声明を発表した。

オバマ大統領も頭が痛い。サウジアラビアなどの独裁国家は親米であると同時に親ムバラクでもある。この騒乱がそれらの国々に飛び火することは防ぎたい。

また、ムバラク大統領あってこそのエジプトの親イスラエル政策が崩壊する可能性を見たイスラエル政府は、米政府に揺さぶりを掛けている。

「ムバラク氏が退陣すれば、イスラエル国内で右派勢力が強くなって中東和平に影響が出る」

そして米国が支援している軍部への協力要請を行いたいところだが、ロバート・マイケル・ゲーツ国防長官は、なんと1週間もムハンマド・フセイン・タンターウィー国防大臣と連絡が取れないのだという。

ニュース映像なので、削除されるかもしれないが、エジプトのデモ様子が以下のニュース映像で見られる。





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