2014年06月23日

KAKUREYAという、一人用の大人の秘密基地が売っている?

自分だけの空間を発売

家具専門店の有限会社フレスコから、大人が自分だけの空間を持てる、まるで秘密基地のようなクローズドスペース「KAKUREYA」を発売した。

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「KAKUREYA」はボックスタイプのデスクユニットにキャスター付きのシートが備えられた製品で、シートに座った状態でシートをデスク側にスライドさせると、デスクユニットがシートで閉ざされて、コックピットの様なプライベートスペースが生まれるというものだ。

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この落ち着いた空間で、仕事に集中したり、映画鑑賞を行ったり、様々な趣味を楽しむなど、せわしない日常から切り離された時間が過ごせそうではないか。

この製品が企画された当初は男性を前提にしていたため、「男のかくれ屋」という商品名だったが、予想外にも女性からの指示があったため、「KAKUREYA」に変更したと言う。


コンパクトな設計

「KAKUREYA」は非常にコンパクトなサイズで、シートを引いた状態のサイズは120×125×150(幅×奥行き×高さ)cm。

ところが中に入ってみると、外観からは予想外なほど広く感じる空間が確保できており、パソコンを設置してもまだ広々としたデスクが利用できる。

また、上下左右の空間を効率良く利用したラックや引き出しにより、様々なものを収納できる機能的な収納機能が備わっている。


完全受注生産により3ヶ月待ち

この設置が容易な「KAKUREYA」は、現在完全な受注生産のため798,000円だが、今後は量産することで398,800円と約半額程度にまで価格を抑えられるのではないかとフレスコ側は考えている。

現在はひとつひとつ手作りしているため、注文してから納品まで約3ヶ月かかってしまうが、デザインの改良や材質の見直しで量産化できれば、納期はかなり縮められる予定だ。

6月3日から8日まで開催された静岡家具メッセに「KAKUREYA」を出展したところ、多くの人達が興味を持ち、「意外と広い」「欲しい」「落ち着く」といった反響があった。


国産家具の新しいニーズ

ストレスが多い現代、人々は様々なストレス発散の手段を持っているが、敢えて小さな空間に閉じこもって何かに没頭することで、社会から自分を切り離して逆に開放感に浸れるのではないだろうか。

開発元のフレスコは、一般的なデスクやオフィスチェアを設置できる空間に、圧迫感を感じさせない空間を確保するサイズを見極めることに苦労したという。

また、低迷する国産家具の製造業を活性化するためにも、何かわくわくするような新しいコンセプトの製品が必要だと考えたともいう。特に国産で製造することに拘った。

今後は、「KAKUREYA」の量産化による製造コスト縮小と短納期化が課題だが、既に得ている人々の反響から見えてきたニーズを反映させた製品として、子供用の集中力が高まる勉強スペースや、国産ヒノキ天然木を活用した瞑想用の癒やしスペースにも挑戦していくことを検討している。





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2014年06月19日

トヨタの「T-Connect」車と会話する時代到来を告げる≪動画有り≫

スマートフォンの様なカーナビ

トヨタ自動車は、6月18日に車載情報サービス「T-Connect」を発表した。

T-Connectは夏以降に発売される予定のサービスで、自動車からインターネット上に集められた情報を元に、運転者のニーズを先読みする機能を備えている。

具体的な動作などについてはこの記事最後の動画を見ていただければわかりやすいが、例えば、良く使う道路の渋滞を事前回避させたり、給油が必要になると近くのガソリンスタンドを知らせてくれる。

また、スマートフォンの様にアプリケーションをダウンロードすることで、機能を追加していくことができる。

例えばパナソニックが開発したアプリを使えば、車内から自宅のエアコンを操作することなどができる。

トヨタが開発したアプリでは、運転者のブレーキ操作などから安全な運転状態にあるかどうかを診断する機能も備わっている。


車に搭載された「考える」機能

「T-Connect」は音声で利用できる。例えば「明治通り沿いのおそば屋さんを探して」などの幅がある表現で問いかけても、候補となる店を見つけ出してくれる。

その結果に対してさらに「今、営業している駐車場のある店にして」と複数の条件を口頭で追加すると、該当する店を絞り出してくれる。

また、スマートフォンとも連携しているため、近くの駐車場に車を止めた後でも、引き続きスマートフォンが店までの道順を案内することができる。

つまり、運転者はカーナビに一切触れること無く高度な機能を利用できるのだ。

もし、運転者の質問にカーナビが答えられない場合は、自動的にオペレーター(こちらは人間)に切り替わり対応してくれるが、この際の回答履歴が学習されて、機能がアップされるという。

そしてもう一つの特徴は、スマートフォンの様に外部企業が開発したアプリを追加できることだ。

前述したパナソニックのアプリを使用すれば、うっかり自宅のエアコンを付けたまま車で出かけようとすると、「エアコンの電源が入ったままです」というメッセージがカーナビの画面に表示される。

既にウェザーニュースやぐるなびなどからもアプリが提供される予定で、「ぐるなび」「天気予報」などのアプリが配信される。

スマートフォン用にもアプリが提供されるので、例えば「マイカーログ」では走行距離や運転時間が記録され、「ラストワンマイル」では車を降りた後の道案内や周辺情報案内が利用できる。


自動車メーカーのテレマティクス競争

以上の様に、カーナビゲーションがインターネットに接続し、ビッグデータを解析して各種機能を提供する仕組みを「テレマティクス」と呼ぶ。

テレコミュニケーション(通信)とインフォマティクス(情報工学)を合成した造語だ。

このテレマティクスはトヨタ以外の自動車メーカーも取り組んでいる。

ホンダではインターネットナビとして、渋滞情報・駐車場情報・交通情報・低燃費走行ルート情報・災害情報などを提供している。

日産自動車はカーウイングスとして、やはり渋滞情報・最速ルート情報の他、オペレータの遠隔操作による目的地設定なども提供している。

日本メーカーだけではない。イタリアの「フェラーリ」やドイツの「メルセデス・ベンツ」なども同様のサービスを提供する予定を持っている。

さらにテレマティクスは、ユーザーへの情報提供だけを担っているわけではない。自動車メーカー側も、車から集めた燃費・走行距離・ブレーキ状況などのビッグデータを、新車開発に役立てたいとしているのだ。

そしてゆくゆくは自動運転技術に役立てることも視野に入れている。


IT業界と自動車業界の垣根を越えた競争

自動車に「考える」機能を搭載しようとしているのは自動車メーカーだけではない。IT業界も参入し、業界を超えた競争あるいは協力が始まっている。

例えば米アップルは3月にiPhoneと連動する「カープレイ」という車載システムを発表したし、グーグルは自動走行する電気自動車のプロトタイプを5月に発表した。

勿論カーナビメーカーも静観してはいない。富士通テンはアルパインとカーナビの共同開発を行う事で機能の高度化に対応するとし、パイオニアはNTTドコモの出資を受けて「ドコモドライブネット」というスマホ用カーナビサービスを運営している。

テレマティクスは新しい市場として、業界の垣根を越えた競争に入っているのだ。




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